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「リプメイン×2! と、ラウリプス!!」 回復スペルの青い光が、灰色になって倒れていた二人と萌黄を包んだ。 皆は一斉に声の主を探す。 そこには… 「リラくん?!」 「あ! 萌黄のお姉さん!」 萌黄に対して笑顔満開で手を振るこの少年。 そう。以前、レアな刀剣が欲しいとの依頼でやって来たあの子であった。 その隣には、あの真っ赤な刀剣【曼球沙華】を手にした女性が立っていた。 この人がおそらく『クラレット』であろう。 「………発見」 曼球沙華の切っ先を灰梅に向け、ポツリと呟く。そして、その眼は開かれる。 「及び……抹殺!」 ―――ガキィッ!! クラレットの素早い一閃。しかし、灰梅は半ば余裕の様子で受け止めていた。 「アンタ、誰?」 「我は“オイナカムイ”の意志を貫く者。幼きを蔑まんとする者は、抹殺の対象とする」 「……ようはPKKってことでしょ? 紛らわしい」 灰梅はイラッとして言うと、大剣をひと振りさせてクラレットたちを威嚇した。 『…………』 萌黄とシアンは、黙ったままだった。 「シアンのお姉さんと萌黄のお姉さんは仲良しなんだよね!」 リラは萌黄の顔を覗き込むように訊いた。その言葉に少女二人はハッとする。 「……そう、だよ。そうだよ!」 萌黄は、笑顔で答えた。 「違う。仲良しなんて……上辺だけの、付き合いじゃない!」 シアンは、泣き顔で答えた。 「同じギルドだったから何? 一緒に居たからって何!? 私はッ―――!」 嘘だ。全部。姿も声も、心も。全て嘘。 「―――その言葉、そっくりそのまま灰梅とやらにも向けられるんじゃないのかい?」 ビクリ。と、シアンの表情が硬くなる。図星だったのだろうか。 「濡烏…」 驚いているような、安堵したような声で彼の名を口にしたのは、意外にもクラレットであった。 「まったく。女郎花に言われて、さらにはお前にまでココに呼び出されたってのに……何なんだこの状況?」 やれやれと首を振るモーションをする濡烏。直後、シアンを真っ直ぐに見た。 「シアン、萌黄と良い友達でいたかったんだろう?」 彼女は真を突かれたかのように驚き、たじろいだ。 「か、勝手な言いがかりはヤメて下さい!! 私は、私は……萌黄が嫌いなのぉッッ!!!」 涙が、散る。空涙が、地に還る。 「萌黄姉ちゃん! 逃げて!!」 リラは咄嗟に叫ぶ。だが、遅かった。 「――――――じゃぁねwwww」 シアンの叫びに応えるように、灰梅はその兇刃で萌黄の体を――――縦断した。 萌黄の思考はもはや追いついていない。どの表情をしたらいいのかさえ、分からない。 ―どうしてシアンがPKをしたのか。 ―どうしてシアンは泣いているのか。 ―どうしてワタシは斬られているのか。 そもそも。ネットじゃこんなに、ヒトの繋がりって緩かったっけ………? 『…………嫌い……だから………』 ワタシがリラの蘇生を受けたとき、もう灰梅とシアンの姿は、なかった。 ―あとがき― どうも。すっかりサボり癖がついてしまったわん仔です(; 今更ですけど、このお話、AIDAとかそういうのは一切でてこないんです。ん〜と、AIは出るかもですが…… 後書の方がネタ切れ寸前の今日この頃………(汗 と、いうわけで(?)次回も頑張ります! [No.1221] 2008/04/21(Mon) 17:22:56 |