.hack//adjoin - わん仔 - 2007/11/10(Sat) 19:08:15 [No.975] |
act.9 迸る 裏切りの 空涙 - わん仔 - 2008/04/21(Mon) 17:22:56 [No.1221] |
act.8 糜爛する 少女の 行ひ - わん仔 - 2008/04/07(Mon) 23:18:06 [No.1208] |
act.7 悩める 少女の 人間関係 - わん仔 - 2008/04/07(Mon) 23:08:47 [No.1207] |
act.6 忍び寄る 災厄の 眼光 - わん仔 - 2008/04/05(Sat) 22:52:47 [No.1201] |
act.5 疼き出す 少女の 影 - わん仔 - 2008/03/25(Tue) 21:03:18 [No.1180] |
act.4 さんざめく 木漏れ日の 園 - わん仔 - 2008/03/10(Mon) 22:33:22 [No.1137] |
act.3 視察する 我らが 観光大臣様 - わん仔 - 2007/12/01(Sat) 14:13:59 [No.986] |
act.2 奥ゆかしき 古都の 案内所 - わん仔 - 2007/11/17(Sat) 23:05:09 [No.978] |
act.1 気ままなる 天真爛漫の 店番 - わん仔 - 2007/11/10(Sat) 19:17:16 [No.976] |
「リプメイン×2! と、ラウリプス!!」 回復スペルの青い光が、灰色になって倒れていた二人と萌黄を包んだ。 皆は一斉に声の主を探す。 そこには… 「リラくん?!」 「あ! 萌黄のお姉さん!」 萌黄に対して笑顔満開で手を振るこの少年。 そう。以前、レアな刀剣が欲しいとの依頼でやって来たあの子であった。 その隣には、あの真っ赤な刀剣【曼球沙華】を手にした女性が立っていた。 この人がおそらく『クラレット』であろう。 「………発見」 曼球沙華の切っ先を灰梅に向け、ポツリと呟く。そして、その眼は開かれる。 「及び……抹殺!」 ―――ガキィッ!! クラレットの素早い一閃。しかし、灰梅は半ば余裕の様子で受け止めていた。 「アンタ、誰?」 「我は“オイナカムイ”の意志を貫く者。幼きを蔑まんとする者は、抹殺の対象とする」 「……ようはPKKってことでしょ? 紛らわしい」 灰梅はイラッとして言うと、大剣をひと振りさせてクラレットたちを威嚇した。 『…………』 萌黄とシアンは、黙ったままだった。 「シアンのお姉さんと萌黄のお姉さんは仲良しなんだよね!」 リラは萌黄の顔を覗き込むように訊いた。その言葉に少女二人はハッとする。 「……そう、だよ。そうだよ!」 萌黄は、笑顔で答えた。 「違う。仲良しなんて……上辺だけの、付き合いじゃない!」 シアンは、泣き顔で答えた。 「同じギルドだったから何? 一緒に居たからって何!? 私はッ―――!」 嘘だ。全部。姿も声も、心も。全て嘘。 「―――その言葉、そっくりそのまま灰梅とやらにも向けられるんじゃないのかい?」 ビクリ。と、シアンの表情が硬くなる。図星だったのだろうか。 「濡烏…」 驚いているような、安堵したような声で彼の名を口にしたのは、意外にもクラレットであった。 「まったく。女郎花に言われて、さらにはお前にまでココに呼び出されたってのに……何なんだこの状況?」 やれやれと首を振るモーションをする濡烏。直後、シアンを真っ直ぐに見た。 「シアン、萌黄と良い友達でいたかったんだろう?」 彼女は真を突かれたかのように驚き、たじろいだ。 「か、勝手な言いがかりはヤメて下さい!! 私は、私は……萌黄が嫌いなのぉッッ!!!」 涙が、散る。空涙が、地に還る。 「萌黄姉ちゃん! 逃げて!!」 リラは咄嗟に叫ぶ。だが、遅かった。 「――――――じゃぁねwwww」 シアンの叫びに応えるように、灰梅はその兇刃で萌黄の体を――――縦断した。 萌黄の思考はもはや追いついていない。どの表情をしたらいいのかさえ、分からない。 ―どうしてシアンがPKをしたのか。 ―どうしてシアンは泣いているのか。 ―どうしてワタシは斬られているのか。 そもそも。ネットじゃこんなに、ヒトの繋がりって緩かったっけ………? 『…………嫌い……だから………』 ワタシがリラの蘇生を受けたとき、もう灰梅とシアンの姿は、なかった。 ―あとがき― どうも。すっかりサボり癖がついてしまったわん仔です(; 今更ですけど、このお話、AIDAとかそういうのは一切でてこないんです。ん〜と、AIは出るかもですが…… 後書の方がネタ切れ寸前の今日この頃………(汗 と、いうわけで(?)次回も頑張ります! [No.1221] 2008/04/21(Mon) 17:22:56 |