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.hack//L.G.U. 16章 VSボルドー (No.299 への返信) - 蒼

――これまであたりを包んでいたBGMがアリーナ戦特有のものに変わる。

――それぞれが、それぞれの獲物を構える。

――そして空気が急に冷えたような、そんな心地よい風が周りを通り過ぎていく。

この感覚だ。
PKK時代、”死の恐怖”だったころからあたり一面に吹き荒れていた風をまたハセヲは体で、気配で感じ取る。
あの頃はこの風を受けながら隣にいる志乃のために日々PKKを繰り返していた。
志乃のために、日夜PCを狩ってきた。

でも、今は違う。

この・・・殺す感覚を感じるのは、アリーナだけで十分だ。
そうハセヲは感じる。

もう迷わない。

迷わないで、自分の信じた道を進む。
だからそのために、ハセヲはボルドーを倒す。

ハセヲはバトルが始まるとすぐにリーダーであるボルドーへと接近した。
そして双剣の7連撃を防御させる暇すら与えず一気に叩き込む。
「ぐっ・・・」
ボルドーが呻く間にハセヲは状況確認のため視線を左右に向ける。
太白はあらかじめ決めた作戦通りグリン、ネギ丸を足止めし、志乃もまた作戦通りフィールドを動き回り回復のための準備をしている。

いける!!

直感したハセヲはすぐさままたボルドーに双剣での攻撃をお見舞いしようと攻撃モーションへと入る。
だが、次の攻撃はそう易々とは入らない。
「なめるなハセヲォォォ!」
「な・・・」
ボルドーはハセヲが攻撃モーションへと入っているのを無視して防御ではなくカウンターをけしかけた。
驚きでハセヲの双剣を持つ手が緩んだのを(正確にはコントローラーを持つ腕)ボルドーは見逃さない。カウンターは見事に決まった。
そして攻撃の手を休めず一発入れて出来た隙を狙いボルドーはすかさず連続攻撃を繰り出す。
ボルドーの刀剣での連続攻撃によりハセヲがなすすべなくダウンしかけた時、ハセヲの体から不意に何かが出てきた。
青紫色のリングだ。

まずい・・・。

頭ではわかってもどうすることも出来ない。
ボルドーはこれ幸いと醜く微笑み、そして、
「連げ――」
「反撃!」
ボルドーは突如視界に現れた銃剣での攻撃に驚きの表情をみせ、吹き飛んだ。フェンスにぶち当たりダウンする。
ハセヲは志乃の回復呪文をその身に受けながら立ち上がった。
見ると、そこには予想通り・・・太白が立っている。
「私をあまり失望させるなよ、ハセヲ」
落ち着いた表情でそう言い、太白は再びグリンの元へと走りだす。すでにネギ丸は戦闘不能となっていた。

強い・・・。

素直に驚いた。レベル云々の話ではない。ハセヲがボルドーと戦っているうちに太白はネギ丸を倒し、そしてなおかつその目をハセヲたちに向け、反撃を繰り出しピンチを救ったのだ。
太白という男の力を、改めて思い知った。
「く・・・ハセヲォ!」
太白に飛ばされたボルドーが立ち上がりながら叫ぶ。
すでにHPは3分の1まで減っている。
「今日まで、テメェに勝つためだけに努力して、トーナメントにまででてやったんだ!アタシたちはテメェに負けるわけにはいかねぇんだよ!」
少し、以外だった。
以前なら彼女は必ず”殺す”と言っていた。だが、今回は明確に”勝つ”と言っている。殺すと勝つでは、にているようで意味はまるで違う。

・・・成長したのか?コイツ等も。

なんとなく、ハセヲはそう感じた。
ならばハセヲも、成長したその想いに報いなければならない。
「・・・俺たちも、負けるわけにはいかねぇんだ」
ハセヲは再度双剣を構える。
ボルドーが刀剣を前で構えながら突進してくる。
そして、ハセヲとボルドーの刃が、激突した――。


「決着だ〜〜〜!!勝ったのはハセヲチーーーム!!」
実況の叫び声にもにた声を掻き消すほどに会場は今日一番の盛り上がりでその試合を称えた。
「さて、がび様、今回の勝者は苦しくもハセヲチームでしたが、ズバリ、勝敗を分けたのはなんでしょうか?」
「ガハハハハ!知らん!」
「は・・・はぁ」
バトル開始前と同じく実況が困る。この仕事は大分続けているが、ここまで話しづらい人は初めてだと実況はしゃべりながら思う。実際そうだろう。
がびは後を続ける。
「勝った奴が強い、負けた奴が弱い。それがThe World」
「な、なるほど、そういうことですかぁ」
実際よく分からないが実況はそれで締めくくる。
「では、皆様、勝利したハセヲチームにもう1度盛大な拍手をお願いします!」
その声で大きい拍手と歓声がアリーナに再び響き渡る。
その声援は、しばらく尽きなかった。
そんななか、がびは一言、こう呟いた。
「・・・あいつ等、もう帰ってきてもいいかもな」


あとがき
今回の話は非常に苦労しました。
お見苦しい点等無ければいいのですが・・・。なんか不満とかあったら遠慮せずどうぞ。

でわ、できれば1度感想くれた皆様も出来ればまた感想ください。
感想がないと書くがわも飽きてしまうもので・・・。
でわ。


[No.412] 2007/03/19(Mon) 15:53:39

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