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矢鍋様がみてる 〜ナベスティーヌスからの贈り物〜 二 ミサといわずみ子は、入り組んだ路地を歩いていた。 たまにすれ違う人が時おり振り返り首をかしげているが、狭い道では誰も立ち止まらない。住人にとっては狭い道ではむやみに立ち止まらないのが暗黙のルールだ。 「さて、いわずみ子。どこから行こうかしら。」 「本当に行くんですか?」 「うん!普段なかなか行けないから。」 彼女らは、城を離れて城下町の商店街に向かっている。 ミサはついさっきもこの付近を通っているはずなのだが、わざわざ戻っていく。 彼女にとっては、商店街はよく通る道だが、いつも通るだけなのだ。 王猫様のお散歩に同行している時に寄り道するわけにもいかないし、一国の王の身では一人で出歩く時間もなかなかとれない。 だからこの機会に、いわずみ子もよく行くお店で買い物などしてみたいのだという。 そしてまた一人、すれ違う人が振り返る。 さすがに一緒に歩くいわずみ子も違和感に気がついた。 「あの・・・お姉さま、さっきから人が・・・。」 「あらら。そうね。 こんにちはー!」 ミサはいつもより控えめにではあるが、笑顔で手を振って応え始めた。 この国の藩王でもあるミサにとって、国民の挨拶に笑顔で応えることはごく自然なことだ。 しかし何気ないこの行動で、先程までこちらを気にしていなかった人々の視線まで集まり始めていた。 国の主がいつものように王猫と一緒でなく、護衛もなく、城下町を歩いている。珍しい光景だ。 「お、お姉さま・・・!」 どうしよう。せっかくのデートなのに・・・! いわずみ子は早くも二人っきりのデートに暗雲が立ち込めてきたことにうろたえていた。 「おやー・・・もうピンチだよー。 えー、本部応答せよー。」 建物や人波に隠れて様子を伺いながら追っていた青マフラーの人物は、仮面に仕込まれた無線機に話しかけた。 「・・・こちら本部。どうしました?」 「ええと、対象は予定ルート2で移動中。こちら現在ポイントAに差し掛かる直前の路地。距離50。 対象がここを歩いていることに周りが気付きました。」 「ラジャ。ポイントA担当者にはこちらから指示する。」 「了解。で、オレはどうすればいいかな。」 「そうですね・・・。」 無線機の向こう側で話し合いが行われているようだ。 「本部ー、急いでー。」 「お待たせしました。ではブルー、ポイントAから南に距離30、あなたから西に20の地点に急いで移動。予定より早いですが、そこでケミストと合流。」 「了解。その後は?」 「彼女の指示に従ってください。」 「了解。」 青いマフラーを翻し、ブルーは目標地点に走った。 路地なのでその場から目視はできなかったものの、走る距離は10秒あるかないかだ。 そこに別の方向から駆け込んでくる白衣の女性が見えた。 「大変だよー、もう見つかっちゃった。」 「き、聞いた・・・。 大丈夫。これさえあれば、オールOK!」 ブルーよりも長い距離を移動してきたらしいケミストは若干息ぎれしていたが、ちょっとずれた猫耳を直しつつもう片方の手ででかいアタッシュケースを差し出した。 「ほみゅ?」 「持って! 急ごう!」 持ち物をブルーに預けると、ケミストは猛然と走り始めた。 この辺りでは比較的高い建物の屋上まで駆け上がっていく。 「到着っ。急いで準備!」 「は、はいさ!」 よく見れば事前に設置されていたような大きな扇風機のようなものがあり、その横でケミストがブルーから受け取ったアタッシュケースから色々取り出して何かやっている。 「風向きは?」 「ええと・・・西南西だと思うよ。」 「バッチリだね。 始めるよー!」 ぽちっとな、とばかりに作業を終えたケミストがスイッチを押すと、扇風機の回転と同時に白いふわふわしたものが前に噴出され、飛ばされ始めた。 「これって・・・!」 風に乗って落ちていくそれに、路地を歩く人も気付き始めた。 狭い道なのに、誰もが立ち止まって空を見上げる。祭の紙吹雪などではない。 「そう。雪だよ!」 「でも溶けないねぇ。」 「さすがに南国じゃ本物は無理だよ。映画の撮影にも使う作り物だから。」 ミサといわずみ子も空を見上げていた。 「これ・・・雪?」 「雪・・・ですね。どうしてここに・・・。」 いわずみ子の広げた手のひらにはらりと落ちたそれは、体温で溶けてなくなりはしなかった。 南国では起こりえない事態に、誰もが空を見ている。 「おっといけない!ブルーはすぐにミs・・・じゃなくて対象2名を捕獲!ポイントAに誘導しろって!」 「え!?了解! いってくるー。」 ブルーは隣の建物を足がかりに跳躍し、忍者のごとく建物から降りた。 人を避けながら走り、人工雪を見上げているミサといわずみ子の腕をとった。 「え。何!?」 「いいから、今のうちに走って。」 「は、はい!」 ミサ一行が走り出したことに気がついた人もいたが、すぐに姿を見失った。 その場の誰もが初めて見る珍事に固唾をのんで立ち尽くしていた。 「はい、到着ー。」 「に、逃げられてよかった・・・。」 「あなたは誰?」 「通りすがりの鍋仮面です。」 「じゃ、そういうことで。」とブルーはその場を走り去った。 残されたミサといわずみ子が呆然としている間もなく、後から肩を叩かれた。 振り返ると、淡い色のサングラスをかけ、古着風の涼しげなシャツに身を包んだ若い女性がいる。 そのさらに後には世界各国の衣装のようなものが見え隠れする店がある。 「いらっしゃいませ。お二人にきっと似合う新作を入荷したばかりなんですよ。どうぞご覧になっていってください。」 女性は返事も聞かずに二人を店内に引きずっていった。 キー:1234 [No.813] 2007/05/22(Tue) 00:01:55 |