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「一発で開眼しただと!?あいつ・・・天才か!?」 −レイヴン@HOME、知識の蛇 八咫、クーン、パイがカイト達が写っているモニターを見ている。 「パイ!あいつが危険だ!行くぞ!」 「待って!三体以上も憑神を使ったらサーバーが崩壊してしまうわ!」 「だからってこのままここにいても・・・カイトはまだあの力は初めてなんだぞ!? 野生化した憑神に対抗するのは危険すぎる!」 「大丈夫だろう。」 「八咫・・・?しかし・・・」 「彼は負けはしない。近くににいた私だから解る。」 八咫は絶対の自信を持っていた。 しかしカイトになにもしてやれないクーンには罪悪感が漂った。 **** 「おおおおおぉぉぉぉぉぉっっっっ!!」 蒼炎の守護神とイニスが激突。どちらも一歩も引かない。 「この力!この力だぁ!!」 双刀を一回転させイニスをなぎ払う。 −これが『憑神』と対なる力『守護神』! コントローラーではなく体の神経がThe Worldに繋がっているようだ。 この力さえあれば何者にも屈さないと感じるほどだ。 一方イニスも引かない。過去にカイトに倒されたからなのか、 腕輪に敏感に反応し、暴走している。 しかし絶対的な力を手に入れたカイトの目的はひとつ、 「邪魔だ、お前じゃない・・・奴を・・・オーヴァンを出せえええぇぇぇぇぇ!!」 表情が一変し、双刀で五連撃をたたき込む。相手を弾き、追いかけ、頭部を鷲掴み、 空間の壁に突き落とす。 「蒼炎舞・百花繚乱!!」 前に三爪痕にPKされた技だ。その技ももう身につけた。 イニスの体力が消滅し、逃げようとしている。 「とどめだぁっ・・・」 カイトは右腕を構え、腕輪を開花させてゆく。データドレインを放つつもりだ。 **** 「ええええええええ!!カイトさんが!!?いつ!?どこ!?ねえ!!」 「お、落ち着けぇ、まったくあやつのことになるとそそっかしくなるなあ、お前は。 相変わらずあの赤い服だったぞ。」 「そ〜ですか・・・ん?前のPCは引き継げないはずじゃあ・・・」 「・・・・」 「・・・・」 沈黙が続く、ここはProject G・Uの@HOME、ギルド員はたったの二名。 「と、とりあえず呼び出してみるか。」 図体のでかいPCぴろし3がメンバーアドレスを確認している。 −あぁ・・カイトさん・・・あなたと出会えた時が懐かしいです・・・早くあなたにお会いした・・・ 「おや?返事がない。」 「・・・え?」 また沈黙が続く。 「あっはっはっは!忙しいようだ。また日を改め・・・ってうお!」 「早く呼んでください〜!どうしても今会いたいんですぅ〜!!」 女性PCなつめがぴろし3の肩をこれでもかと言うほど揺らす。 「やめろ〜!暴れるな〜!」 このなつめとぴろし3のやりとりはあと30分ほど続いた。 **** 「・・・カイト?」 アリーナの裏でエンデュランス=エルクが何かを感じ取ったようだ。 「キミはまた・・・ボクの前からいなくなろうとするの?」 彼にはもうThe Worldからカイトは存在しなくなったと思っていた。 だがそれは、想像ではなく、確かに感じ取れた。 **** 「くそ!このPCめ!」 1人の男性PCが何かを刀で切り刻み、消していく。 それはあの黒い腫瘍、バグデータ。 「あのハッカーめ!今更こんなものを!」 斬刀士、並はずれた実力の持ち主だと伺える。 「俺は俺の正義を貫く!誰にも干渉させない!」 背を向けると、彼はそのダンジョンから転送していった。 彼の背の白く輝く翼の光だけがその場に残る。 **** カイトの親友ヤスヒコが向かった先はカイトのプレイヤーの家。 彼はカイトにあることを伝えに来た。 カイトの部屋のドアの前に着く。一息おいて扉を開ける。 「よお!俺・・・お前に・・・」 部屋の中を見た瞬間、ヤスヒコの表情が変わった。 「おい!!しっかりしろ!どうしたんだ!!?」 彼が見た光景は、床にCCDゴーグルをつけたまま倒れ込んだカイトのプレイヤーの姿。 **** 「だめだ!止められない!」 ネットスラムでカイトを監視していた欅が焦っている。 「こんなことになるなんて・・・くそ、オーヴァンめ!」 「もう、彼らを呼ぶしかないか・・・」 欅は七年前の英雄達を思い浮かべる。 それは危険を伴う最大の手段だということは知っていた。 **** 「アアアアアアァァァァァ・・・・」 グリーマ・レーヴ大聖堂に渡る呻き声。 三つ又の双剣を持ちたたずんでいる三爪痕のものだった。 彼はアウラの像があった場所をずっと見つめている。 「? カイトくん、どうかしたの?」 「・・・・」 三爪痕の隣にいる帽子をかぶった小柄な少女PCが声をかけてみる。 しかし三爪痕は動じず反応がない。 キイイイィィィィン・・・ 右腕の腕輪が突然光り出した。何かの合図だろうか。 「その右腕に・・・アレがあるんでしょう?」 「・・・・?」 一般PCには腕輪が見えないはず。 しかし少女は三爪痕の腕に何かがあるのがわかるようだ。 「ボクの友達も君と似たようなPCで、特別なアイテムを持ってたから・・・」 「・・・・」 少女の言葉や腕輪が光っている意味が分からなかったが、 のちに三爪痕は知ることになる。 「アアアアァァァァァ・・・」 **** データドレインを受け、遙か彼方にとばされるイニス。 「第二の碑文、惑乱の蜃気楼ゲットォ・・・」 空間が元通りになり、カイトも元に戻った。 「やった・・・すべてがひれ伏す力、すべてをねじ伏せる力を・・・」 殺意が満ちた声で腕輪のついた右腕を突き上げ、 「手に入れた!!!!」 ダンジョンの隅から隅まで聞こえるような声を張り上げる。 普段のカイトとは思えない。 「ふはは、ははははははは・・・ハハハハハハハハハハァ!!!!」 カイトに異変が起きた。腕輪から、色が黒く、服が、帽子が、 フェイスペイントが、そして目の色が、 肌の色以外すべてが漆黒に染まった。 「オーヴァン!待ッテイロ!決着ハ、必ズ着ケテヤル!!」 オーヴァンに戦線布告をし、黒い炎に包まれ消えてゆくカイト。 彼はもうカイトではなく、The World最悪のAIと化してしまった。 カイトとハセヲ、この2人の出発点は同じだったが、違う運命を歩もうとしていた。 −ライト・エゼル −.hack//A.D. Vol.1 黄昏 完 あとがき 祝!Vol.1、完結!! 始めた時からもう五ヶ月以上たってますね! 無事に終わってよかった。カイトは無事じゃないけれど(爆 さて次行きましょう。 次の主人公は蒼炎でも違う蒼炎!ちゃんと書けるか心配ですけど ちゃんと続けようと思います。 ご愛読ありがとうございました。そしてこれからもお願いします。 いざ『.hack//A.D. Vol.2 守護神混乱』へ!ドコドンッ!! [No.872] 2007/08/06(Mon) 22:03:30 |