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オレの腕の先には、鋼のように堅い拳が付いている。 無論、それはオレにとって道具、凶器に過ぎない。 鳥の嘴を模した黄色い爪。曲線を描いたそれは、角度によっては歌舞伎役者が施す隈取りにも見えることから【護拳・隈鳥】という。 もしも、これがリアルであれば、連続撲殺魔といったところだろうか。 指名手配されて、裁判にかければ死刑か無期懲役は確定だろうな。 リアルなら。 ま。こっちもそうそう変わらないか。 オレはPK。この世界での凶悪殺人犯。 ――――自らの拳を紅く染め、オレは何を求める? ――Δ悠久都市 マク・アヌ―― 「なぁ、アイツって確か―――」 「そうそう。カオティックの」 『撲魔獣の陽翳』 そうだ。オレはカオティックPK。 元々は、個人で始めた商売だった。復讐屋、雇われ屋とも言われていた時期もある。とにかく、オレはPKを生業としていたんだ。それも、己の拳で。 そして、今日はカオティックPKメンバー更新のクエストがある日だ。 不定期に行われるテストのようなもんで、同時にPKを狩る者すなわちハンターたちの試験でもある画期的なクエストだ。 とりあえず、オレは暇だから参加するだけだけど。 「御武運を」 クエスト屋でクエストを受け、オレは開催エリアへと向かった。 ――Δ入り乱れる 圧巻の 雄姿―― 「あっれ、撲魔獣じゃん。いきなりで悪いが成敗してくれる!!」 エリアに着くや否やいきなりハンター候補に出くわしちまった。不意打ちにもほどがあるっての。 「………はっ!」 「ぅにゃあぁあぁああ!!!」 軽く何発かかましただけでくたばっちまったハンター候補。 すると、それを遠くから見ていたのか、一人の女性型PCが近付いてきた。 「やりますなぁ、アンタ。じゃ、今度はアタシの相手してくれる?」 「おう」 どうせコイツも同じようだろ。と、余裕を持っていたものの、バトルフィールドが展開した途端マジで ヤバいと思った。 強い。 今までヤッてきたどんな奴よりも、素早くて技のキレもあって、なにより綺麗だった。 「割と自分の拳にゃ、自信があったんだけどね。今回はそうもいかなそうだ」 「へぇ……カオティックPKにも、なかなか骨のある人いるじゃんか。アタシって運がないのかなぁ…」 互いに余裕なんてないくせに、笑ってる。コイツも、オレも。 よく見りゃコイツ、最近になって知名度が上がってきたっていうヤツじゃ―――? 結局 「無理。オレの負け。……ところでさ、お前―――」 「照々。これからもヨロシクね、えと、陽翳くん?」 フロアのど真ん中で横たわっていたオレに手を差し伸べるPC。 これが、オレと照々が出逢った瞬間だったんだ。 ―あとがき― 改めまして、こんにちは。わん仔です♪ 今作からは副題を付けます。 注意書き(?)にも書きましたが思い出話、陽翳の思い出ですね。 プロローグは今現在の一行を。#1では陽翳と照々の出会いをお届けいたしました。なんだかありきたりな出会いだなぁ……(黙 プロローグ・エピローグ含め全12話の予定です。 割と短めですが、またよろしくお願いします!! [No.880] 2007/08/09(Thu) 19:54:08 |