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周りは虫の声くらいしか聞こえないのに、がやがやと騒ぐ一団がそこ にはいた。 懐中電灯を顔の下から突然照らし、怖がりの女子生徒を脅かす男子生徒。 暗いのをいいことに後ろから指カンチョーして追っかけまわされるお調子者。 縁日で仕入れた爬虫類系のゴム製玩具を背中から入れられ、取ってくれ ェwと叫びたいけど夜だから叫べない者。 とにかく終始落ち着きがない。 「お〜みんな来てる〜」 タケトは不用意に大きな声を出す。それを聞いた担任はギロリとタケト を一睨みすると、タケトはすみましぇ〜んといった感じに頭を下げる。 「タケト〜来たかぁ〜これで盛りあがんなぁ〜」 クラスのみんなに歓迎されるタケトを見て、なんでこんなに人気者なの に、ウチの学校に来るまで友達ができなかったんだろう・・・・・・。そんな ことを思う青空だった。 しばらくするとクラス全員が揃うことになった。 近隣の住人に迷惑がかかるからか、やや押え気味の声で担任が 「よ〜し、揃ったんで、みんな体育館に入りなさ〜ぃ」 と号令をかけた。 担任が押すスイッチと共に体育館の高い天井の水銀灯がゆっくりと 明るさを増す。皆まぶしいのか、目を細め視野を狭くする。 「しつも〜ん」 クラスのお調子者の一人がフイに元気よく高く手を上げながら言った。 担任は左手に持っている懐中電灯でそいつを指しながら 「なんだ?言ってみなさい」 それを受けた途端、突き上げた手を一人の男に向け指差し、 「なんで体育教師のマッチャンがいるんですか〜?」 その指差す方向には、最凶の教師、歩く破壊兵器、黒い巨塔、ミスター ニ中、エトセトラ・・・・・・と数々の呼び名を持つ体育教師の松本が俺の 出番か?と言わんばかりにマッチョポージングを決めて立っていた。 「ギャ〜〜」 女子生徒の黄色い悲鳴が轟く。 それは無理もなかった・・・・・・松本は上半身裸に下は短パン一枚だったの である。そしてその手には怪しげなロウソクを持っていた。 「し・・・失敬な!先生何もしてないだろう!」 松本はその太い腕で、キャ〜キャ〜言っている女子生徒を指指しながら そう言う。 さすがの最凶の教師も女子生徒には少し甘く、そしてたじろいてしまう ようだ。 ボディービル県下一位の破壊兵器のそんなカワイイ一面を見て、男子生 徒達は茶化す。 そんなやり取りを見つつ青空はあきれ、そしてタケトはギャハギャハ笑 っていた。 「え〜それはさておき、とりあえず松本先生からお話があるので少し静かに。 あきれつつも担任は場を収める。 落ち着いた生徒達はある程度集合して、その場に体育座りで座る。 生徒達が全員見えるであろうという位置に松本は立ち、話を始めた。 「え〜、皆さんおなじみの松本です、コンバンワ」 そう言うと即座に生徒の一人が、 「ヨッ!マッチャン」 と合いの手のような茶化しを一つ入れる。松本はもともと型破りな教師 として上役の教師達からは睨まれ、生徒達には人気があった。 体育の授業でバーベルをやらせたり、雪が降ると必ず雪合戦、オリンピ ックでハンマー投げが前日にあるといきなり予定を変更してハンマー投 げにしたりと、他に類を見ない教師であろう。 松本は話を続ける。 「え〜クラスきもだめし大会をやるという情報を聞きつけ勝手に参戦 表明な私ですが・・・・・・きもだめしの前にやることをみなさんは忘れ ていませんか?」 と持っているロウソクを左手で指差しながら皆にアピールしつつ、 「きもだめしと言えば、もとい、夏と言えば怪談話でしょうが!それで もっと怖くなってからじゃないときもだめしなんて私が許しません」 やはり型破りである。 「明かり消してくださ〜い」 そうマッチャンが指示すると、担任は明かりを消す。一斉に消えると そこにはロウソクが作り出すオレンジ色の空間が作られた。 ロウソクの火に、その浅黒い顔を近づけるマッチャン。元々野太い声 をさらに必要以上に低くして 「誰かこわ〜い話持ってる人はいないかなぁ〜?」 その様子を見て「お前が怖いわ」と思ったのは青空だけではなかった だろう。 その声を受けて「は〜い”」といかにも作ってるだろお前と言う声で タケトが手を上げた。 マッチャンも負けずに 「よ”〜し、ぢゃあ”おまえ”が語り部にな”れ”〜」 タケトもノリ良すぎ、そう思う青空。 そしてタケトは話を始めた。 「ある小学校にとてもとてもやさし〜い子がおりました・・・・・・」 「その子はとても成績が優秀で、明るく、人柄も良いのでクラスの みんなに慕われておりました」 「しか〜し、彼はその良すぎる頭脳ゆえに、もっともっと人に慕われ よう、そして世界を自分が良くしてやろう、そう考えるようになっ たのです」 「彼は学校以外にその活動を広げようと考えました。そして地域活動、 その他を経て、やがてより人の集まるインターネットの世界に活動 の拠点を移していきました」 「ネットの世界には年齢も性別もそして社会的な地位でさえも関係な く、地域活動などでは子供だからとやらせてくれない仕事なども無 く、よりやりがいを感じるようになりました」 「困っている人達の相談を受け、そして何人もの人にアドバイスし、 あまたの人達を助けることができました」 「しかし同時に気付いてしまうのです。助けることができるということ は、滅ぼすこともできるのでは?操ることもできるのでは?彼の高い 頭脳はその探求心を抑えきれず、負の可能性を探求し始めたのです」 「そしてついに悲劇が起こりました・・・・・・。とあるテレビ放送局が、 本当にあった怖い話的な番組で視聴者からの情報をもらい、それは その子がいる小学校で誰もいないはずの校舎には夜中に変な明かり が見えるというものでした」 「そして学校側の承認も得ずに学校に入り証言者から教わった場所へ 言ってみると・・・・・・証言通り、部屋からは明かりが漏れているので す・・・・・・」 「取材班は警戒しながらも、その部屋に入っていきました。するとパ ソコンのディスプレイが付いていました」 「な〜んだ、パソコンの消し忘れかぁ。と大したことではないと思い、 その付いたパソコンを消しに行ったそのときです」 タケトは言葉を溜めに溜めて、 「そこにはM12Dを付けたまま子供が立っていたのです」 「うわぁぁぁぁぁぁ」 タケトはいきなり声を大きくし人につかみかかるようなジェスチャーを 入れ皆を脅かす。 「取材班はそう声を上げました。しかし、よく考えてみるとただの子供 じゃないか、そうは思えどしかし何があるかわからないので、慎重に その子に近づいてみました」 「近づこうとしたその時その子はドサッとその場に倒れてしまいまし た。取材班は急いでその子に駆け寄りました、が、その子は小声で なにか言うと意識を失ってしまいました」 「ただの子供のいたずらか、そう思い、倒れているその子を起こして あげようとするその時に見てしまったのです」 クラスの皆はひるむような、でも続きを聞きたいような、そんな複雑 な顔でタケトに注目する。 「壁に血で書かれた文字を”――」 その時タケトとは別の声が轟いた。 「ぎぁぁぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁ〜」 そう言いながらマッチャンはその体格に似合わぬ速さで体育館を後に しようとしていた。 マッチャンは自分から怪談話をしようと言い出しておきながら、 人一倍怖がりだった・・・・・・。 その逃げ出すマッチャンの背中を見てクラスのみんなからは笑いが 起きていた。 そしてこの怪談話にあやかってタケトにちゃっかりしがみついている 女子生徒も見られた。 こうして緊急きもだめし前怪談話は笑いのラストを迎えた。 (あとがき) ふぅぅ・・・・・・夏休みスペシャル怪談話編終了です。ちょっとだけG.Uの 話を入れてみました。(ゲーム本編じゃないけど)そしてマッチャンの 登場です。このマッチャン実は実際の人物をモデルにしてまして・・・。 ゲファゲファ・・・・・・本人が見たらやばいのでこの話はここまでにして。 また一話とばしの話を、第九話では○○ ○○の○ロが○○ ○に炸裂 しちゃいそうになったりと○○ ○○や○○○のその後がどうなったか など(たぶん)見所満載です。 そして元原稿は・・・10話から進んでねぇぇぇぇってことで今後の展開 を練り中なのでありましたとさ・・・・・・。めでたしめでたし・・・。 じゃなくてがんばります。 それでは・・・。 [No.1104] 2008/02/27(Wed) 20:52:39 |