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日もだんだんと落ち始める頃、学校の各所は授業中とは様相を呈する。 落ち着いた雰囲気とはとても言いがたい。 余裕をかまして出てくる先輩よりも先に部活の準備に走らねばならない者、教室に残り、グループでしゃべり倒す者、分からない勉強を教えて もらいに職員室を訪ねる者。 この時間には様々なキャラ、そして場面を目にすることができる。 吹奏楽部が奏でる金管楽器の音色を背に青空は校門を後にする。 「青空〜、まっちくり〜ィ」 少し遅れて後ろからタケトが走ってくる。 まあ今日は助けてもらったし、ここら辺りの地理でも教えてやろうかな と青空は思い、下校がてら道案内でもしてやろうとタケトを誘ったので あった。 「でも良かったの?部活なんかも見たかったんじゃない?」 ケガをしてるはずなのに軽やかに歩くタケトに向かってそう訪ねる。 「あ――、オレ部活はできないから、親の仕事の関係で引越しが多いん だ――」 聞いてはいけない地雷をいきなり踏んでしまったか、そう思いタケトを チラッと見ると、少し気持ちが沈んでるような顔をしている。 これはいかんなと、とっさに別の話を振る。 「あ・・・あ――あっちにさ、たまに帰りに寄る店あるから行こ〜ぜ」 進んでいた道の少し先にある曲がり角を指差しながら前を見た。 帰り道の途中にあるちょっとしたお菓子や文房具を売っている佐々木 商店、そこはこの校区の小中学生のいわゆる「たまり場」になってい て子供独自の文化を垣間見ることができる。 店で売っているお菓子を賭けて流行りのトレーディングカードゲーム で熱いバトルを繰り広げていたり、最新ゲームの情報をネタにお菓子 を報酬でせしめてみたり、とそれぞれが学業から開放されてなんとも ほのぼのとする光景が広がる。 「おばちゃん、ラムネ2本ちょうだい」 そう青空がカウンター越しのちょっと割腹のよい体型のおばさんにお 金を払うと、カウンターの端にあるガラス張りの冷蔵庫から取り出す とキュポンと栓を抜くいい音が鳴る。 ラムネを手渡された青空の両手には冷ややかな清涼感が伝わる。 「最近、来なかったじゃないか〜青ちゃん、もうちょっと 寄ってきなよ〜」 「あいあーい」 背を向けたまま青空はそう答える。相変わらずのおばちゃんの営業活動 だなぁ、そう思い、久しぶりにきても変わってないことに少しホッとし ていた。 「ほい、今日のお礼」 右手に持った結露して少し汗をかいたラムネのビンをタケトに手渡す。 「お〜、ありがと〜」 明るい声でそう言いながらも周りにいる楽しそうに遊んでいる人達を 見てうらやましそうに、そして寂しそうにしていた。 「いいな〜青空は、なじみの店ってのがあって、オレそういうのにあ こがれがあるっていうか、顔なじみの店なんてできたことないから なぁ」 ここに連れてきたことが逆効果になったことを青空はその一言で感じ 取る。後ろからさっきのおばちゃんとのやりとりをタケトは見ていた のだ。 元気付けてやろうと、 「神埼もそのうちあの店がなじみになるって〜」 普段は出しもしない明るいトーンの声を無理やり絞り出す。 「そっか〜、そうだよ・・・な、そうだよ」 そう言ってラムネをグイッと飲むタケト、少しだけ表情も明るくなる。 そしてもう一言付け加える。 「タケトでいいよ」 とニカっと歯を出して笑った。そして残っているラムネも一気に飲み 干した。 タケトスマイル、この歯を出して笑う仕草をこう名付けよう。青空は そう心の中でつぶやいた。 佐々木商店から1キロほど東へ歩くと海岸へ着く。元気になったついで に青空のお気に入りの場所であるその海岸線へ連れて行ってやろうと思 った。 しばらく歩くと少し道が坂になっている、そこを上っていくと少しずつ 太陽に照らされた海が見えてくる。 それを見てタケトは思わず走り出し、 「うぉあ〜〜〜〜スッゲ〜〜〜」 防波堤の上から、2メートルくらい下にある砂浜に思いっきりジャンプ して降りる。 「うおぉぉぉぉぉぉ、砂があちぃぃぃぃぃぃぃぃ」 日中、日の光に照らされて焼けた砂の上で無邪気にはしゃぐタケトは 完全に元気な”アホタケト”に戻っていた。 その後、青空達は遠回りになるが、海辺を通って帰ることにした。 暑い気候の中、時折肌を癒すように潮風が吹く。 ゆっくり歩きながらいろいろな話をした・・・。 タケトの父が金融関係の仕事をしている事、ギュンダー基礎知識、 タケト転校の軌跡・・・そしてまだ話は続いた。 「・・・――でさ〜2,3ヶ月前かなぁ、メル友ができてさ〜」 「メル友〜?オレもいるぜ〜」 とバカ話をしていたらタケトの家への分かれ道まで来てしまった。 楽しい時間っていうのは時の流れがはやいな、ふとそう思う青空 だった。 「じゃ〜また明日な〜」 そうタケトに向かって手を振る。そんな青空をタケトは呼び止める。 「青空、オレ達・・・もうダチってことでいいんだよね?」 そう正面切って言われて、チョット気恥ずかしそうに、 「ああ、勝手に青空って呼ばれちゃってる事だしな」 そう言いながら、あえてタケトスマイルを真似してみる。それは 青空が口先のダチじゃないという表れだった。 タケトと別れ、自宅の前まで来る。一つたりとも電気の付いてない その家を見て、また作業的に動く家に入らなきゃいけないのか・・・ と青空は少しブルーな気分になる。 両親のいない家、真っ暗な家の中を見て現実を突きつけられる。 夕ご飯は決まって店屋物。月初めに朝のパンと共に一枚のメモ書きが 置かれる。夕ご飯代を銀行口座に振り込んでおきました。 「文面まで毎月同じなんだよっッ」 そう顔前で怒鳴りつけたくなったことも一度や二度ではない。メール じゃないだけ温かみがあるとでもおもっているのだろうか/・・・。 そう考えると余計にムカツイた。 唯一この家で作業的ではない行動、それはネットサーフィンでするチャ ットだった。興味のある内容のページに行き、数あるスレッドを覗くう ちに自分に似たような考え、思考レベルが自分より上であろうと思う人 物がいた。 その人ともっと話したい、そう思うようになり、コンタクトを図ってみ たところ、相手もそう思っていたようで、チャットを交わすようになっ たのだ。 その人物のハンドルネームは「ワカ」という。 そして今夜も青空はワカさんに会いにハンドルネーム「イスカ」になる ためログインする・・・。 イスカ: ワカさんは趣味とかってないんですか?ってなんかお見合いみたいです けど・・・。 ワカ: 今は、最近やっとカノジョって呼べるようになった人がいるので、その 子とデートとかかなぁ、前は別のシュミがあったんだけどね。 イスカ: カノジョかぁ〜いいっスね〜、ボクもそういう人ほしいかも、長い間 お付き合い続くといいですね〜^^ ワカ: そうなることを願いたいね。でも、カノジョできると困ることがある んだよ、端末覗かれたりとか TT ありえない・・・。 イスカ: カノジョできたらできたで大変なことも多いんですね〜、ボクなんて 端末勝手に覗かれたりしたらキレそう ^^; イスカ: ところでワカさんの前のシュミって何だったんですか? ワカ: んと、今は規制がかかっちゃってできなくなったんだけどね、ネット ゲーム「The・World:R2」ってあったでしょ?あれをやっ てたんですよ。 イスカ: あ〜数年前ボクもダチから進められました〜学校で、全然興味なかった から聞き流してたんですよ〜、その頃ボク別のシュミで時間取られてた から。 ワカ: そうなんだ〜。もしかしたらやってたら会えてたかもしれないね〜、す ごいハマると面白くて、あれのおかげでダチもたくさんできたしね。 イスカ: そういう話を聞くと、無性にやりたくなります〜、あ〜、そんなに面白 いんだったら、あの時ダマされればよかった〜 TT ワカ: ダマされる?・・・ですか? イスカ: 絶対面白いから、ダマされたと思ってやってみろよ〜、って進められ たんですよ〜。ホント、やってみればよかったと今さら後悔です。 ワカ: こう見えてもR2では名が通るほどだたんだよ〜、って見えてないかw いつもはこういうくだけた話は少なく、環境に関する青空が思っている ことを質問したり、逆にこちらが分かることは教えたりしている。 まあ話がそれて、息抜き程度の世間話はする。たまに親のことでグチッ たりもするが、ワカさんはそれも嫌な顔一つせずに聞いてくれていた。 ・・・って顔は見えてない。 しかしネットでも文面からいわゆる「雰囲気」は出たりするものだ。 いつも青空に目覚まし時計が聞かないのは、このチャットで夜更かし するからである。 ネットで時間を忘れる、退屈な時間も忘れられたらいいのに・・・たまに そう思う青空なのであった。 (あとがき) 青春爆発ボーイズ・ラヴ編終了〜・・・と思ったら大間違い!これは 6話以降も続いてるかもです・・・そして謎の人物ワカも出てきて、 やっと/.hackっぽく・・・なってないですね、ゴメンナサイ TT またまた一つ飛ばした予告を・・・。第7話にはワカさんよりももっ と謎の人物「マッチャン」が登場します。そして6話にはあの仮面も (装着して血を付けたら吸血鬼にもれなくなれるような仮面ではあり ません)登場。 あいかわらずユルユルスタイルで書きたいと思います。 それでは・・・。 2年3組たけと:「しつもーん」 はい!手を上げたタケトくん、なんですか? たけと:「第一話に登場するR2Mってなんの機械ですか〜?」 「うん!素で間違えましたR2MじゃなくってM2Dですね、タケト くん君は刀をにぎってアヌビス神にでもとりつかれたのかな?そん なこと見破らなくていいですよ」 たけと:「その攻撃も覚えたゾ」 無邪気な小学生時代のたけと君からのご指摘でしたつまりは・・・・ 間違えてましたゴメンナサイ・・・。 [No.1051] 2008/02/20(Wed) 21:07:06 |