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アウラが消えてから数ヶ月が過ぎた。 もう、あの真っ白な空間には誰もいなく、時々ボクが帰ってくるだけだ。 ボクはあの日から<黒い点>……あれの消去をずっと続けていた。 しかし、絶えず出てくるあの異様なモノ あれは一体どこから沸いて出てくるのだろう? ここにずっと引っかかっていた。 アウラから教えてもらった事にはなかった例外だ。 ボクはある一人の男を追っていた。 その男と過去に戦って、……ボクは負けた。 男の左腕にはイレギュラーな……そう、あの<黒い点>が宿っていたのだ。 腕輪の力を解放しようとしたが、男の方が僅かながら早く、ボクは敗退した。 だけど..... 今日、その男はあの場所に来る。 そう確信していた。 ボクはこの体を蒼炎の光に変え、向かう場所へと移動した。 ―グリーマ・レーブ大聖堂― 皮肉にも戦う場所は<カイト>が彼女から、腕輪の力を授かった場所だった。 そこに到着するとそこには追い続けていた男とはまた違う、黒い鎧に覆われた男がいた。 その男の中に、僅かながらあの<黒い点>の力を感じ、すぐさまボクは双剣を構える。 「アァアア・・・・・・」 「ッ!!?」 男はボクを見て、「こいつが・・・『トライエッジ』!!?」と呟いた。 トライエッジ・・・? 何の事か、わからなかった。 そして、男は叫びながら同じタイプの武器を手に持ち、こっちへと攻撃を開始してきた。 ボクはその動きを的確に読みながら、相手の攻撃を受け止めていく。 「うぉおおおおーーーー!!」 スピードでは勝てないと思ったのか、双剣を閉まって また違う武器……今度は大剣を手に持ち、それをこっちへと向けて、そのままボクに振り落とす。 だが、当然のようにボクはそれを受け止め、彼に重い一撃を放った。 男は後方に吹き飛び、手にしていた大剣は床に見事に刺さって、消えていく。 ボクは武器を閉まって、相手の傍まで向かった。 「・・・・・・」 無言だった。 ボクは男を、男はボクを睨み合った。 そして...... 男は何かが吹っ切れたのか……今度は大鎌を装備し、その刃をこっちに払った。 しかし、ボクはその大鎌を改変し、データだけの物質に変える。 そして、何が起こったかさえわからない顔をしていた男に手をあて、また後方へと吹き飛ばす。 男の体力はもう残り僅か……。 もう武器も出せる状態じゃなさそうだった。 僕は腕を天に掲げ、腕輪を展開しようとする。 展開された腕輪は、7年前の蒼明の色に飾られた腕輪とは別の、紅に染まった腕輪......。 それを男に向けた。 パァン! 何かが弾けるような音と一緒に腕輪から無数の光が男を貫いた。 データの改変後の男の姿は弱弱しくなり、だんだんと姿を消えていった。 結局、ボクが追っていた男は遭遇する事ができなかった。 多分、遅かったのだろう。 一度、あの場所に戻ろう ボクは来た時と同じ方法で、ボクにとって「家」とも呼べる場所へと帰っていった。 [No.209] 2007/02/28(Wed) 01:52:08 |