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確実に、蝕みつつあった。 『彼』の精神を、『世界』を、そして、『女神』を。 .hack//Eqzeter cp.3 ―――同時刻。 Σサーバーの別のエリアでは、元紅魔宮宮皇である揺光と、ハセヲと同じ『碑文使い』であるクーンが、二人きりで冒険をしていた。 彼らは一ヶ月前の一件でメンバーアドレスを交換していたものの、二人きりでエリアを廻るほど親しかったわけでは無かった。 それが何故こんなことになっているのかと言うと―――事の発端は、揺光がクーンに一通のメールを送ったことに遡る。 〔あたしと一緒に、二人きりで冒険して欲しいんだ。 ちょっと、話したいこともあるからさ〕 クーンはこのメールを貰って内心嬉しかった。 というのも、クーンはメンバーアドレスを貰う前、揺光が宮皇だった時から、密かに彼女のことを狙っていたのだった。 それだけに、用件があまりはっきり見えないが、このようなお誘いのメールを貰って嬉しくないわけが無い。 クーンは速攻でOKの返事を送り、そして、今に至るのである。 「……なぁ、揺光ちゃん。 それで、用事って何なのかな?」 「ちゃん付けはいいって。 他人行儀だし、アドレス交換してる仲なんだからさ」 獣神像の宝箱を取った後、クーンは彼女に用件を尋ねた。 何だかかなりいい雰囲気……こりゃ、いきなり告白くるのか!? などとクーンが考えていると。 「……あのさ。ハセヲのことなんだけど」 「ぶはっ!!」 ―――盛大にコケる結果となった。 (「やっぱり俺って、三枚目キャラで終わるのかなぁ……」) と嘆きながら、クーンは揺光の話を聞いた。 彼女の話とは、どうすればハセヲに異性として見てもらえるのか、と言った事だった。 彼女によれば、ハセヲとは何度も一緒に冒険しているものの、あまり女性としては意識されていないらしい。 そういった想いに悩まされていた矢先、ハセヲが志乃と楽しそうにタウンを歩いていたのを見たそうだ。 その時のハセヲの顔は、自分には一度も見せてくれなかった、眩しいくらいの笑顔だったと言う―――。 つまるところ、彼女はクーンに、どうやったらハセヲのハートをゲット出来るのか、と言う事を教えてもらいに来たらしい。 クーンに頼ったのも、彼が色々と女性関係に詳しそうだったからであろう。 実際、クーンは女性にその手の質問をされることも多い。 それにしても。 (「ハセヲ……!! お前って奴は、こんないい女をよくも〜!!」) 嫉妬と共に、少し悔しいクーンであった。 [No.280] 2007/03/02(Fri) 23:57:19 |