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No.1011へ返信

all .hack//A.D. Vol.2 守護神混乱 - 菊千文字 - 2007/08/11(Sat) 19:09:43 [No.885]
あとがき+なりきり次回予告 - 菊千文字 - 2007/12/30(Sun) 02:03:39 [No.1012]
最終話 蒼炎の守護神! - 菊千文字 - 2007/12/29(Sat) 21:18:20 [No.1011]
第十九話 ”意志” - 菊千文字 - 2007/12/24(Mon) 18:34:07 [No.1010]
第十八話 鬼愚者 - 菊千文字 - 2007/12/21(Fri) 21:21:36 [No.1009]
第十七話 創聖のアウローラ - 菊千文字 - 2007/12/18(Tue) 15:21:54 [No.1006]
第十六話 核<メインプログラム>の危機 - 菊千文字 - 2007/12/18(Tue) 15:09:14 [No.1005]
第十五話 カイトといっしょ - 菊千文字 - 2007/11/26(Mon) 17:35:03 [No.983]
第十四話 愛しさと切なさと心強さと - 菊千文字 - 2007/11/20(Tue) 16:21:17 [No.980]
第十三話 CRICK - 菊千文字 - 2007/11/06(Tue) 18:01:18 [No.974]
第十二話 翼-クロニクル- - 菊千文字 - 2007/11/06(Tue) 17:38:30 [No.973]
第十一話 遊☆戯☆神 - 菊千文字 - 2007/11/03(Sat) 20:59:22 [No.972]
第十話 蒼炎のカイト育成計画 - 菊千文字 - 2007/10/26(Fri) 21:46:18 [No.968]
第九話 アズールオブファイア - 菊千文字 - 2007/10/21(Sun) 18:18:26 [No.959]
第八話 デッドマンズK - 菊千文字 - 2007/10/14(Sun) 17:22:03 [No.955]
Another.4 過去のイヴ - 菊千文字 - 2007/10/07(Sun) 16:53:20 [No.954]
第七話 AI賛歌 - 菊千文字 - 2007/09/30(Sun) 18:36:40 [No.953]
Another.3 地獄に一番近い男 - 菊千文字 - 2007/09/24(Mon) 16:27:47 [No.939]
Another.2 Queen Knight - 菊千文字 - 2007/09/16(Sun) 02:08:33 [No.923]
Another.1 眠れぬ城 - 菊千文字 - 2007/09/14(Fri) 21:44:49 [No.922]
第六話 ジョジョに奇妙な浸食 - 菊千文字 - 2007/09/08(Sat) 22:54:28 [No.920]
第五話 ほろうに双剣士 - 菊千文字 - 2007/09/01(Sat) 18:31:22 [No.915]
第四話 蒼炎メイデン - 菊千文字 - 2007/08/25(Sat) 22:08:45 [No.902]
第三話 ホロー追跡者 - 菊千文字 - 2007/08/22(Wed) 18:29:06 [No.898]
第二話 藍より蒼し - 菊千文字 - 2007/08/14(Tue) 00:43:58 [No.889]
第一話 蒼炎の守護者 - 菊千文字 - 2007/08/11(Sat) 20:59:50 [No.887]
.hack//A.D. Vol.2 設定(1/17更新) - 菊千文字 - 2007/08/11(Sat) 19:21:56 [No.886]


最終話 蒼炎の守護神! (No.885 への返信) - 菊千文字

「「ハアアアアアアアアアァァァァァァ!!」」

漆黒のカイトから.hacker『カイト』のデータの一部を奪い取った蒼炎のカイト。
とたんに彼のPCボディは再生、それどころか進化しているようにも見える。
ツギハギのデザインは消え、凶眼とも言われる瞳も真っ直ぐしている。


『ハッ!その姿が何だと言うのだ!?ハッタリかどうか調べてやろう!!』
漆黒のカイトが腕輪を開花。
データドレインを蒼炎のカイトに向かって放つ気だ。

しかし、それが発動されようとした瞬間、彼は進行方向を変えた。
閃光はブラックローズ達の方へ走ってゆく。
「!!」
『さぁどうするこの状況ォ!もう間に合わ・・・』


  −ドパァン!!


疾駆のごとく追いかけてきた輝く閃光に相殺される黒き光。
「・・・・」
「・・・・」

『・・・・!

 貴様ッ・・・いつデータドレインを放った!?』

漆黒のカイトが腕輪を開花させていた時、
蒼炎のカイトは何も行動していなかった。
後から腕輪を使ったなら待機時間によって間に合うことはまずない。

「一秒も待つことなくデータドレインを打った・・・」
オーヴァンが見たことによると
蒼炎のカイトはデータドレインの待機時間を無視して発動させ、
その上光が駆けてゆく速度も漆黒のカイトのそれよりも上だったという。


『くっ!アウラァ・・・!!』
「「次ハオ前ダ、逃ガシハシナイ」」
『誰が逃げるだとォ!?笑わせるなァ!!
 ”ジョブハッキング”!!』

今度は大鎌を銃剣に変化させる漆黒のカイト。

『攻撃こそ最大の防御!コイツで貴様の薄汚ねぇ眼球を・・・』
「やめろっ!!『虎乱襲』!!」
『! このガキッ!?』
蒼月が大剣スキル『虎乱襲』を漆黒のカイトに打ち込む。
それを銃剣で防いだ漆黒のカイト。


「悪りぃな、ちっと動かねぇでくれるかぁ!」
漆黒のカイトの背後にいるのは、オルカ。
彼は隙ができた漆黒のカイトを抑え付ける。
それに続きブラックローズ、蒼月、なつめが彼の身動きを止める。

『!! ガアアア!!放せェ!!』

何とか彼らを振りきろうとする漆黒のカイト。



「「モウ遅イ、手遅レダ」」

『・・・・!!』

右腕を掲げる蒼炎のカイト。


 「「データ・・・ドレイン!」」








漆黒が腕輪に吸い込まれるようにカイトの体から浄化される。

蒼炎のカイトのPCデータが粒子となってカイトに戻ってゆく。

それと同時に地面に倒れるカイトの体。
そして・・・蒼炎のカイトも。

「カイトッ!!」
「カイトさん!!」
「カイト君!!」

ブラックローズ達が2人のカイトに近づこうとした瞬間、




  −フハハッ・・・



「「!!?」」

天から降り注ぐかのような、漆黒のカイトの声。



  −フハハハハハハハハハハハハハハァァァァ!!



痛みの森全体に響き渡る。
やがてそれは空の彼方にとけ込んでいった。

「・・・何だったんだ、奴は・・・?」
「俺は三爪痕のあの力に興味を持ったが、
 それ以前に・・・」


「カイトッ!カイトォ!!」
彼は完全に崩壊していた。
データがその場に散らばり、最早動くことも、立ち上がることもできない。

「どけ。」
.hackerカイトを伺っていたオルカを押しのけるオーヴァン。

そして彼は、カイトの頭部に銃剣を突きつける。

「! 何するの!?やめてっ!!」
必死で止めようとするブラックローズ達。
オーヴァンはそれに全く動じない。


 −こいつ、カイトの腕輪にも・・・Triedgeが・・・


  

  愛奈・・・



引き金を引こうとする指に力が入るオーヴァン。







 −−オーヴァン・・・






オーヴァンに囁く、何者かの声。


「・・・・!!」









 −−オーヴァン・・・    カイト・・・
















 −志乃・・・







 愛奈、志乃・・・
 許せるのか・・・?俺とカイトが・・・






気力がなくなったように力無く銃剣を落とすオーヴァン。

「オーヴァン?」
オルカ達に背を向けるオーヴァン。


「・・・今の貴様を葬ったところで、意味がない。」

そう言い残してオーヴァンは闇の中に消えていった。

彼の後ろ姿には、何を想ったのか、悲しみが感じられた。





大聖堂に行けなければ、修復する事もできない。
これからずっとデータが地に帰るまでそこにとどまり続ける。

 
 −コレ*・・・正シ@ッタノカ・・・?


  俺#・・・選択ヲ間違ッテイナ%ッタノカ・・・?


  ・・・結局此処ニ留マル#ラ・・・


  感情*ド・・・意志ナド・・・





  必要*カッタノカ・・・?




  ・・・・?


 
「おい!急いでかき集めろ!まだ間に合うかもしれねぇ!」
「全く・・・世話焼かせるわねホントッ・・・!」
「カイト君、もう少しの辛抱だからね!」
オルカ達が、カイトのデータを集めている。
蒼炎のカイトにとって、それはとても信じがたい光景だった。


−・・・・!




 何故・・・・




 何故・・・・





 −−カイト・・・




−! ア#ラ・・・?




 
 −−いずれ貴方にも分かります。彼らの”感情”、”意志”が。





−・・・・








「これで確信した。

 やはり全てを納めるのに必要なのは”完全なる力”のようだな・・・。」

オーヴァンに続いてその場を去るバルムンク。


 −あの力があれば、この腐りはてたThe Worldを俺の手で!


何かを思うバルムンクの表情には笑みが浮かんでいた。




「オルカ!カイトはどうするの!?」
向こう側で倒れているもう1人のカイト。

「う〜ん、これじゃ連れていけないしなぁ・・・」
全員の両手にはいっぱいのカイトのデータクズが。
「じゃあこちらのカイトさんをアウラさんに預けたら、またここに来ましょう。」
「しょ〜がない、
 カイト、すぐ戻ってくるからね。」

一同は1人カイトを残して痛みの森を去った。




****



 −グリーマ・レーヴ大聖堂


「大丈夫?生きてるカイト?」
「よし、アウラ!カイトを・・・」
「・・・ちょっと待って!アレ何・・・?」


土台の前に舞い降りてくる蒼い球体。

それは蒼炎を放ち、そこから人影が現れた。



「コオオオオオオオオオォォォォオオオオオ・・・」
「グウウウウウウウウウゥゥゥゥウウウウウ・・・」



見るからに男性PCで、
蒼炎のカイト同様にツギハギ、いやPCの完成度はカイトに劣っているが。

やはりカイトのようにある人物を模していた。


「! 誰だ!!」

「ん・・・!アレ、オルカさんとバルムンクさんに似てません!?」
「カイトと一緒だ・・・
 っていうことは、アウラの仲間・・・?」
「本当に・・・誰なんだお前ら?なぜ俺に姿が似ている?」


バルムンクを模したPCがこちらに手を差し出した。

「・・・お前に任せていいんだな?

 ほら、カイトのデータだ。」

蒼炎のカイトのデータを渡すオルカ達。


−<<.hackers仕様、違法PC・・・>>
−((今回ハ見逃シテ*ル、直チ#PC@破棄シロ))


彼らはそう言い残して蒼炎を纏って消えていった。

「何よー!こっちがせっかく・・・」
「いいじゃない。カイト君が助かるなら。」
「ほらほら、蒼炎のカイトさんは任せて、カイトさんの所に行きましょうよ!」
「よし、じゃあ痛みの森に戻るぞ。じゃあなーカイト!」

 
 −久しぶりだなぁ・・・カイト・・・


  やっと・・・逢える・・・!


思いを馳せながら歩いてゆくブラックローズ達。
















彼らが痛みの森に着いたときには、カイトはもうそこには居なかった。








そして、リアルのカイトのプレイヤーの意識が戻ることはなく・・・









状況は、全く回復せず、


さらに、悪化の一方を辿っていた。









漆黒のカイトが言っていた『.サーバー』とは何なのか。


カイトはどうなってしまったのか。


オーヴァンの目的は、


バルムンクの目論見は、


碑文使いの神髄、


守護神の神髄、


”2人のカイト”の力の神髄は何処にあるのか。







その謎に包まれたThe Worldに







   ”俺”は生まれた。






                      −ライト・エゼル






  −.hack//A.D. Vol.2 守護神混乱 完


[No.1011] 2007/12/29(Sat) 21:18:20

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