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現実世界がどんなに苦しくても、辛くても、この『セカイ』を訪れたら如何なる者も現実を 忘れていられた。如何なる者も希望を抱き、新たな仲間とともに成長することができた。しかし、今やその『セカイ』は混沌に包まれていた。静かに、黒き闇に満ち溢れようとしていた―――― ――Δ悠久の古都 マク・アヌ―― 「あ。俺さ、これから部活あっから今日はもう落ちるわ。悪ぃなトネリコ」 「ボク宿題のレポートまとめなくちゃ……じゃね、トネリコ君」 「そっか。じゃ、また明日ね」 友人たちが次々とログアウトしていくのを見届け、独りカオスゲートの前にたたずむ少年。 深海のような蒼い瞳と、黒に近いくらい深い緑色のサラサラな髪が特徴のPC。 その少年の名は『トネリコ』 彼はネットゲーム『The World』を始めてから一ヶ月も経っていない、いわば初心者クラスのプレイヤーだ。 (独りになっちゃったな……。皆の足引っ張らないようにレベル上げにでも行こうかな……) 「ちょっと君、もしかして独りでエリアに出ようとしてる?」 「え?はい、そうですけど……?」 トネリコがエリアに出ようとしたところへ、二人の女性PCが声を掛けてきた。 「独りじゃ危ないよぉ〜!初心者を狙ったPKとかもいるしぃ、おねぇちゃんたちと一緒に行こうよぉ」 リスのような耳をした獣人姿をしたPCが、トネリコの腕を掴んで駄々をこねるような仕草をする。 この人たちの言う通り、独りで行動するのは解っている。しかし、相手は全く知らない人たちだ。 今まで友人たちとしか行動していなかったトネリコにとっては不安で仕方がない。 (でも、知らない人たちと一緒に冒険したりするのがMMORPG本来の姿だよね……) トネリコは自分にそう言い聞かせ、ついには決心した。 「えと、僕はトネリコっていいます。双剣士です……その、今日はよろしくお願いしますッ!!」 「うんうんw素直で良い子だね。じゃ、まずはタウン移動しよっか。マク・アヌからじゃ大したエリアないでしょ?レベル上げは自分のレベルと不相応なエリアに行って一気に経験値稼ぐのがコツなのさw」 「自己紹介するねぇ★あたしはアイニスっていうのぉ☆職業は呪療士なのぉ★★でぇ、こっちは――」 「九凛(くりん)ってんだ。君と同じく双剣士だよwよろしくね、トネリコくん」 アイニスと九凛に言われるがままに、トネリコはタウンを移動した。 [No.625] 2007/04/21(Sat) 22:57:57 |