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all .hack//Pledge - わん仔 - 2007/04/21(Sat) 22:16:02 [No.624]
.hack//Pledge 最終話 - わん仔 - 2007/07/25(Wed) 16:59:11 [No.859]
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.hack//Pledge 第13話 - わん仔 - 2007/06/20(Wed) 18:42:01 [No.786]
.hack//Pledge 第11.5話 - わん仔 - 2007/06/20(Wed) 18:41:33 [No.785]
.hack//Pledge 第12話 - わん仔 - 2007/06/13(Wed) 23:11:38 [No.771]
.hack//Pledge 第11話 - わん仔 - 2007/06/06(Wed) 23:34:53 [No.767]
.hack//Pledge 第十話 - わん仔 - 2007/05/27(Sun) 22:08:31 [No.765]
.hack//Pledge 第九話 - わん仔 - 2007/05/21(Mon) 16:03:23 [No.755]
.hack//Pledge 第八話 - わん仔 - 2007/05/21(Mon) 14:49:26 [No.754]
.hack//Pledge 第七話 - わん仔 - 2007/05/08(Tue) 23:46:31 [No.732]
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.hack//Pledge 弟五話 - わん仔 - 2007/05/01(Tue) 14:41:50 [No.691]
.hack//Pledge 第四話 - わん仔 - 2007/04/25(Wed) 21:41:37 [No.649]
.hack//Pledge 第三話 - わん仔 - 2007/04/22(Sun) 17:40:02 [No.630]
.hack//Pledge 第二話 - わん仔 - 2007/04/22(Sun) 00:22:02 [No.626]
.hack//Pledge 第一話 - わん仔 - 2007/04/21(Sat) 22:57:57 [No.625]


.hack//Pledge 第17話 (No.624 への返信) - わん仔

――Δ白き 鎮魂の 宝玉――
薄暗い洞窟のダンジョン。ぼんやりと白く光る岩が、より気味悪さを演出していた。
「ここで何をすればいいの、陽翳?」
「んと。『メタトロンのダイヤ』なるアイテムを取ってこいだとさ」
とりあえず、目的地は最深部だろうということで、一行はどんどんと洞窟を進んだ。

「これだな」
アイテムここですよ! と、言わんばかりに光っている岩の一片を手に取る陽翳。そこにラギが一言。
「何か……アッサリしすぎてませんでしょうか?」
「ですよね。モンスターも居なかったですし……。ねぇ陽翳、それ本当に『メタトロンのダイヤ』なの?」
トネリコまで疑うので、陽翳は確かめてみることに。
すると――

―――ピキー!

「うぉわ!!」
なんと、ただの岩石かと思いきや足が生えて逃げ出したではないか!?
『………』

「あの。追いかけませんか?」
ラギの一言が切欠で、一行はようやく走り出した。

「トネリコ! そっち行ったぞ!!」
「とりゃぁあ!!!」
まるでサッカーの試合でゴールを決めるか如く、勢いよく謎の生物(?)を蹴り飛ばしたトネリコ。
すると、その生物は奇声をあげて消えてしまった。
「な、何だったんだろ……?」
「トネリコ、アイテムは?」
足元を見てみると、そこには正真正銘、今度こそ本物の『メタトロンのダイヤ』が転がっていた。
「ある意味、モンスターを倒すより大変でございましたね」
「ラギちゃん、君は何もしてな―――」
「さぁ、次のエリアへ参りましょうトネリコ様」
「は、はい……」

その後、トネリコたちは次々とエリアを制し、クエストクリアに必要なアイテムを入手していった。
このクエストのために制したエリアの数、現時点で9ヶ所。
そして、10ヶ所目。最後のエリア――――


――Δ気高き 皇女の 宝玉――
「こんなに大変なクエストだなんて聞いてないよ、陽翳……?」
「まぁまぁ。何だかんだでここが最後なんだしさw」

始めは気分転換でやっていたつもりだったトネリコだが、エリアを5ヶ所以上周ったあたりからようやく
大変なクエストを受けてしまったと後悔していた。
途中、彼の母親も帰宅し、部屋に入らせないようにするのも一苦労だった。

ダンジョンの最深部でアイテムを入手しタウンヘ帰ろうとしたその時、プラットホームの手前で、不意に陽翳が振り返った。

「なぁ。……二人はこれからどうすんの?」
突然の質問。あまりに突然すぎて、二人は戸惑う。
「ま、マスター。それは何のことでございましょう? このクエストが終わったら、ということでしょうか?」

「違うよ、ラギちゃん。―――照ちゃんのことだよ」

陽翳の顔は真剣そのものだった。二人は『照ちゃん』という響きに、一瞬ピクリと反応する。
そこで、トネリコには疑問が生じた。
「ラギさんも、姉さ――照さんのことを知っているんですか?」
「ええ。まあ、一緒のギルドですし……」
「ラギちゃんと照ちゃんとオレの三人で、この中・上級者支援ギルド《あずま屋 オアシス》を立ち上げたんだよ」
「そう、だったんだ……」
始めて―――かもしれない。PC照々のことを他人から聞いたのは。
今まではそんなこと気にもせずに一緒に過ごしてきたのだが、本人が居なくなった今、とても気になることのひとつだ。

「で? どうすんのさ。トネリコは」
「どうって、どうしようもないよ。僕は一般のプレイヤーだもの……」
「そっか」
『………?』
ラギとトネリコは互いに顔を見合わせ、疑問符を浮かべる。

「さ。アイテムも回収したわけだし、タウンに帰ろうぜ」
「……うん」


――Δ悠久の古都 マク・アヌ――
ずっと薄暗い洞窟のなかに居た所為か、変わらぬはずの夕焼けがいつも以上に眩しく見えた。
三人はすぐにクエスト屋に赴き、依頼主であるヴァイタルビスタに報告。お礼をもらった。
そのお礼とは―――?
「『無限光の軽鎧』?」
「そ。なかなかのレアものなんだぜ? やるよ、トネリコに」
「そんな、だって皆で苦労したのに……」
「いいんですよ、トネリコ様。私は呪療士なので装備できませんし」
ラギはそう言ってほほ笑む。営業スマイルではない、本当のラギ自信の優しい笑顔だった。
「オレはお気に入りのがあるし」

「……ありがとう!!」

トネリコも、これ以上ないくらいに笑顔で、いっぱいの感激を胸に喜んだ。


陽翳たちと過ごした後、トネリコのプレイヤーは母親にネットゲームをしていたことが見つかってしまい、十数日間にわたるネットゲーム禁止令が下されていた。
彼はそれに従い、宿題をしてはネットを見、テレビを見……というサイクルを何日も繰り返していた。

最近のニュースはネットに関連したものが多いような気がする。
リニアモーターカーの試運転中に起きた事故、世界各地の原子力発電所での異常。そして
―――AIDAウィルス製作者の指名手配

「“AIDA”って、前にくぬぎさんが言ってたやつのことだよね…? 確か、ハセヲ先輩も追ってるって」
ついに無敵のアリーナ三階級制覇を成し遂げたハセヲ。彼は今頃、何をしているだろうか……
陽翳は? ラギは? ………照々は?
気になり始めたら、確かめたくて仕方がなくなってきた。
母親は、仕事で夜まで帰ってこない。けど、禁止令は発令中。
やりたい、ダメだ。やりたい、ダメだ。やりたい、ダメだ。でも、やりたい………うぅ〜、やっちゃお!

意外と自分に正直な彼。陽翳にメールを送り、早速ログインしようとした時、新着メールが受信された。送り主は『欅』
「欅って――?」
確か《月の樹》のギルドマスター……しかし、欅に会ったことすらないはずだった。それなのにどうやってメールを?
本文を読み進めているうちに、『The World』が大変な事態が起きていることと、プレイヤーの協力を要請していることが解った。そして最後には―――
ハセヲの言葉が綴られていた。
「ハセヲ先輩……」
居ても立ってもいられず、彼はログインした。


[No.845] 2007/07/18(Wed) 14:42:05

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