![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
――とあるフィールド―― エリアに溢れんばかりの黒っぽい紫色をした大群。これだけの数相手にたった3人では無茶だと、 誰しもが思うだろう。それでもトネリコたちは、自分の居場所を取っていた。必死にあがき、抵抗していた。 「いい加減ちっとは減ってくれねぇかなぁ……手首が痛ぇ」 「陽翳、いったいどういう体勢でプレイしてんのさ?」 「だってオレ、拳術士じゃん。なんたって連打命」 「成程、ねッ!」 照々が相手を一刀両断しながら納得する。 他愛ない会話のように聞こえるが、本人たちは大分くたびれているはずだ。何だかんだで結構な 時間、戦闘しっぱなし。コントローラを握る手も汗まみれだ。 「でも、さすがは陽翳じゃない。連携なんてまるで無視w」 「……照ちゃんこそ、昔はソロでやってたくせに、トネリコと息ピッタリだし」 前言撤回。 本人たちはくたびれてなどいなかった。むしろ、元気が有り余るくらいに。まぁ、当人たちが楽しんでやっているのならそれでいいのだが、危機感なさすぎるのも………特に照々。 「ずっと気になってたんですけど、照さんたちって、いつ頃知り合ったんです?」 トネリコも華麗にアーツを決めながら二人に問う。 「え。陽翳から聞いてなかったの? え〜とね―――」 「だぁああ! その話は後だ後!!」 かぁっと陽翳の顔が赤くなる。 それを期に、三人は一切無言で減ることのない相手を倒し続けた。 ――とあるダンジョン―― 「環伐!!」 「オルザンローム」 「アンゾット!!」 一方のラギたち。こちらはわりと真面目に戦っているようだ。 椎が大鎌で蹴散らし、そこへくぬぎとラギがスペルを撃ち込む。 「!?」 「オリプス! ご無事ですか、椎様?」 「うん。サンキュです」 食い止めるだけで精一杯だった。とてもじゃないが、どんどんと数を増す相手に効く攻撃など、仕様上ありはしないのだ。 ラギ達の居たエリアには、他の一般PCも何人かいた。その人たちと互いに助け合い、確実に一体、また一体と倒していった。 いったい、総数にして何匹倒したのだろうか。 時間も経った。しかし、リアルの時間すら確かめる余裕がない。 「まだか?」誰もが同時に同じことを思った。 すると、エリアを埋め尽くしていた例のバグモンスターが一瞬にして消えた。文字通り、跡片もなく。 「終わった、の……?」 「やった――ハセヲ先輩がやってくれたんだ!!」 一斉に歓喜に包まれた。 トネリコも、陽翳も、照々も、ラギも、くぬぎも、椎も。皆。 ―――解放。それもあるかもしれない。しかし、何より勝った喜びの方が大きかった。 やった。自分たちで自分たちの居場所を守れたのだ、と。 「あれ、照さん?」 辺りを見渡すと、いつの間にか照々の姿がなくなっていた。 そして。全ては純白に包まれた。 [No.858] 2007/07/24(Tue) 15:59:42 |