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No.872へ返信

all .hack//A.D. Vol.1 黄昏 - 菊千文字 - 2007/02/26(Mon) 19:20:57 [No.167]
最終話 漆黒の破壊者 - 菊千文字 - 2007/08/06(Mon) 22:03:30 [No.872]
第十四話 守護神開眼 - 菊千文字 - 2007/08/03(Fri) 20:32:13 [No.869]
第十三話 終末の日 - 菊千文字 - 2007/07/07(Sat) 17:59:00 [No.810]
第十二話 『彼女』 - 菊千文字 - 2007/06/20(Wed) 23:34:49 [No.789]
第十一話 魅惑の恋人 - 菊千文字 - 2007/06/09(Sat) 18:19:34 [No.770]
第十話 レイヴン - 菊千文字 - 2007/05/19(Sat) 22:19:01 [No.745]
第九話 Project G・U - 菊千文字 - 2007/05/02(Wed) 23:04:27 [No.709]
第八話 蒼炎の守護神 - 菊千文字 - 2007/04/29(Sun) 21:00:32 [No.673]
第七話 三爪痕 - 菊千文字 - 2007/04/07(Sat) 21:01:53 [No.569]
第六話 トライエッジ - 菊千文字 - 2007/03/25(Sun) 18:46:37 [No.456]
第五話 究極の選択 - 菊千文字 - 2007/03/17(Sat) 22:48:02 [No.387]
第四話 黄昏の鍵 - 菊千文字 - 2007/03/16(Fri) 21:06:27 [No.360]
第三話 惑乱の蜃気楼 - 菊千文字 - 2007/03/11(Sun) 22:07:01 [No.333]
第二話 ハッカー - 菊千文字 - 2007/03/10(Sat) 18:27:07 [No.329]
第一話 黄昏の守護者 - 菊千文字 - 2007/03/04(Sun) 21:22:20 [No.309]
[削除] - - 2007/02/26(Mon) 19:59:40 [No.170]
.hack//A.D. Vol.1 設定 - 菊千文字 - 2007/03/10(Sat) 21:15:09 [No.330]


最終話 漆黒の破壊者 (No.167 への返信) - 菊千文字

「一発で開眼しただと!?あいつ・・・天才か!?」

−レイヴン@HOME、知識の蛇
八咫、クーン、パイがカイト達が写っているモニターを見ている。
「パイ!あいつが危険だ!行くぞ!」
「待って!三体以上も憑神を使ったらサーバーが崩壊してしまうわ!」
「だからってこのままここにいても・・・カイトはまだあの力は初めてなんだぞ!?
 野生化した憑神に対抗するのは危険すぎる!」
「大丈夫だろう。」
「八咫・・・?しかし・・・」
「彼は負けはしない。近くににいた私だから解る。」
八咫は絶対の自信を持っていた。
しかしカイトになにもしてやれないクーンには罪悪感が漂った。


****


「おおおおおぉぉぉぉぉぉっっっっ!!」
蒼炎の守護神とイニスが激突。どちらも一歩も引かない。
「この力!この力だぁ!!」
双刀を一回転させイニスをなぎ払う。

−これが『憑神』と対なる力『守護神』!
コントローラーではなく体の神経がThe Worldに繋がっているようだ。
この力さえあれば何者にも屈さないと感じるほどだ。

一方イニスも引かない。過去にカイトに倒されたからなのか、
腕輪に敏感に反応し、暴走している。
しかし絶対的な力を手に入れたカイトの目的はひとつ、

「邪魔だ、お前じゃない・・・奴を・・・オーヴァンを出せえええぇぇぇぇぇ!!」
表情が一変し、双刀で五連撃をたたき込む。相手を弾き、追いかけ、頭部を鷲掴み、
空間の壁に突き落とす。

「蒼炎舞・百花繚乱!!」

前に三爪痕にPKされた技だ。その技ももう身につけた。
イニスの体力が消滅し、逃げようとしている。
「とどめだぁっ・・・」
カイトは右腕を構え、腕輪を開花させてゆく。データドレインを放つつもりだ。


****


「ええええええええ!!カイトさんが!!?いつ!?どこ!?ねえ!!」
「お、落ち着けぇ、まったくあやつのことになるとそそっかしくなるなあ、お前は。
 相変わらずあの赤い服だったぞ。」
「そ〜ですか・・・ん?前のPCは引き継げないはずじゃあ・・・」
「・・・・」
「・・・・」
沈黙が続く、ここはProject G・Uの@HOME、ギルド員はたったの二名。
「と、とりあえず呼び出してみるか。」
図体のでかいPCぴろし3がメンバーアドレスを確認している。

−あぁ・・カイトさん・・・あなたと出会えた時が懐かしいです・・・早くあなたにお会いした・・・
「おや?返事がない。」
「・・・え?」
また沈黙が続く。

「あっはっはっは!忙しいようだ。また日を改め・・・ってうお!」
「早く呼んでください〜!どうしても今会いたいんですぅ〜!!」
女性PCなつめがぴろし3の肩をこれでもかと言うほど揺らす。
「やめろ〜!暴れるな〜!」

このなつめとぴろし3のやりとりはあと30分ほど続いた。


****


「・・・カイト?」
アリーナの裏でエンデュランス=エルクが何かを感じ取ったようだ。
「キミはまた・・・ボクの前からいなくなろうとするの?」
彼にはもうThe Worldからカイトは存在しなくなったと思っていた。

だがそれは、想像ではなく、確かに感じ取れた。


****


「くそ!このPCめ!」
1人の男性PCが何かを刀で切り刻み、消していく。
それはあの黒い腫瘍、バグデータ。

「あのハッカーめ!今更こんなものを!」

斬刀士、並はずれた実力の持ち主だと伺える。

「俺は俺の正義を貫く!誰にも干渉させない!」

背を向けると、彼はそのダンジョンから転送していった。


彼の背の白く輝く翼の光だけがその場に残る。


****


カイトの親友ヤスヒコが向かった先はカイトのプレイヤーの家。

彼はカイトにあることを伝えに来た。

カイトの部屋のドアの前に着く。一息おいて扉を開ける。


「よお!俺・・・お前に・・・」
部屋の中を見た瞬間、ヤスヒコの表情が変わった。


「おい!!しっかりしろ!どうしたんだ!!?」


彼が見た光景は、床にCCDゴーグルをつけたまま倒れ込んだカイトのプレイヤーの姿。


****


「だめだ!止められない!」
ネットスラムでカイトを監視していた欅が焦っている。
「こんなことになるなんて・・・くそ、オーヴァンめ!」

「もう、彼らを呼ぶしかないか・・・」
欅は七年前の英雄達を思い浮かべる。
それは危険を伴う最大の手段だということは知っていた。


****


「アアアアアアァァァァァ・・・・」

グリーマ・レーヴ大聖堂に渡る呻き声。
三つ又の双剣を持ちたたずんでいる三爪痕のものだった。
彼はアウラの像があった場所をずっと見つめている。

「? カイトくん、どうかしたの?」
「・・・・」

三爪痕の隣にいる帽子をかぶった小柄な少女PCが声をかけてみる。
しかし三爪痕は動じず反応がない。

 キイイイィィィィン・・・

右腕の腕輪が突然光り出した。何かの合図だろうか。

「その右腕に・・・アレがあるんでしょう?」
「・・・・?」

一般PCには腕輪が見えないはず。
しかし少女は三爪痕の腕に何かがあるのがわかるようだ。

「ボクの友達も君と似たようなPCで、特別なアイテムを持ってたから・・・」
「・・・・」

少女の言葉や腕輪が光っている意味が分からなかったが、
のちに三爪痕は知ることになる。

「アアアアァァァァァ・・・」


****


データドレインを受け、遙か彼方にとばされるイニス。

「第二の碑文、惑乱の蜃気楼ゲットォ・・・」

空間が元通りになり、カイトも元に戻った。
「やった・・・すべてがひれ伏す力、すべてをねじ伏せる力を・・・」
殺意が満ちた声で腕輪のついた右腕を突き上げ、


「手に入れた!!!!」


ダンジョンの隅から隅まで聞こえるような声を張り上げる。
普段のカイトとは思えない。

「ふはは、ははははははは・・・ハハハハハハハハハハァ!!!!」

カイトに異変が起きた。腕輪から、色が黒く、服が、帽子が、
フェイスペイントが、そして目の色が、

肌の色以外すべてが漆黒に染まった。

「オーヴァン!待ッテイロ!決着ハ、必ズ着ケテヤル!!」

オーヴァンに戦線布告をし、黒い炎に包まれ消えてゆくカイト。

彼はもうカイトではなく、The World最悪のAIと化してしまった。







カイトとハセヲ、この2人の出発点は同じだったが、違う運命を歩もうとしていた。



                        −ライト・エゼル
  





 −.hack//A.D. Vol.1 黄昏 完







あとがき
祝!Vol.1、完結!!
始めた時からもう五ヶ月以上たってますね!
無事に終わってよかった。カイトは無事じゃないけれど(爆
さて次行きましょう。
次の主人公は蒼炎でも違う蒼炎!ちゃんと書けるか心配ですけど
ちゃんと続けようと思います。
ご愛読ありがとうございました。そしてこれからもお願いします。

いざ『.hack//A.D. Vol.2 守護神混乱』へ!ドコドンッ!!


[No.872] 2007/08/06(Mon) 22:03:30

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