![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
「1つの終わりは、新しい始まり・・・俺たちの旅は、これからも続く・・・。そうは思わないか?ハセヲ」 その言葉は、1人の銃剣士が、1人の錬装士へと向けた言葉―― 錬装士に、最後の力を分け与えた言葉―― 銃剣士はこの時、自分の言っている事がここまではやく実現するとは思いもしなかったであろう。 また錬装士も、その言葉の意味するものが、ここまで唐突に現れてくるとは、思いもしなかっただろう。 なぜなら、またこの世界の火種は、消えてなどいなかったのだから―― ――タルタルガ・ブリッジ―― 1週間前、真の第3次ネットワーククライシスを防いだ”モルガナ因子”の力を持つ8人は、再びここ”タルタルガ・ブリッジ”に集まってきていた。 収集したのはレイヴンギルドマスターの八咫。今回の事件での労をねぎらってという、彼なりの気遣いだった。 現在リアルの時刻は夜8時。約束の時間ジャストできているのは、収集した本人である八咫、その部下でもありそれ以上に彼の理解者であるパイ、過去から逃げず未来を進んだアトリ、二重人格者である朔望、それに世界を救った張本人ともいえるハセヲの、計6人だった。2人いない。 「まったく、時間にルーズというのも困り者だな・・・」 眼鏡を軽く押し上げながら、八咫はあきれ気味にぼやいた。 「ったく、何やってるんだ、クーンとエンデュランス」 「クーンさんはともかく、エンデュランスさんが遅れるのは珍しいですね。いつもハセヲさんがいればすぐに来るんですけれど・・・」 ハセヲとアトリもMMORPG特有の”待ちポーズ”をとりながら会話をする。 2人の言うとおり、クーンは前から集合時には若干遅れ気味だったが、エンデュランスに関しては今まで時間に遅れたことはほとんど無かった。 もしかして何かあったのか? そんな不安が6人の頭をかすめた時、ブリッジの入り口から1体のPCが姿を現した。 青い長髪を後ろで束ねた、黄色がメインカラーの彼だ。 「悪い悪い、ちょっと寝落ちしてて・・・」 「4分34秒の遅刻ね、クーン」 「あいかわらずきっついな〜w」 秒刻みの完璧な遅刻をパイに宣言されるが、どうやらクーンは特にそこまで悪いとは思っていないらしい。 一度謝ると、彼は颯爽と”さも最初から自分がそこに居たかのような”立ち位置に移動した。 「そういやエンデュランスの奴はどうしたんだ?」 「それがまだきてねぇんだよ」 「アイツが?いっつもお前がいればいの一番にいるみたいだけどなぁ」 「でも、本当にどうしたんでしょうかね?エンデュランスさん・・・」 結果から言えば、この後彼がこの場に訪れることは無かった。なぜなら今から30分ほど前、エンデュランスのプレイヤー”一之瀬 薫”の意識は―― ――45分前・Δサーバー たそがれる 乙女たちの 聖域―― エンデュランスはThe Worldではあまり見ないソロプレイで、神殿型ダンジョンであるこの場所を進んでいた。適正レベルは151。彼のレベルもまた151。現在のレベルでのソロプレイはあまり賢いものとはいえなかったが、彼がこの場所へ来ているのには理由があった。 ハセヲ・・・君のために新たな武器を・・・。 最新のアップデートで最大レベル上限が上がったことにより、また武器の数も多少なりとも増えていた。 エンデュランスはこれから会うハセヲのために、獣神像の宝の武器を取ろうとしてこの場に来ていたのだ。 道なりに進むこと30分。彼はついに獣神像までたどりついた。消費アイテムを大量に使うソロプレイでの攻略だったが、彼はどうにかゲームオーバーにならずここまできたのだ。 ハセヲ、やったよ・・・。 彼はゆっくりと獣神像まで歩み寄り、宝箱に手をかけた。その瞬間だった。 「!!」 後ろから、”黒い点”がエンデュランスを襲った。 あとがき どうでしょうか?楽しんでいただけましたでしょうか? どんなことでもかまわないので、もし感想、アドバイス、質問等ありましたら総合感想のほうにかいてくださればうれしいです。 でわ。 [No.90] 2007/02/23(Fri) 21:19:00 |