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吹き荒れる風の中トネリコを助けたのは、黒い鎧に身を包み肩に大鎌を担いだ少年率いるパーティだった。 「お前ら、自分の手は汚さねぇなんて最低だな」 「は?な、何言ってんのさ……ウチらはただ通りかかっただけ……今から助けようと―――」 黒い鎧、なびく銀色の髪、光る大鎌。その威圧感。その人物には見覚えがあった。その人物とは 「……九凛、もしかしてぇ―――」 「間違いない……PKKの、ハセヲ………」 「それに、あの後ろに居るのって元紅魔宮宮皇の揺光?さらには《月の樹》のやつまでぇ……」 二人は思いがけない強敵を目の当たりにしてガタガタと震えた。互いに「あわわわ」と慌てている。 「お前らどうすんだ?このまま俺たちを相手にするか、逃げるか。二択しかねぇけどな」 挑発するかのように詰め寄る『ハセヲ』その見下している眼が怖いのなんのって。 「え〜と、大変申し訳ありませんでした。……逃げるよアイニス!!」 「はぁ〜い★」 九凛が観念したのか深々と実に礼儀正しく土下座し(セリフはおもいっきり棒読みだけど) 一目散に逃げて行った。 「あ、あの……助けていただいてありがとうございました」 事が落ち着き、トネリコが頭を下げる。 「そんなお礼なんて結構ですよ。困っているとき助け合うのは当然ですから。ね、ハセヲさん?」 「別に……たまたま通りかかっただけだ」 「タウンで『あいつ、危ねぇな…』とか言って追っかけて来たくせに。助けたかったんだろ?」 双剣士の少女がベシベシとハセヲの背中を叩く。 「な、何言ってんだ揺光!?俺はそんなつもりじゃ―――」 「ハセヲさん、照れているんですか?」 「………」 「そんな事よりもお前、随分無茶なエリアに来たな」 視線が合わないようにそっぽを向きながらハセヲはトネリコに問う。 「ハハッ……見事に騙されちゃったんですよ、あの二人に。僕、このゲームを始めたばかりで、友達に迷惑掛けないように早く強くなりたかったので……。いや、僕が人を信じすぎた所為かな……」 溜息まじりに自嘲し、俯くトネリコ。 「なぁ、これも何かの縁だと思ってさ、レベル上げ手伝ってやろうぜ!」 「!?」 「そうですよ!ハセヲさん、初心者支援ギルド《カナード》のマスターじゃないですか!!」 「……そうだな。トーナメントまで日にちもあるし、手伝ってやるよ」 ハセヲは予想外の提案に驚いた。しかし女性陣に攻められて諦めたのか、ハセヲはトネリコに手を差し伸べる。 「……信じてもいいんですか?」 さすがに騙された直後だ。信じろという方が無理なのも仕方がない。 「もしも俺がお前をPKするなら、わざわざ助けたりしねぇよ」 「でも僕、優柔不断だし。物憶え悪いですし、それに……」 「いいって。人の厚意は黙って受け取れよ」 ようやくトネリコの顔は晴れ、差し伸べられた手をしっかりと握り返した。 「私は『アトリ』です。モンスターを倒したのが『揺光』さん、そしてこちらが『ハセヲ』さんです」 「え?ハセヲさんって、あのハセヲさんですか?あの紅魔宮宮皇の?」 「…?……ああ」 ハセヲが渋々答えるとトネリコの瞳はキラキラと輝き、PKされかけた時とはまるで別人のようだった。 「うわっは〜!本当ですか!?ハセヲさんっていったらこの『The World』で5本の指にはいる有名人ですよ!!そんな人に手伝っていただけるなんて幸せです!!」 「相当なハセヲさんのファンですね……(^^;」 「確かに、意外と熱狂的なファンが多いからね。ハセヲは」 「………」 興奮も冷めたのかトネリコは落ち着き、今度は真っ直ぐにハセヲをみつめた。 「僕はトネリコです!ご指導の程よろしくお願いします。ハセヲ先輩、アトリさん、揺光さん!!」 深く礼をして、顔を上げたトネリコは満面の笑み。 「……ちゃんとついて来いよ」 「よろしくお願いします。トネリコさん」 「頑張れよ!トネリコ!!」 アトリと揺光は笑顔で答える。ハセヲは『先輩』という言葉の所為か照れくさそうに背を向けた。 こうしてトネリコは新たな仲間と出逢い、訓練の日々が始まった。 オリジナルとか言っておきながらハセヲさん方が御登場です…… だってだって、だしたかったんですもん!!許して下さいよぉ〜!! と、駄々はこれくらいで……これにて第三話終了です。 [No.630] 2007/04/22(Sun) 17:40:02 |