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三爪痕の出現から数日が経った。 あれからカイトは落ち着いていなかった。自分と同じPCがPK『三爪痕』だと いうことが気がかりでしょうがない。 三爪痕についてはまだ情報不足だという。カイトは三爪痕とオーヴァンの関係が知りたかった。 三爪痕の情報は欅にまかせ、カイトは高難易度のエリアにバグが発生する可能性が あるので、レベル上げに専念することにした。 と言っても今までカイトは志乃としかPTを組んだことがなく、 志乃がログインしていない今、カイトはソロ状態になる。 ソロでのレベル上げは効率が悪いので不安になるが、仕方がないので カオスゲートに向かった。 −前にもこんなことがあった気がする。 カイトがR:1時代、スケィスにオルカをデータドレインされ、 その翌日に一人でエリアに行こうとカオスゲートに向かうと 後ろから声をかけられた。 これがカイトとブラックローズが初めてPTを組んだ時のことだった。 期待が膨らむ。またあのようなことが起きるのではないか、 後ろからあの「ちょい待ち!」と声がするのではないか、と。 カオスゲート前に立ち、それに触れようとする。 「・・・やっぱりないか。そんな偶然・・・」 「待つのだ〜!!そこの人〜!!」 −!! 聞き覚えのある独特の声が聞こえた。直後にエリアワード入力画面が出てしまったので 解除して確かめようとした。 今の声は確実に『あの人』。 カイトにとっては゛超゛が付くほど意外で 無意識にログアウトしそうになったが、肩をその人にポンと置かれた。 「おぬし!私と以前出会ったことがないか?」 −うっ、捕まった・・・ おそるおそる後ろを見やるカイトは金色の巨大鎧をつけたPCを見る。 ヘルメット的なものの奥に見える目、それは前に見た目と同じだった。 こんなセンスを持つ者は世界に一人しかいない、とカイトは思った。 −ぴ、ぴろしさんだ・・・ カイトは口を開けたままぴろしであろう人物を唖然と見つめていた。 「やっぱりおぬしか〜。いや、ゆかいゆかい。久しぶり・・・」 と言ったとたん彼は言葉を止めた。 「・・・誰だっけ?」 この言葉にカイトはもっと唖然とした。 −え!?お、覚えてないの!!? 「いやあ、すまんすまん。私の思い違いであった。 さらばだ!頭上に星々の輝きのあらんことを!!」 「ちょっとぴろしさん!」 気づかないままその場を去ろうとするぴろしをカイトは制止する。 「僕ですよ、カイトです!覚えてますか?」 「・・・おお!いい目をした人か!?久しぶりではないか!七年も経っていたんで 一瞬忘れてしまった。」 「やっと思い出してくれたんですね。僕は一瞬でぴろしさんだって思いましたけど。」 「いい目をした人、もう私は『ぴろし』ではない。」 そう言うとキラーン!とポーズを決めながら、 「『ぴろし3』だっ!!!」 と叫んだ。 ぴろし3(読み「ぴろしさん」) 明らかに自分の名前を゛さん゛付けで言わせようとしているようだ。 「ちなみにR:1の時点で『ぴろし2』を作っていた。」 誤解されたくないのか、ぴろし3は補足を言う。 「私は今『project G・U』というギルドの創立者をしておる。 絵がうまい人は大歓迎だ。おぬしも入らぬか?」 「か、考えときます・・・っていうか他に誰が所属してるんですか?」 「ん、私となつめの二人だが・・・」 「なつめ!なつめもいるんですか?」 なつめやぴろし3は以前カイト達『.haclers』の一員で、緑色の髪と 糸目がチャームポイントのPC。 「そういえばなつめおぬしに会いたがってたぞ〜。モテる男はにくいな〜。」 「い、今どこに?」 「新しい双剣を手に入れる〜とかでエリアに行っているようだが。」 一度に二人も再会できる、そう思い、 カイトはなつめに会うべくぴろし3と一緒にそのエリアに向かうことにした。 もちろん、欅に言われたとおりほんのわずかだが。 −ぴろし3のメンバーアドレスを手に入れた! **** −△欠かさざる 森厳の 眠り姫 エリアではレンゲキなどを駆使し、なつめを探す。 このエリアのミッションはボス討伐。二人はボスのいるところまで進んだ。 すると、 「ん、あの娘なつめではないか?」 「え?」 二人の先にはボス『ギガマウス』を倒していたPCがいる。 「なつめ?君、なつめなの?」 カイトは彼女にに声をかけた。こっちを振り向いた彼女は以前より大人びて、 面影がある。が・・・ 「「な、なつめ!?」」 同時に二人は驚いた様子で言った。なつめのあの糸目が開き、妙な不陰気を出していた。 あの三爪痕のように。 「ああああぁぁぁぁぁ・・・・」 発声も三爪痕のようだ。こちらを睨んで迫ってくる。 「ひとまず逃げるぞ!キルされる!来い、いい目をした人!」 そう言ってぴろし3はカイトの手を引き走り出した。 ただならぬ状況にカイトも駆け出す。 タウンに戻るゲートを発見し、すぐさまこのエリアから抜けだそうとした。 なんとかなつめに襲われる前に逃げ延びることに成功。 あと数メートルで攻撃を喰らっていたところだ。 「なつめ・・・!」 人格が違うように変わったなつめをカイトは転送されるまで心配そうに見ていた。 **** マク・アヌに着いたカイトとぴろし3。 「たまになつめはああなることがあるのだ・・・リアルには影響ないようだが 当分あのPK状態のままになる・・・。」 ぴろし3はそう言って落ち込む。ぴろし3は大黒なつめ本人に聞くと そのことは全く覚えていないという。 「おぬしと会えば直ると思っていたが・・・ まあなつめが戻って来たらおぬしのことは知らせるので安心したまえ。」 わっはっはっは、とぴろし3が自信満々だったのでカイトは任せることにした。 「はい、お願いします。それじゃあ。」 「さらばだ!いい目をした人!」 そう言ってぴろし3はログアウトしていった。 カイトもそろそろログアウトしようと思ったその時、 また後ろから声をかけられた。 「ちょっと失礼。」 振り向くとピンクのツインテールの髪に、眼鏡をかけた女性PCがそこにいた。 「『カイト』。いきなりだけどちょっとついてきてもらってもいいかしら? 我々のギルド『レイブン』へ。」 「・・・?」 欅、三爪痕、そしてこの女性PC。カイトの元へ現れる謎の人物によって カイトは着々と謎に迫りつつあった。 −第九話 Project G・U あとがき 終わり方がパターン化してきた・・・(泣) 何度も新しい人物が出で終わりかよ!とか思ってた人すいません。 誰か話のいい締め方を教えてください(殴) 本題ですが無理矢理ぴろし3となつめを出した感が出てしまいました・・・ というか最初に再会した仲間がぴろしさんっていうのも問題が(ぴろし社長すいません) [No.709] 2007/05/02(Wed) 23:04:27 |