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アウラからもらった数々の本 本はいつもアウラに読んでもらっていたんだ。 ここに帰ってからのボクはこの本をずっと読んでいる。 「黄昏物語」 最後までは、まだ読み終えていない。 だけど、この内容は7年前の事件と酷似していた。 物語の主人公は友達を助けるために、ヒロインは実の弟を助けるために世界の謎と戦っていく。 この本の内容はやはりどこか懐かしく感じてしまう。 ボクが体験してきた事じゃないのはわかっている。 それでも「懐かしい」と感じてしまうのは、一体何故なんだ? そう考えている中、音が聞こえた。 ボクは音で<黒い点>を察知できるようアウラに組み込まれている。 「ウウ・・・・・」 双剣を手に持ち、移動する。 そうだ、今のボクに「何かを感じる」事はいらない。 アウラとの約束を果たすのが何においても最優先なんだ。 ―モーリーバロウ城砦― ここには初めて来る。 谷底は深く、真っ暗闇で不気味な程に感じてしまうだろう。 ・・・まただ。 ボクはまた「何かを感じよう」としたのか? ボクはアウラの忠実なるAIなのに・・・・。 ―キーン 音が…あのハ調音が聞こえてきた。 来る…。 ボクは身構える。 外壁から何かがすり抜けてきた。 あの<黒い点>だ。 双剣を突に構え、ボクは呻き声をあげる。 「ハアァアアア・・・・・・」 刹那の瞬間でボクは<黒い点>をなぎ払った。 だが、まだ微かに敵は生き残っている。 ボクは右手に持っている双剣をそいつ目掛けて投げ払う。 そして、これがトドメだったのか <黒い点>はだんだんと形を崩し、だんだんと透き通るように消えていった。 「見事だな・・・・」 いきなり後ろから声が聞こえてきた。 ボクは振り向き、追い求めていた顔を目にして再び双剣を構える。 ようやく会えた…。 あの時の男だ!! 「ウォオオオオオオオオ」 その男に近づいてボクは双剣で斬りつける。 だが、ボクの攻撃を余裕で交わして「今は相手にする事ができなくてね」と言い そして・・・ あの左腕についている大砲とも言えそうな防具を外した。 そう、これだ。 ボクはこれに負けた。 この<黒き禍々しき手>に.....。 「アアアアアアァッ」 そう、あれはあってはならない! 何があっても削除しなければならないものだ! ボクは全ての力を振り絞って、渾身とも言える攻撃を男に向けて放つ。 だが、また一足遅かった。 男は城壁にあの忌々しい<サイン>を残してワープポイントを形成し、逃げた。 ボクはまた何もできなかった。 あの男は一体何者なんだ? 何故、あんなイレギュラーな事ができるんだ? ボクもまた、謎に彷徨う者だった。 そして、その鍵を握っているのはあの男なのかもしれない。 [No.256] 2007/03/02(Fri) 04:40:27 |