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マク・アヌにつくとハセヲたち3人はすぐさまクエスト屋へと向かった。 もちろんクエストクリアの報酬を受け取るためである。 NPC、ルレルは3人がそろっているのを確認すると、そのほとんどほかのNPCと変わらない仕草でしゃべりだした。 『フン・・・どうやら無事に”レベル10バイン”を手に入れたようだな。礼を言おう。 じゃあコレはもらっておくぜ。報酬はクエスト屋の兄ちゃんからもらうんだな。フン・・・じゃあな』 その言葉を聞き終えると、3人のパソコンの画面はクエスト屋の画面へと突如切り替わる。 『クエストクリアおめでとうございます!コレが今回の報酬です』 知力の祭典を手に入れた! 体力の祭典を手に入れた! 「・・・なんか、えらく普通だな」 「ハハ・・・確かにぃ(笑」 ハセヲの言葉に、シラバスが苦笑いで返す。 クエストの適正レベルと報酬との兼ね合いが微妙すぎるからだ。 ガスパーはそんなハセヲとシラバスの様子を見つつ、遠慮がちに体をゆさゆさと振っている。 ハセヲが気になりガスパーのほうを見ると、ガスパーは恥ずかしそうに、 「ね、ねぇハセヲ。この知力の祭典、もらってもいいかなぁ?」 ・・・いくらエンデュランスを倒した奴を相手にするっつても、これは別に俺にはいらねぇよな。 「あぁいいぜ。俺は使わないしな。ほらよ」 ハセヲは刹那、すぐさまガスパーに知力の祭典をプレゼントした。 ガスパーはそれを受け取ると、顔に満面の笑顔を浮かべてそれをさっそく自分に使った。 「あ、ありがとだぞぉ!ハセヲ!」 「別に、たいしたことはしてねぇよ。シラバスも体力の祭典、いるか?」 ハセヲは軽い調子でシラバスに聞いた。 実際は今後のことを考えて自分に使ったほうがいいのだろうが、今のハセヲにはそれ以上に大切なものがあるのだ。 「え?いいのハセヲ?」 「んだよ、いらねぇのか?」 「い、いや、ありがとうハセヲ!」 シラバスは最初こそ遠慮がちだったが、最後にはうれしそうにそれを受け取った。 貰ったアイテムを自分に使いながらシラバスは、ハセヲに向かってしみじみとした顔を見せた。 「・・・やっぱりハセヲ、変わったよ」 「え・・・?」 ハセヲが聞き返すと、シラバスは困ったように頭をかいた。 「なんかうまくいえないんだけど、すっごくハセヲ、僕たちとはじめてあったときから変わった気がするんだ」 「うんうん!なんか、自分にあった歩き方を、みつけたみたいな気がするんだぞぉ!」 ガスパーもシラバスに同意する。 ・・・変わった、のか・・・? ハセヲは言われたことを自分にもう一度聞き返す。 前にもいろんなやつ等に言われたが、俺は本当に変われたのだろうか。”死の恐怖”の時の俺から―― ハセヲの中で一瞬のうちにこの世界での記憶が思い起こされるが、それらを全て振り払い、ハセヲは無心になった。 そして、本当に自分が心から2人に言いたいことを、言った。 「シラバス、ガスパー・・・ありがとう」 その言葉を聞いたあと、2人は少しの間驚いたように顔を見合わせたが、すぐに、 「・・・うん!じゃあね、ハセヲ」 「また遊ぼうな、ハセヲ〜!」 別れを告げると2人は、ゆっくりとログアウトした。 ハセヲはとっさについで出た言葉を吟味する。 ・・・本当に変われたのかはまだ分からないが、少なくとも 昔の俺ならきっと、”ありがとう”なんて言葉、言わなかったんだろうな。 ハセヲは思ったことを口に出さず、2人より少し後にログアウトした。 あとがき なんかすごい展開になってきていますが・・・まぁこのあたりは繋ぎの部分ですので・・・。 感想等、総合掲示板のほうに書いて下さったらうれしいです。 でわ。 [No.195] 2007/02/27(Tue) 17:31:13 |