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「特定・・・できないだと?」 「じゃあ一体どうするんだよ、八咫!」 「・・・・・・」 「くそっ!エンデュランスが行ったエリアを教えろ、八咫。俺が行ってAIDAを駆除してきてやる!!」 「落ち着きなさい、クーン!」 怒声が響き渡る中ブリッジを出ようとしたクーンを、パイは右腕をつかんで静止させた。 彼、クーンは碑文使いとして、その仕事に一番情熱的だった。だからこそ、犠牲を出しえない八咫との意見の相違から一度G.Uを抜けた。そして、彼なりの答えを見つけ、”成長”して帰ってきた。 そんな彼が、仲間のこの世界での”死”に、多少の憤りを感じるのは自然なことなのかもしれない。 それはパイも分かっていた。だが、ここでエリアに行かせてはクーンもエンデュランスの二の舞になる可能性は高い。 「・・・くそっ!」 クーンはパイの手を振り切ったが、そのままブリッジを出ようとはしなかった。ひょっとしたら、彼自身が一番分かっているのかもしれない。一人きりの時の自分の無力さを。 「クーンさん、気持ちは分かりますが、実際に現状では手が出せないのが真実です。でも、少し時間を下さい。そうすれば、少しは今回のことについて何かつかめるかもしれません」 「・・・分かった。でも一般プレイヤーはどうするんだ?」 「強制ログアウトさせたい・・・ですが、今でこそ落ち着いていますが、前の事件での”それ”からプレイヤーの皆さんの怒りはかなりのものです。ここで強制的にそれをしてしまえば、リアルのほうで何が起こるかわかりません。ですから――」 「あまりこの状況ではそうしたくないってことか」 ハセヲがそう言うと、欅は罰が悪そうに「すみません」と素直に謝った。 それ以上は誰も追及しなかった。実際、強制ログアウトなどしてしまえばハセヲたちだってこの世界にはこれなくなるのだし、欅の言うとおりすでに”よもやまBBS”ではそのことで大分批判スレが立っているのだ。ここでそうしてしまえば、何が起こるかはわからないというのもけっして言いすぎとは言えないだろう。 「では、とりあえず私と欅とパイで今回のことについてさらに詳しく調べる。何か分かれば君たちにメールで知らせよう」 八咫のその言葉で、今回の集合は解散となった。 「ねぇ朔、よくでてこなかったね?」 「なんでや?」 「だ、だって朔、エンデュランスおにいちゃんのことだいすきみたいだったから」 「・・・エン様はな、望、すごい強いんやで。ものすごく強くて、ものすごくカッコよくてな。・・・だから、信じられんのやわ。そんなエン様が、ウチや・・・ハセヲを残して、未帰還者になるなんて」 「朔・・・」 「でももし、もしな、ホンマにありえへんけどもし、エン様が未帰還者になったんならウチは・・・ウチは――」 朔の言った言葉は、愛するからこそ口から紡ぎ出たもの――。 あとがき なんかものすごく話を大きくしてしまって本当に完結させられるか不安な蒼です。 とりあえず次回からは碑文使い以外の方もぼちぼち書いていこうかと思っています。 それでは、なにか思ったこと、下手な物書きである作者に「ここおかしぞコラ!」といった感じのものがあったらぜひ総合感想のほうに書いてやってください。 でわ。 [No.111] 2007/02/24(Sat) 17:25:04 |