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「志乃!」 大聖堂で倒れた志乃に叫びかけるPC『ハセヲ』。 「志乃!おい、しっかりしろよ!!」 ハセヲが呼びかけるも、志乃の反応はない。 「リプス!リプス!!」 ハセヲは何回も回復魔法『リプス』を唱えても志乃は目を開けなかった。そして・・・ 志乃の体からプログラムの破片がいくつも散っていく。 「なんだよ、これ・・・?くそっ!」 ハセヲのPCが動きを止め、電話の音が聞こえる。どうやら志乃に電話をしているようだ。 「おい、電話出ろって!おい!頼む、早く!」 その電話は一向に繋がらない。やがて志乃に異変が・・・ 「し・・・志乃・・・」 志乃は全身が分解され、・・・消えた。 「あ・・ああ・・・」 ハセヲは呆然とその場にすくんだ。その目の前には、台に刻まれた三本の傷。 ハセヲは憎しみの表情を浮かべた。 「志乃おおぉぉぉぉぉ!!」 **** カイトはネットスラムに戻っていた。欅が強制的にゲートアウトさせたらしい。 欅によると志乃はやはりPKされたようだ。カイトは欅にオーヴァンがPKしたと 言っても「忘れて」としか返してこなかった。 志乃に何通もメールを送った。それもまだ返ってきていない。 行方を同じギルドだったハセヲに聞く選択肢もあるが、ハセヲの居場所も分からない。 このまま留まるしかないのかと思うとやりきれない気持ちになるカイトだった。 「志乃さん・・・どうしたんだ・・・」 **** 「バグ反応発見!」 欅が異常なサーバーを見つけたようだ。 「じゃあ初仕事をしてもらうよ。今から僕の言うところに行って、黒い物体を 除去してもらう。そいつにデータドレインを使うんだ。」 「黒い物体?オーヴァンの左腕にあった・・・」 「それはわからない。君しか見ていないんだろう?僕は詳細は知らない。」 「腕輪を所持してると感染まではしないようだ。・・・でもそこはなぜかログアウトできない。 黒いやつを倒すまで他のモンスターにやられたら未帰還者になるのを覚えといて。」 −そんな危険なところが・・・やっぱりThe Worldには異変が起きている。 **** カイトは決心をしてそのエリアに踏み込んだ。他のモンスターはレベル的にも 差があるので楽勝に進めた。 その先にいたのは・・・ 黒い物体、志乃をPKした物。 −久しぶりだ、腕輪を使うのは・・・ カイトは右腕を上に掲げ、そして物体に向ける。 腕輪が光り出した。そして青い斑点が浮き出て、開花する。 この感覚・・・懐かしい。 今にもデータドレインを放つその時。 別の光が黒い物体を貫いた。 −!!? その物体は形が変形して、消滅した。 カイトは腕輪の動きを止め、光の出所を見た。 −神出鬼没の蒼炎をまとったPCだ。 そう言ったヤスヒコの声が蘇った。 そこにはPCがいて、右腕を前に出している。その姿は・・・ **** 「八咫様、三爪痕を発見しました!!」 女性PCがモニターを見ながら八咫というPCに呼びかけた。 「!? 待って下さい!三爪痕が2人います!!」 その声に八咫ははっとした表情でモニターを見る。 「馬鹿な・・・そんなことが・・・?」 「八咫様・・・?」 「本当に・・・彼なのか・・・?」 モニターには、゛2人のカイト゛が移っていた。 **** 「君は・・・僕!?」 カイトはその姿を見て動揺した。 そのPCは目を見開き、カイトを威嚇している。 「アアアアアァァァァァァァァ・・・・」 呻き声をあげたその人物は、至る所がツギハギで、 蒼炎をまとい、カイトによく似た姿だった・・・ 手に持っている双剣を展開させ、三本の刃が見えた。 彼はカイトの右腕に目をつけ、間もなく襲いかかってきた。 「ウオオオオォォォォォ!!」 −第七話 三爪痕 あとがき やっとトラ様を出すことができました。 ちょっと適当にまとめすぎましたね。第八話は細かく書こうと思います。 [No.569] 2007/04/07(Sat) 21:01:53 |