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それは、みんながそろって朝ごはんを食べていたときの話でした。 楽しい団らんの場の和やかな空気を割るように、廊下からドタドタとあわただしい足音が響いてきます。 ドアがバンッ! と音を立てたとき、入ってきたのは甲板で見張りをしていたシラバスでした。 シラ「みんな大変だよ! 漂流してる人がいるんだ!! 誰か来て!!」 ハセ「漂流?」 ハセヲはシラバスを手伝うため、残りのほとんどはなんだか面白そうだからと言う理由で甲板に駆けつけます。 見ると、ちょうどガスパーが漂流者を助けようと、船からロープを降ろしているところでした。 ガス「あ、ハセヲォ〜! おいらの力だけじゃムリだぞぉ〜!」 ハセ「よし、俺が引き上げるから、他のみんなは手伝ってくれ!」 桃ハセヲさんは素早い動きで自分の腰にロープを巻くと、もう片方の端っこを手すりにきつく結び、足で船体を伝いながら、漂流していたいかだへと降りていきました。 余談ですが、ハセヲさん達の乗ってるこの船はガレオン船なので、高さだけ見てもかなり巨大です。普通、生身の身体がロープ一本でいかだまでたどり着けるようなもんじゃあありません。 ですがハセヲさんはすべり止めの白い粉を軽く手にまぶすと、ベテランのロッククライマーも真っ青な手つきで、軽々と下りていきました。 なぜこんなことが簡単にできるかって? やってくれないと話が進まないからです。 ハセ「助けに来たぞ! 大丈夫か? ………って」 ぐったりして、半ば意識を失いかけていた漂流者にハセヲが呼びかけます。漂流していたのは、なんとクーンでした。 ロープをみんなに引っ張ってもらい、ハセヲさんは衰弱しているクーンをいそいで船まで引き上げました。平手で何度か頬を叩いて、相手の意識が戻るように促します。 ハセ「おい、クーン! 大丈夫か? しっかりしろ!!」 クーン「ううぅ………。み、水と食料、あとかわいい女の子を……」 ハセ「………」 最後の要求はサラリと流し、桃ハセヲ一行は何か食べ物と毛布をクーンに持ってきてあげます。 もう何日も水を飲んでいなかったのに、もらった水を待ちきれないとばかりに一気飲みしたりなんかするから、渇ききってカラカラだった喉がギャップに悲鳴を上げました。苦しそうに咳き込む姿を見ると、本当にひどい目にあってきたようです。 クーン「げほっげほっ……。ッアァーー! 生き返ったーー!!!いやぁー悪いな! ホンット助かったよ!!」 ハセ「大丈夫かよ。いったい何があったっていうんだ?」 クーン「いやぁな、AIDA地獄になってる鬼が島から何とか脱出して、お前らと合流しようとしたところまでは良かったんだよな。だけど、そしたら運の悪いことにとんでもない怪物に船がおそわれちゃって。脱出用のいかだで化け物引っさげて逃げること数日……。いやあ、ホントひどい目にあった!!」 ハセ「化け物?」 疑問を口にして相手が応える暇もなく、桃ハセヲさんの洗練された直感が、何か近づいてくる不吉なものを予感します。 アトリがおずおずとクーンにたずねます。 アト「さっき、“化け物ひっさげて”って言ってましたよね。まさかとは思いますが……」 不安を感じ取ったのは、どうやら桃ハセヲさんだけではなかったようです。だんだん、妙な緊迫感のようなものがみんなへと広がっていきました。 そのときです。 揺光「ちょっとまって! あれナニ?」 揺光が見つけたのは、前方の海面に不気味に映った、何か巨大な影でした。明らかにこちらへと迫ってきます。 パイ「あれは一体…」 欅「皆さん気をつけて。…来ます!!」 巨大な影は、突如周りの水面を持ち上げて海上へとその姿を現しました。山かと見まがうほどの塊から、滝のような海水がおびただしいほどの巨大な波を作り出し、船を大きく揺らします。 ずいぶんと水が流れた後、ソレは姿を現しました。 ヌラリと光る不気味な白に、人の頭ほどもある巨大な吸盤。 船乗りたちの恐怖の象徴。イカの怪物クラーケンだったのです!!! 続くくく。 [No.788] 2007/06/20(Wed) 22:43:16 |