![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
エリアへ冒険に行くわけでもなく、トネリコはカオスゲートの前でぼぉっと突っ立っていた。 今日は照々に呼び出されていたのだ。 「トネリコ!」 「…………」 「……お〜い!起きてる!?」 「はいっ!!―――って、照々さんか。驚かさないでくださいよ」 ぼけっとしていると、いつの間にやら照々が目の前で仁王立ちしていた。 「『驚かすな』って、そっちが反応しないからだろが。それと、フルネームで呼ばない」 「す、すみません…。……え?『照々』ってフルネームだったんですか?」 「んなわけないでしょw」 トネリコは一瞬ムッとしたが、すぐに笑った。なんだか自分でも可笑しかった。 「さて、と。あの時の恩返しをしなくちゃね。何か困ってることとかある?」 「困っていることですか?………別に何も」 それを聞くと照々はガックリと肩を落した。 「何かあるだろ?レベル上げを手伝ってほしいとか、あのレアアイテムが欲しいとかさ」 トネリコは考えてみる。よ〜く考えてみる。無くても考えてみる。しかしそれでも、無いものは無い。 「すみません。本当にないです」 「そっか。あ〜ぁ、お礼のついでにギルド活動もして一石二鳥だと思ったのになぁ……」 照々は天井を仰いで軽く溜息をついた。 「照て――…照さんはギルドに入ってらっしゃるんですか?」 「ん?……あぁ、言ってなかったけ。では改めて」 姿勢を正し「こほん」と咳ばらいをした照々は、深々とお辞儀をして自己紹介を始めた。 「『オ』困りならば 『ア』ナタを 『シ』ッカリ 『ス』テキにサポート。 中・上級者支援ギルド《あずま屋 オアシス》受付組・組長の照々でございます」 「そうだったんですか。……さっき『ギルド活動』って仰ってましたよね。まさか、恩返しと言っておきながらお金とるんじゃ……」 「御名答―――なぁ〜んてのは冗談w………でも、リピーターになってくれると嬉しいなww」 照々はふふふふ…と不気味な笑みを浮かべながらトネリコに紙きれのようなアイテムを差し出した。 「《あずま屋 オアシス》無料券……?」 「そ。うちのギルドはショップ開いてないからね。割引券の代わりみたいなもんで、どんな依頼も一回だけタダ。一人につき一枚限定だけど」 お礼とはこのことだったらしい。トネリコはそっとそのアイテムをしまった。 「ところで、そのオアシスさんでは何をなさってるんですか?」 「……普通、それを先に訊くだろ?」 「………」 「ま、いいや。うちは中・上級者をお客として支援活動をしてる。まぁ、ぶっちゃけ何でもやるけどね。 レベル上げやクエスト、アリーナの手伝い及びパーティメンバーの提供、アイテムの入手・個人販売、情報提供とか。この他にも色々やるけど、仇討ちや復讐といったPK行動は基本お断り。 もちろん、初心者は対象外」 まるで、その場にある原稿を読み上げるかのように照々はスラスラと答えた。 「なるほど。じゃあ、受付組っていうのは?」 「文字通りお客さまの窓口、受付の担当。それぞれのタウンに2〜3人ずつ受付組の人がいて、それを統括してるのがアタシ。ギルド本部からの指令を伝達することも請け負ってる。○○組っていうのは……マスターの趣味かな―――と?」 トネリコの質問を難なく答え終えた直後、照々のもとに一通のショートメールが届いた。差出人は ギルドマスター。どうやら指令というものが来たようだ。 「……双剣士のメンバーを提供せよ。って、ちょうど全員出てるんですけど………」 「どうかなさったんですか?」 動きが止まった照々を不思議そうに見つめるトネリコ。 彼と目が合った瞬間、照々の頭上にある電球が点灯した。 「トネリコ、双剣士だったよね」 「そうですけど……?」 「よし!これからギルドの体験といこうか!!」 「………ぇえ!?」 この人に関わるとろくなことがないなぁ……と思いつつも、それが楽しいと感じてしまうトネリコ。照々に腕を引かれるまま、お客がいるというエリアへと赴いた。 [No.754] 2007/05/21(Mon) 14:49:26 |