![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
「人は見かけによらない」という言葉を聞いたことはあるだろうか。 それとは多少異なるが、The Worldでは男性が女PCを、女性が男PCを使用しているケースが希にある。 しかし、”彼”の場合は何かが違っていた。 **** −・・・どこだ?ここは・・・? 確か・・・俺はダンジョンに落ちて・・・そこにあの・・・ 「おや?お目覚めですか?」 「!!」 何者かが俺の顔をのぞき込んできた。 それに驚いて飛び上がる。 それは俺と同じ子供型・・・PC。 「誰だ!俺に何をした!?」 「いやだなぁ、ただ君の体をちょっといじくって・・・」 「『いじくった』!?具体的に言え!体だと・・・? ・・・!!」 −直って・・・る? あの時に何かの衝撃で欠落していたボディのデータが、全て修復されていた。 −こいつ、一体・・・? 「・・・一般PCじゃないな。何者なんだ、あんたは?」 「名前を聞くときはまず自分から。 まだ習っていないんですか? そのお歳じゃ♪」 「こいつッ・・・!ガキなのはPCボディだけだ! それにお前だって・・・」 挑発的な発言に過剰反応してしまった。ここら辺が子供なのだろうか。 もう反発するのはやめて素直にその通りにした。 「ライト・・・『ライト・エゼル』だ。 あんたの名前は?」 「『欅』です。以後お見知り置きを♪」 「『お見知り置きを』なんて言葉、見た目通りの歳じゃ使わないだろうな。ガキでもロールしてるのか?」 「さっきから僕のことを変人扱いですけど、君だって一般PCじゃないじゃないですか。」 「お前ッ、そんなことまで!?いつ調べ・・・ってさっき俺を『いじくって』か。」 欅、抜け目のない奴だ。 「・・・一応礼は言っておこう、ありがとう。」 「いえいえ、その代わりと言ったらなんですが・・・」 「?」 「君の目的を教えて下さい。なんで放浪AIがThe Worldにいるのかと思って・・・」 −目的・・・? 答えられなかった。 急に聞かれたからではなく、聞かれるとまずかったことでもなく、 −そうだ、俺は・・・何のために此処にいるんだ!? 目的そのものが、俺には分からなかった。 「やっぱり、思い出せませんか?」 「”やっぱり”だと・・・?」 「君の記憶のデータが半分以上欠落していたんです。」 欠落・・・あの時ダンジョンに落ちたときだっただろうか。 「おそらく、君はどうやって生まれたのかもわからないはず・・・」 「いや!覚えているぞ!俺は誰かに創られたんだ! あれは確かに人間だった!」 「ではその”誰か”とは?」 −・・・! くっ、思い出せない・・・! 自分の事なのにわからない、それがこれほど不安になることだとは思わなかった。 自分が見えなくなるというのは、このことを言うのだろうか。 「俺は、これからどうすればいいんだ・・・?」 欅に聞いてもどうしようもないと返事が来るのはわかっていた。 ただ、自分に感じる不安や孤独感をまぎらわしたかった。 「! 彼女に会ってみれば何か分かるんじゃないですか? 君をここまで運んできたのも彼女なんです。」 −彼女?・・・ ! ダンジョンにいたあの人・・・! 俺は誕生してから、すぐ女双剣士PCに出会い、 彼女に自分の名を告げた後、すぐ意識が飛んでしまった。 「たぶん今ギルドの@HOMEにいると・・・ってわかります?」 「大丈夫、The Worldの基本的な事は知ってるみたいだ。」 そう言った後、欅に彼女がいるギルドのキーを渡された。 何故持っているのかは聞かなかった。どうせハッキングでもしたのだろう。 「じゃ、もう行く。俺のことで何かわかったら連絡くれ。」 俺はそこを後にし、キルドへ向かった。 「なんだろう・・・あっちも単なるAIじゃない。 何かありそうだ・・・」 欅が俺に疑問を抱いたのは、俺がその場を去った後。 なぜ俺がそのことをこのレポートに記すことができたのかは 欅の言う、”何か”によるものだった。 −Report:2"Keyaki"(調査中断) あとがき 前期終了(^^;) 書いてる場合じゃねぇ!って突っ込まれそうですけど。 う〜ん、なんか話が二の舞になりそうな予感。 そこは目を瞑ってください(汗 それでは。 [No.1032] 2008/02/05(Tue) 17:55:06 |