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クエスト屋に到着したトネリコたち。だが、ここでとある問題に気がついた。 「陽翳、そのやろうとしてるクエストって、二人でできるものなの?」 「あ」 『………』 互いに動きが硬直する。トネリコは呆れ顔で「はぁ…」と深い溜息をついた。 陽翳はいつもそうだ。何かやろうとすると何かが足りないのだ。いっつも。 「ま、まぁ。こういう時こそギルマスの出番さね!」 「開き直ってるし……」 「ん〜と。スペル系のサポート役が欲しいとこだな」 「聞いてないし……」 トネリコがますます肩を落とすと、陽翳は何故か上機嫌に誰かを呼びだした。 「さて。あと3分」 「???」 (カップ麺でも作ってんのかなぁ……?) ――と思いつつ、トネリコは待ってみた。 ―――3分後 「お待たせいたしました、我がマスター。ご用件は何でございましょう?」 そう言って現れたのは、紺色を基調としたブレザー調のエディットをした女性PCだった。 「クエストに参加してほしいんだ。キミは呪療士だしさ、ちょうどサポート役が欲しかったんだよ!」 陽翳がにっこりと笑うと、紺色の女性PCは頬を赤らめた。 「……そうでございましたか。ところでマスター、こちらのお方がお客様でしょうか」 「今回はオレからの私的な依頼だから、お客じゃないんだな。コイツはオレの友達である、トネリコ」 「(こ、こんな人が陽翳の下に居るなんて……)――あ、えと。よろしくお願いします」 「初めまして、トネリコ様。私は中・上級者支援ギルド《あずま屋 オアシス》上級者受付組所属、 安らぎの『ラギ』と申します。以後、お見知り置きを」 深々とお辞儀をするラギ。完璧な挨拶。強烈なインパクト。そして、凄まじいほど輝く営業スマイル。 きっとメンバーも、お客もこの笑顔にやられたに違いない。ひょっとして、陽翳の秘書? 「にしても、ぴったり3分に来たね……」 トネリコがそっと陽翳に耳打ちをする。 「それが私のモットーでございますから」 「も、モットー?」 陽翳に訊いたつもりがしっかりとラギに聞こえていたらしく、陽翳との間に割り込んで微笑みながら 答えた。 「ええ。『オ』客様 『ア』ッという間に駆けつけます 『シ』ンパイせずとも 『ス』グやります これが私の固定スローガンでございます」 「そういえば《オアシス》のメンバーって、皆そんなようなこと言うよね。それって何なの?」 「スローガンっていうか、標語っていうか。とりあえずメンバーになったら、一人ひとつは考えてもらってんだ」 「ふぅん。でさ、今日のクエストはどういうやつなのさ」 クエスト屋の前にいるのに未だクエストを受けていなかったトネリコ一行。これじゃ、いい商売妨害だ。 「受付完了っと。今回は収集系のクエストだ。いくつかのエリアを周って、頼まれたものを取ってくる」 自信有り気に説明する陽翳。しかし――― 「あの、マスター。それは先ほどヴァイタルビスタが説明しておりましたが?」 「………」 「ま。とりあえず“おつかい”ってことだね」 「そ、そういうことだ」 マスターの面目丸潰れ。哀れな陽翳…… 「では、トネリコ様。最初はどこを行きましょうか?」 「『Δ白き 鎮魂の 宝玉』はどうです? レベルも低いみたいですし」 「だな。いざ、『Δ白き 鎮魂の 宝玉』へ!!」 [No.831] 2007/07/11(Wed) 20:38:37 |