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「なぁ、くぬぎ。これってどういうことだよ……?」 男の子が目の前で武器を構えているPCを指して訊いた。 「………PKだね」 「はぁ!?そんなんあるって聞いてねぇぞ!!?」 一方のくぬぎは、「だから?」と言って動じることなく淡泊に答えた。 「おチビちゃんたちは初心者かい?もしそうなら、即立ち去れや」 PKはくぬぎたちをとことん馬鹿にしたような口調で、手に持った凶器を振り回す。 「ここで待ち合わせしてるから、それは無理。第一、初心者はこっちだけ」 くぬぎの挑発ともとれる態度にPKはカチンときたようで、一気に襲いかかって来た。 「て、照さん!?あの子たちやられそうじゃないですか!助けにいきましょう!!」 くぬぎたちの様子を少し離れた場所で見ていたトネリコと照々。 トネリコはついに居ても立ってもいられず、走りだそうとした。が、 「待ちなって。くぬぎちゃんはそんなに弱かないよ。それに、今飛び出したらかえって危ないよ?」 「………?」 腕を照々につかまれ、止められたトネリコ。仕方なしに見守ることにした。 「んのぉおお!!!ガキがぁぁああ!!!!」 「…落石注意」 ものすごい勢いで迫るPK。それを知ってか知らずか、くぬぎは天を指さし呟いた。その眼には、 先ほどとは違う冷徹さが光っている。 「オルガンボルグ」 ―――ズガァーーーン!!! 「ぅぎゃっ!!」 PKの刃が触れる寸前に指を振り下ろしたくぬぎ。直後、幾つもの岩石がPK目掛けて落下し、そのたった一発でくぬぎたちが勝利した。 「なぁ………くぬぎって今レベルいくつよ?」 事を間近でただ茫然とみていた男の子。今だ信じられないといった感じでくぬぎに訊いた。すると、 くぬぎは満面の笑みで振り返った。 「……キミよりは、遥かに強いw」 「…………」 「やほ。くぬぎちゃん」 そこへ照々たちがやって来た。 「あ。照子さん」 いつもの和やかな顔つきにもどり、平然と答えたくぬぎ。 「今回の依頼は?」 「『椎(しい)』くん強化作戦を実行したいんだけど、メンバーが足りない」 「つまり、椎くんとやらのレベル上げを手伝ってほしいと」 椎とは、くぬぎと一緒にいた男の子のことだ。当の本人はチムチムを追いかけまわしている。 「うん。椎くんてばちっともエリアに出ないから困るんだよね」 「あれ?でも、《オアシス》では初心者は対象外なんじゃ?」 照々の後ろにいたトネリコがふと顔をだした。 「まぁね。けど、くぬぎちゃんからの依頼だし、何よりウチの常連さんだからね」 「で。手伝ってくれる?」 「『オ』まかせ下さい 『ア』んちゃん強化・レベル上げ 『シ』すら恐れぬ根性を 『ス』マイルと共に届けます 《オアシス》より、この―――」 トネリコを差しだそうとした瞬間、何者かが現れた。 「この、《オアシス》店主こと『陽翳(ひかげ)』自らお供いたしましょう」 「ま、マスター!?」 なんと現れたのは《オアシス》マスター本人だった。 その姿はトネリコのPCとほぼ同じ。違うのは真っ黒な髪と紫色の瞳。そして大きな獣の耳と尾を 持った獣人だということ。 「マスター?………って、陽翳!?」 「お?トネリコじゃんけ」 「何々?アンタ達、知り合いだったわけ?」 照々が不満をぶちまけた。 「知り合いもなにも、僕にこのゲームを勧めた張本人です」 「そゆこと。そんなことより照ちゃん、なしてここにいるかな?」 「『なして』って、貴方様が双剣士ひとりを派遣しろと言ったんですよ?」 トネリコと打って変わって、陽翳は年上だろうがお構いなしにタメ口でからかうような口調だ。 「んぅ〜……メールだろうが取扱説明書だろうが、どちらもよく読まんといかんな照ちゃん?」 「………?」 陽翳に指摘されて、もう一度受信されたショートメールを読み返す照々。たった一行しかないと思っていた文章には、なんと続きがあった。…………20行以上の空白を経て。 【――と思ったけど、自分が行くからいいや。照ちゃんはそのままタウンで受け付けよろしくぅ(^^)ノシ】 『紛らわしいっつの!!』 その場にいるみんなで陽翳に一斉砲撃ぃ。 [No.765] 2007/05/27(Sun) 22:08:31 |