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No.1159へ返信

all .hack//Write's Report - 菊千文字 - 2008/01/20(Sun) 19:52:59 [No.1024]
Report:6"Sacrifice"part2 - 菊千文字 - 2008/03/26(Wed) 21:28:09 [No.1184]
Report:6"Sacrifice"part1 - 菊千文字 - 2008/03/24(Mon) 15:39:41 [No.1175]
Report:5"Natsume's Memory" - 菊千文字 - 2008/03/16(Sun) 21:29:16 [No.1159]
Report:4"Again The World" - 菊千文字 - 2008/03/08(Sat) 20:32:30 [No.1125]
Report:3"Project G・U" - 菊千文字 - 2008/03/01(Sat) 01:31:42 [No.1108]
Report:2"Keyaki" - 菊千文字 - 2008/02/05(Tue) 17:55:06 [No.1032]
Report:1"Write Ezer" - 菊千文字 - 2008/01/20(Sun) 21:11:55 [No.1026]
.hack//Write's Report 設定(3/14更新) - 菊千文字 - 2008/01/20(Sun) 19:58:42 [No.1025]


Report:5"Natsume's Memory" (No.1024 への返信) - 菊千文字

友人に隠し事はしたくない、しかし言いづらいということはないだろうか。

俺は信頼できる人物に対しても秘密を明かせられそうにない。

どっちにしろ、いずれ分かってしまう事だ。







****






「なんか、知ってそうで知らないような場所に来たな・・・」

また時が巻き戻ったのか、気づいたら見覚えのない所に。
街の中に川が流れていて、そこを中心に店舗が並んでいる。

PCのような者がいることから、これはThe Worldの可能性があるが、
現在のシステム、表示やらなにやらが全然異なっている。

この時代がいつなのかを調べようとした瞬間・・・


「ひゃあ!!」
「!!」


聞き覚えのある声がすぐそばで響いた。
その声の主は・・・


 「! なつめっ!!?」


そこにはしりもちをついているなつめの姿が。

「あれぇ?ライト、さっき寝てたはずじゃあ・・・?」
「どうしてここにいるんだ!?何があった!?」

「えっと・・・HOMEで寝てたライトを触ったらいきなり画面がザラザラして・・・」

聞くところによると、俺に触れたことが原因なのか、なつめまで時を戻ってきてしまったようだ。

初対面のときも疑われて当然な不自然さだったのに、余計やっかいなことになってきた。

自分の正体を問いつめられるのを覚悟したが、当のなつめは街を見たままボーッとしている。

「な、なつめ、どうしたの?」

 「『マク・アヌ』・・・」

なつめの口から△サーバーのルートタウンの名前が。

「ここが?『マク・アヌ』はもっと広くて−」

 「違う。 ”R:1”の『マク・アヌ』・・・」

「! ”R:1”!?」

そして俺はこの時代の年月を調べる。

 −今は・・・2010年!?7年も前だ!!

俺がタイムスリップしてきたのは、The Worldがまだ”R:1”だった時代。
現代より小じんまりした『マク・アヌ』であった。


「うわぁ〜!なつかし〜い!!ライト、前はこんな感じだったんだよ。」
「・・・・」
「? どうしたの?」
「いっ!いや、別に・・・」

俺の予想を反してこの状況について平然としているなつめ。

 −なつめって、案外気にしないタイプなのか?
  いや、これって気にしないレベルじゃ・・・

ますますなつめが分からなくなってきた。
自分について何も問いかけてこないし、疑問を持ったりもしない。

まるで、そのことが当然であるかのように。


すると、俺達の横を通る2人組のPCの会話が聞こえてきた。

−(さっき掲示板で質問してた娘、大丈夫かなぁ。)
−<あのエリア、初心者には結構キツイからな。
  何っていう双剣探してるんだっけ?>
−(えっと・・・あれだよ、スパイラルエッジだっけ?)


 「!? 『スパイラルエッジ』・・・!?」


その言葉を聞いたとたん、なつめの跳ねている髪がピーンと逆立った。

「ライト!『△激怒する 情熱の 旋律』に行こっ!!」
「えっ!?いきなりどうして・・・うわぁ!!」

なつめに引っ張られ、小柄な体が宙に浮かぶ。
カオスゲートらしき場所に着き、先ほどなつめが言っていたエリアワードに転送されていった。



****



「R:1は普通のフィールドとダンジョンが一緒になってて、
 ダンジョンはああいう建物にあるんだ。
 たしかあそこに・・・」

何か心当たりがあるのだろうか、ダンジョンに向かってゆくなつめ。

ダンジョンの前に着き、彼女は立ち止まった。何か発見でもしたのか。

俺も覗いてみると、建物の入り口から中が見え、

そこに2人のPCがいた。おそらくジョブは双剣士。

1人は赤い少年双剣士、

もう1人は緑の髪に、細い目のエディットがなされている少女PC。


「ねぇ、もしかしてあのPCって、7年前のなつめ・・・」


俺がなつめに問いかける。が、
なつめは2人を見たまま動かない。


 「カイト・・・さん・・・?」


なつめの声が聞こえたのか、赤い双剣士がこちらを振り向いた。


 −ま、まずいっ!!


俺がそう思ったとき、また頭に激痛が走り、目の前が真っ暗になった。
なつめもそこに頭を抱えてうずくまるのが見えた。

何故あの時突発的にそう思ったのかは不明。

 そして、時が元に戻る。






****






「どわっ!!いつの間におったのだ!?2人とも!?」

目が覚めてから早々ぴろし3の声。
無事ギルドHOMEに戻ってきたようだ。

「寝ボケておるのか、小娘。
 いい目をした人の夢でも見たのか?」
「夢・・・?そうだったのかな・・・?」

しゅんとしているなつめ。あの出来事が本当に彼女の中で夢で済まされてしまったらしい。

「あっ、ライト、起きてたんだ。」
「うっ、うん。なつめもどうしたの?寝オチ?」

「えっとね、昔の夢見てたんだ。

 R:1時代のThe Worldをしてたときに、
 初心者の私を手伝ってくれた優しい人がいて。
 年下でかっこよくて、少しかわいくて・・・

 名前は『カイト』さんって言うの。

 「体で払います!」とか、
 「付き合って下さい!」とかあの人に向かって言ってたなぁ、私w

 今は・・・何処にいるのか分からないけど。」

俺のデータにも記されている伝説のPC『蒼炎のカイト』、あの赤い双剣士。
やはりなつめはさっきの光景を夢と思っているようだ。


「なつめ、なつめが見たって言う夢は・・・その・・・」

「は〜あ、なんだか疲れちゃった。
 ぴろし3〜!今日はもう落ちま〜す!」
「え、ちょ、ちょっと・・・」
「じゃ、またね、ライト。」

俺の話を聞かず手を振りながらログアウトしてゆくなつめ。
なつめが去らなくても、俺は本当のことを切り出せなかっただろう。


俺の正体を伝えるべきか、伝えないべきか、どっちが正しいのだろうか。







 −Report:5"Natsume's Memory"(一部調査終了)







あとがき
なつめといえば珍名言で有名(?
Returnerのなつめが持っている風船といい、粘着ストーカーぶりが伺えます。
ツギハギに反応ナシなど偽者の区別もできてますしw

あと、本編とあまり関係ない題名ですいませんm(_ _)m


[No.1159] 2008/03/16(Sun) 21:29:16

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