![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
前回ログアウトした地点であるタルタルガのカオスゲートを経由してハセヲはマク・アヌへと急いだ。 もちろん、メールで誘ってくれた揺光にあうためだ。 カオスゲートを通る一瞬、ハセヲはこんなことをふと考えていた。 後1人、パーティ誰誘おうかな・・・。 ――悠久の古都 マク・アヌ―― カオスゲートからマク・アヌへと着くと、そこには予想通り、というよりメール内容どおり揺光が待っていた。 ハセヲに背を向けているためまだこちらには気づいていない。 ハセヲは気なしに揺光に話しかける。 「よう、揺光」 「あ!やっと来た!もう、遅いぞ!ハセヲ!」 腰に手を当てながら、揺光はハセヲを軽く怒鳴る。 彼女からのメールの受信した時間は今から10分ほど前だったから、どうやらそれぐらいハセヲは彼女を待たせていたらしい。 ハセヲは素直に謝った。もっとも、ハセヲにだってリアルが色々あるのだから、そこまで責任は無いのだが・・・。 「悪い、待たせちまって・・・」 「べ、別に謝らなくていいよ。じゃ、行くぞ、ハセヲ」 「? 他に1人誘わなくて良いのか?」 率直に思ったことをハセヲが聞くと、揺光は顔を赤らめてしまった。 いや、実際にはコレはゲームなのだから赤らめることは絶対無いのだが、どこかそんな雰囲気を感じられる。 それぐらいこの世界はリアルなのだ。 「た・・・たまには2人で冒険するのもいいだろ!?ほら行くぞ、ハセヲ!」 「あ・・・あぁ」 揺光がうつむきながら早口にしゃべったいきおいは凄まじく、たじろいだハセヲは思わずその提案を肯定してしまった。もちろん、たじろがなくても肯定はするのだが。 かくして、2人は適当なエリアワードを選んで、この世界ではソロプレイ以上に例を見ない2人でのプレイへと旅立った。 ――γサーバー さまよえる 漆黒の 狂戦士―― 2人は数秒後、カオスゲートから草原型ダンジョンへと到着した。 地形を確認した後、早速ハセヲが歩き出そうとした時、揺光はそれについていこうとせず止まったままでハセヲに向かって口を開く。 「なぁハセヲ。ハセヲはさ、神白宮トーナメントにでるのか?」 「ああ。まぁな」 否定する理由も特に無いのでハセヲは正直に答える。 もっとも、その真意はさすがに伝えられないのだが・・・。 礼儀として、ハセヲも間を空けずに聞く。 「揺光はトーナメントには出るのか?」 「・・・朝、学校に行く前に登録はしておいた。出れるかどうかは今日の夜にわかるよ。 ハセヲ!もしアタシがトーナメントに出れたら、絶対今度はアタシが勝つからな!」 「俺だって負けねぇよ」 ハセヲの言葉はあまり正しくは無かった。訂正するなら”負けられない”のだ。 彼には使命がある。 ”もしも”の場合を発生させないため、絶対に負けられないのだ。 「そっか・・・お互いがんばろうな。よし。行こう、ハセヲ!」 言いながら揺光はハセヲを置いて走り出す。 将来の敵となるやも知れぬ人間と一緒に冒険するのもどうかとも思ったが、ハセヲはそこまで気にせずに揺光の後を追った。 ひょっとしたらそこには、甘えがあったのかもしれない。 もしもハセヲが揺光に負けそうになったとき、理由を話せばわざと負けてくれるかもしれないなどという、くだらない甘えが。 だが、ハセヲが心の奥底にあったその感情に気づくのは、もう少し後のこと―― あとがき ちょっと短いですが夜も遅いのでこの辺で・・・。 とりあえず次回は2人で冒険してもらいます。はい。 では、感想、アドバイス、叱咤激励などなど、総合感想のほうに書いてくださればうれしいです。 でわおやすみなさい。 [No.301] 2007/03/03(Sat) 23:37:04 |