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遡ること一週間余。きっかけは、彼女からだった。 『女郎花さんからお休みもらったから、たまには二人だけで冒険にでも行こう? 錬金地区で待ってるね』 こんなメールが、届いていた。あのクエストでPKに会ってからというもの、あからさまなまでに様子がおかしかった。萌黄は真相を探るべく、彼女の誘いに乗ったのだった。 ――Δ悠久の古都 マク・アヌ 錬金地区―― そこは海風が薫る場所。 母なる海が優しく問いかけるように髪が靡く。私の決心をも、揺るがせる。 すると。 「シアン……?」 来た。 「行こ」 「…うん」 パーティになるわけでもなく、ただ二人でドームへと歩く。 その間も二人の空気は重苦しく、特に萌黄は耐えきれない様子だった。 ――Δ豊かなる 悲しみの 夜更け―― 虫の音、環境音しか聞こえない夜のフィールド。その中を、少女たちは歩いていた。 しかし冒険するにも、このエリアレベルは低すぎる。萌黄とシアンのレベルが40台にしても、だ。 ―――Lv.5 「ねぇシアン。ここ、レベル低すぎない?」 彼女は………無表情のまま振り向いた。 「今日、初心者さん来てるかな?」 「…え?」 どういう、ことだろう。萌黄はまったくもって理解できなかった。 シアン個人でやっている初心者サポートだろうか。でも、エリアで突然「サポするよ」なんて言われても驚くだけだ。そういうことは大体タウンで行うはず……。 「この間のクエストで会った人ね、私が初めてメンバーアドレスを交換した人なの」 不意に、シアンが声を発した。 「いつも一緒に居てくれて、この『The World』じゃ一番の仲良しなんだ」 「シアンの嫌いな“PK”……なのに?」 「……仲良し」 彼女は、いつだってPKを否定し続けていたのに。 萌黄の頭の中は、疑問符でいっぱいになる。 彼女の言っていることは、どこか矛盾に感じてならなかった。 「アンタよりも、ねwww」 小高い丘の陰から、あのPKが、灰梅が現れた。 萌黄の脳裏に、あの時の恐怖が浮かび上がる。一方のシアンはあの時と打って変わって、無表情。 「あっちに居たよ、獲物様w」 灰梅はそのまま、自身の指差した方向へ歩き出した。 「行こ」 萌黄もシアンに促されるまま、灰梅の後を追った。 ただならぬ不安を胸に抱きつつ… 「きゃーー!!」 一足先にたどり着いた灰梅は、パーティの一人を狩っていた。他のパーティ二名は愕然とした表情で、どうすることもできないでいた。 「ちょっと! 何してんですか?!」 萌黄は敵意むき出しに、灰梅に対して妖扇を取り出す。 「何って、PKじゃない」 答えを発したのは、シアンだった。 シアンに振り返ると、カーソルが彼女にターゲットされた。 「!?」 もはや、驚きは隠せない。 彼女は―――シアンは灰梅のパーティになっていた。 萌黄はうまい具合に誘い出されたということか。信じられない。でも。事実。 「――――…リウクルズ」 少女は、言葉を失った。 あろうことか、シアンが、彼女が。 萌黄の後ろに居る銃戦士の少年に向かって ―――PKを。 「ぅぁああぁあ!!!」 強烈な水圧を受けた銃戦士は、灰色に染まって、倒れた。 これが、真実なのか。 「全ての原因は。――――私。だから。」 ワタシの後ろには、灰色のシタイ。 萌黄の頭の中は、混乱していた。 「どういう……こと?」 「こういうこと」 「――――――レイザス」 “彼女”は、PKだった ―あとがき― 今回は奮発して一気に2話更新しましたー^^ 第7話は短かったのに、8話長……い…か、なぁ……? あ、あと。題名が“少女”“少女”と連発でどっちがどっちか判んなくなってますね…すみませんm(_ _;)m でも、これでちょっとは遅れを取り戻せたかなぁ… では。今回はこの辺で失礼します〜 [No.1208] 2008/04/07(Mon) 23:18:06 |