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日に日に、“彼女”がギルドへ来なくなっていった。原因はわからない。 自らのギルドマスター、そして親友である少女とクエストに行ったあの日から。 別に、少女が“彼女”に対してどうこう言ったわけではない。ただ判っているのは“彼女”自らの行動、ということだけだ。 ―――このことに、少女は酷く傷ついていた――― ――Δ隠されし 禁断の 飛瀑〜アルケ・ケルン大瀑布〜―― 少女――萌黄はひとり座り込んでいた。 「…………シアンの馬鹿ぁあああぁあ!!!!」 どうどうと落ちる大瀑布に対抗するかのように叫ぶ。しかし、到底敵う相手ではない。萌黄の悲痛な叫びは痛快なまでに掻き消され、飲み込まれた。 「………」 もう、いっそこの気持ちも水に流したい。 大体、なんでワタシが不貞腐れてんだろう? だ、だってあ…ああ赤の他人じゃない! それでもずっと一緒だったからって! ずっと、仲良かったからって…… さすがのワタシだって、あんなこと……傷付くよ……… 体育座りの姿勢で、さらに身を縮める。自分で、自分を抱きしめた。 たった数十分前のことを思い返す。 『萌黄、今日は休んでろよ』 ログインして早々、秘色にこう言われた。 もちろんショック受けたし、自称・看板娘だからお店休むわけにはいかないって反論したけど、ギルマス命令だって言われて、仕方なくこうして独りで不貞腐れている。 ― 何に? ― ワタシ、かな 自問自答してみた。 ひょっとして自分の知らぬ間に彼女に対して失礼な言動をしてしまったのかもしれない。 自分に非があったのかもしれない。 ……それでも 「――――バカ」 それは、他愛のない子供のケンカかもしれない。 所詮はネット。架空の姿、偽りの心。 でも、人との繋がりは現実。たとえそれが、文字情報だけであったとしても。PKという関係にしても。 なんであの時、あんな………? 激しく揺れる思念の波。絆という糸はこうも簡単に擦り切れてしまうものなのか。 萌黄は未だ、ふっ切れない。 [No.1207] 2008/04/07(Mon) 23:08:47 |