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脈打つ"波"は、確実に強くなっている。 丸ごと、世界であって・世界でないもの・全てを、飲み込むほどに。 .hack//Eqzeter cp.4 「……クーン。 どしたの?」 「おわっ!!」 俺が一人で悔しがっていると、揺光が下から俺の顔を覗き込んできていた。 顔を真っ赤にして、俺は揺光から離れる。 と言うか、その顔は反則だぞ揺光…… 「あのね、実際のところ、ハセヲがあたしの事どう思っているかとか、よく分からないんだ。 ただ、何だかあたしは、ハセヲにとって『普通の友達』のままでいるんじゃないかって思う。 ハセヲはあたしに対してとっても優しく接してくれるし、最近、あたしにも微笑んでくれるようになった。 でも、その微笑みは『友達』に対する微笑みで、『一番大切な人』への笑みでは無いんだ、って思うんだ。 あの時―――志乃さんと共に笑い合っていたハセヲの顔が、大切な人に向ける眼差しなんだって、そう、あたしは感じた」 「………」 揺光……ハセヲに対する想いは、本気なのか……。 確かに男の俺から見ても、ハセヲはいい奴だ。 初めて会った時は無愛想で身勝手な奴だと思ったが、様々な事件を経て、成長し、男女問わず頼りにされる男になった。 揺光が惚れるのも無理は無い。 そして俺は、揺光にアドバイスを贈ろうとした。 あくまで助言、それからどうなるかは、あくまで当人たち次第だけど。 でも―――声を出す寸前。 頭に、直接、音声が流れた。 (―クーンさん、揺光さん、ここは危険です! 強制転送プログラム、実行……!―) 「「へ?」」 突然のことで、俺と揺光は間の抜けた声を出す。 そして―――次の瞬間には、身体は淡い蒼の光で覆われて……そして、どこかへと転送された。 [No.281] 2007/03/03(Sat) 00:15:58 |