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その時、ドアが開きました。 志乃「ハセヲ、大丈夫? お見舞いに…」 目が合います。 次の瞬間、桃ハセヲさんはお見舞いに来たはずの志乃から、なぜかクリティカルヒットを食らっていました。 ハセ「ごほおぉっ!!?」 桃ハセヲさんは口から、何かキラキラと赤いものをまき散らしながら倒れました。 志乃はというと、まるで“たまたま通りかかったら倒れているのを見つけた”とでも言うような白々しさで桃ハセヲさんに駆け寄ります。 志乃「ハセヲどうしたの!? 大変! こんな大怪我で歩き回るのは無茶だよ!」 志乃さんは悶絶している桃ハセヲのそばで膝を突き、妙に演技がかったしぐさで天を仰ぎます。 ・ ・ ・ ・ 志乃「でもだいじょうぶだよ、私がお見舞いにきたから。ハセヲのそばについててあげるね」 あくまで優しく微笑みます。 どうやら、元気になられては2人っきりになる口実がなくなるというのが本音らしいようです。 白目を剥いて気絶している桃ハセヲを、その細い腕で軽々と持ち上げた志乃は、彼をベッドへどさっと投げました。 志乃「……ふふふ。ここで優しく看病すれば、ハセヲがついに私のものに……」 うわっ黒っ。 イメチェンしたのはPCだけじゃなかったようです。 天使のような外見に、潜んでいるのは志乃恐怖でした。 首尾よくハセヲと2人っきりになれたことを、優しく志乃がほくそえんでた、 そのときです。 アト「待ってください! 抜け駆けは許しませんよ!!」 志乃「アトリ、いつの間に!?」 背中から、高くてかなり大きな声が室内に響きました。 死角から一部始終を見ていたアトリが、ここぞとばかりに叫んだのです。 アト「ハセヲさんはわたしません! …病み上がり女のくせして、いきがってんじゃねぇよ」 志乃「なによ、文句あるの? …電波の分際で。目障りだっつってんだろ!!」 すごい剣幕でお互い怒鳴りあいます。 室内は、そこにいるだけで肌を刺されているかのようなするどい空気に包まれ、2人の間には猛烈な火花が飛び交います。 その後の2人のトークバトルといったら、とても放送できたものではありませんでした。 女子特有の陰険な口げんかから、気の弱い人なら聞くだけでも泣き出してしまいそうな罵詈雑言が延々と、室内を約小一時間は飛び交います。 そして、決着がつかないまま――― アト「…やっぱり、決着はコレでつけるしかなさそうですね」 志乃「……そうね、そろそろケリをつけないと」 ふたりとも、息をするのも忘れて叫び続けていたせいで酸欠状態です。 ゼェゼェと息を切らしながら、やはり取り出したのは呪杖です。 アト「いつかの決着もここでつけさせていただきます!!」 志乃「望むところよ。かかってらっしゃい!!!」 ラウンド1、開始。 戦いのゴングが鳴り響きます。 二人の戦いはもう、誰にも止めることはできません。 本気の二人が戦えばきっと、船も無事ではいられないほど周りに被害が及ぶことでしょう。泥沼になるであろう死闘の幕が、今あけました。 ……重症の桃ハセヲさんのすぐそばで。 続こう。 [No.580] 2007/04/10(Tue) 22:05:59 |