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10://www.lost-ソウシツ. (No.791 への返信) - 宴六段











失意と絶望







失墜と失速







超越と墜落













10://www.lost-ソウシツ.






_____________________________













 跳躍した先に槍が突き出された。 それを左の黒刀で流し、懐に飛び込もうとするが疎宣の槍先が反転。 刃が付いているのは反対側を向け、そのまま突く。


 元来、槍や薙刀といった中距離武器には反対側に小型の刃が付いているものなのだ。 絶対の刺突を身を捩っただけで避け、阻まれた飛び込みを再度挑戦しようとするが、また槍先が翻って刺突が繰り出される。


 ――苦戦している。


 <……くそ>


 <どうした、≪請負人≫。もう息切れか?>


 軽く笑う疎宣を見、悪態を突くルナ。


 完全に中距離戦闘に慣れている疎宣は、自分の間合いというものを把握している。


 槍の特性による中距離戦闘、か。 確かに苦戦する相手だが。


 「貴様になら出来るだろう? ≪請負人≫……」


 独白。


 同時にルナが笑う。


 ルナが哂う。


 ルナが嗤う。


 まるで可笑しい様に。


 <くはは。 面白いな、実に面白い>


 <……?>


 <見事だよ、疎宣とやら。でもな――>


 一息。


 怪訝そうな顔をする疎宣に、ルナは言う。








 <――澪程ではないな>







 <……?>


 <あいつ程鬼神じみた奴も可笑しいけどさ、あんたみたいに中途半端な奴も珍しい>


 続けるルナに、無精髭を扱いていた疎宣の腕が止まった。


 <半端、だと……?この俺が……!?>


 どうやら動揺しているらしい疎宣のロールが、崩れた。


 <消え失せろ>


 告死。


 瞬間、ルナの体が赫い光条と化す。


 禍つ式が緋色に発光している。


 ほう、と直毘がまたも感嘆する。


 「禍つ式の力を最大限まで……」


 使用者に近付いている禍つ式はそれだけ同調しやすい。


 同じ鼓動を持った心臓は、同じだけ脈打つということか。


 十字に一閃。


 侍装束の疎宣は、光の屑となって消え去っていく。


 テクスチャが剥げ落ち、ただのポリゴンラインとなった傀儡人形は無残にも風に揺れただけで崩れる。


 「――まぁ、こんなものか」


 私が呟くと、直毘が驚いたように見つめてくる。


 「……何だ」


 「君はかの≪赤色≫を信じるのだな?」


 「それしかないだろう、我々には」


 「『碑文使いPC』が揃うまでは、な」


 言ってウィンドウを縮小、完全に閉じてしまった。


 「さて、我々にはまだこれ≠フ解析が残っている」


 振り返る直毘の目には興味津々といった感じか。 年齢相応というか何というか。


 そう、知識欲。


 純粋な狂気に匹敵し、凌駕し、劣る。


 ……さて、またくだらない仕事にもどろうか。





******





 「面倒な……」


 小さく吐き捨て、禍つ式から血糊を払うかのように振り下ろした。


 これで、全部か?


 周りを見ても一人としてPCは存在していない。 任務完了、MISSION COMPLETEって奴だ。


 それにしても三葉の一人――疎宣とか言ったか。 かなりの腕で禍つ式を使いこなしていた。


 【陰華】って……。


 「関わりたくはないな」


 「誰と?」


 いきなり声が聞こえ、本能的に飛びのいた。 声の主を振り返る。


 「……驚かせんな、彩音」


 「えへへー、萌え狙い」


 言って、てへっと拳を頭に付ける。


 というか神出鬼没キャラが定着しそうになっている様だった。 気をつけろ。


 いきなり現れたりするのは匂宮だけでいい。


 「つか、どうやってここまで来た?」


 「んー、何となく?みたいな?」


 「二回も疑問系作るな」


 そして『何となく』で辿り付けた彩音に驚愕するわ。


 しかし。


 こいつが来る前に終わらせる事が出来て良かった。 こいつだけは、巻き込みたくはない。


 「……ハセヲくんは?」


 「先行った。 俺らも行くかね」


 「そだね、今回の依頼って――」


 みなまで言うな。


 「勿論ロハだろうな……」


 嘘だけれど。 匂宮に禍つ式関連の事で報酬がなくとも事務所経営はやっていけるのだから。


 って、あれ? じゃあ俺が請負人続けてる理由って……?みたいな。


 「……呆言だな……」


 くだらない思考を破棄。 全く、俺の思考は自分で勝手に話を進める。 少しは俺の許可を取れ。


 あれ?許可を出すのは精神で?思考するのも精神?


 え、じゃあ俺の許可って……。


 「……疲れた……」


 「ん?どしたの、ルナ?」


 彩音が心配そうに話しかけてくるので、本当の本当にここで思考を破棄した上に廃棄した。


 これ以上は、不毛だ。


 「なんでもない」と手を振って歩き出した。 向かうのは更なる奥、オーヴァンの求める場所へ。


 黄昏の鍵――キー・オブ・ザ・トワイライト。 原器的かつ原基の代物。其は全てを叶えるという。


 一体オーヴァンは何故その様なものを探すのか、求めるのか。


 興味があるから俺はここまでついて来た。


 興味があるから旅団に加担した。


 「だから――――落胆だけは御免だぞ……?」


 闇へと歩を進める。 一寸先も闇にしか見えない。


 その先に光は射すのか。


 まるで旅団と俺をそっくりそのまま体現したような状況。


 射せば天国、闇ならば地獄、ってね。


 天国というか、どちらかというと楽園なのかもしれないが。


 どちらでも構わない。


 俺はオーヴァンが何を求めたのかだけを知りたかったのだから。


 それが、願望。


 それが、元望。


 求め、望んだ求望。


 ――――果たして。


 俺たちはたどり着いた。


 だが光は射していたのだろうか。


 物理的には、射していたといえる。


 その言い回しは言い回せていないかもしれない。 もはや直接表現に等しい。


 彼の求めた場所で、俺達は。







 失意と絶望だけを目にした。





 光は――射さない。


 ――俺の願いが叶う事など、ありはしなかった。





10://www.lost-ソウシツ.…………了。










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ATOGAKI、という名の戯言。
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よっし、何とか縮小化に成功いたしましたv
ですが、今回の話を執筆中に調子がおかしくなったためか、途中部分の文章・文体が変なことに……!
しかも結局この話は何が言いたかったのかわかりませんな……orz

いけませんね、やはり洋楽とか音楽を聴きながらでないと、私は調子付かないようです(汗)
では、また続きで会いましょう。





[No.1023] 2008/01/18(Fri) 19:23:19

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