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No.901へ返信

all .hack//Pledge 〜go out in the sun〜 - わん仔 - 2007/08/09(Thu) 19:29:14 [No.877]
おまけ 椎の(ラギによる)皆の為のしぃつもんコーナー... - わん仔 - 2007/09/24(Mon) 15:53:54 [No.937]
おまけ 椎の(ラギによる)皆の為のしぃつもんコーナー... - わん仔 - 2007/09/23(Sun) 14:06:11 [No.931]
エピローグ  日の当たる場所へ - わん仔 - 2007/09/18(Tue) 21:14:45 [No.926]
#10  きっかけ - わん仔 - 2007/09/11(Tue) 22:06:08 [No.921]
#9  ユウキ - わん仔 - 2007/09/06(Thu) 22:16:41 [No.919]
#8  姉の悩み - わん仔 - 2007/09/04(Tue) 17:16:55 [No.917]
#7  PK卒業宣言!? - わん仔 - 2007/09/01(Sat) 14:17:52 [No.914]
#6  母親 - わん仔 - 2007/08/25(Sat) 14:07:48 [No.901]
#5  初の依頼 - わん仔 - 2007/08/25(Sat) 13:51:41 [No.900]
#4  団欒の木ノ実 - わん仔 - 2007/08/19(Sun) 15:38:53 [No.895]
#3  ギルド発足 - わん仔 - 2007/08/19(Sun) 15:23:27 [No.894]
#2  プレイヤー - わん仔 - 2007/08/11(Sat) 13:59:09 [No.884]
#1  美女と野獣≒狩人と魔獣 - わん仔 - 2007/08/09(Thu) 19:54:08 [No.880]
プロローグ  お届けもの - わん仔 - 2007/08/09(Thu) 19:34:43 [No.878]


#6  母親 (No.877 への返信) - わん仔

ギルドを建設して早一週間。ギルドメンバーの数も増え、@HOMEにもだいぶ活気が出てきていた。そこそこ依頼も増えてはいたが、今日はいたって平穏。つまり暇なんだ。

@HOMEにいても、することなかったからエリアをうろつくことにした。

すると、見知らぬPCがこちらに向かって手を振っていた。……後ろを振り向いたが、相手らしき人物はいない。もしかしなくても、オレに用か。
「依頼ですか?」
「今、ヒマ?」
「……いきなりかよ。馴れ馴れしいな」
「だって、くぬぎの知り合いなんじゃないの?」
くぬぎ…―――ああ。記念すべき最初の客か。
「知り合いと言うより、大事なお客様ですけど」
「ほほぅ……?」
「何?」
「ううん、何でもない。ウチ『オーク』っていうの。くぬぎのママ友よ」

ゲームでも―――ゲームだからこそ、リアルの年齢を気にするのが女性ってやつだろ。若く見せたいのは当然のはず。
だが、この人は女性型PCにしちゃ珍しく、わりとオバサン色が強い印象を受ける。割烹着風の
エディットとか。
にしても、くぬぎの“ママ友”…ね。
「くぬぎって、リアルでも小学生なんじゃねぇの?」
「違うわよ。PCはあれだけど、立派な母親よ?」

「……オーク。本人の居ないところで、リアルのことをペラペラ話すのはやめて」
「む。この子にくぬぎの良さを伝えてあげようとしただけなのにぃ〜」

オレ達に挟まれる形で、くぬぎ本人がひょっこりと顔を出した。
「だいたい、4人も子供がいる母親がネトゲなんかする?」
「あら。それはこっちの台詞よ! 若作りにも程があるわ。そんなガキンちょの格好なんかして。実の息子に恋愛感情でも芽生えた!?」
「馬鹿なことを言わないでッ!!」
「まぁまぁ落ち着けって二人とも。……でも、オークは言い過ぎだぜ。ココで他人のリアルを言うのはタブーだろ?」
『………』
突然の出来事でオレも驚いたが、とりあえず落ち着いたようだ。
オークもブツブツ言いながら行っちまったし。


「ごめんなさい。アナタに迷惑をかけるつもりじゃなかったのよ」
オークが膨れっ面で去った後、くぬぎは今までに見たことないような表情でオレに謝った。
「じゃあ、その迷惑ついでに訊いてもいいか?」
「私のリアル……ね?」 
「ああ。客の情報は欲しいからなw」
「いいわ。どうせ貴方とは“企業と客”の関係だし。ログは非表示にすればいいし」
すると、今までのくぬぎとは違う“母親”としての人物がそこに現れた。

「私、もともと虚弱体質というのもあるけれど、出産以来ずっと入院してるのよ。それで、私の“大切な子”―――息子が『The World』を始めるんだって言っててね。というより、毎日報告してくるのよ。学校であったこととか、これから友達と遊ぶんだー、とか」
「で。少しでも一緒に居たいから―――約束した、と」
くぬぎは何も言わず、ただ頷いた。

「………どーしよーもねぇくらいの、親バカだな」
「ええ。ホント、馬鹿よね……」


くぬぎがここまで高レベルの理由。『The World』に居る理由。
それは大事な息子との、約束のため。
自分がこの子を守りたい、少しでも一緒に居たいという欲。母性本能か。


「ついでのついで。頼み事しても、いいか?」
「また随分と唐突ね。何?」
オレが言葉を発すると、くぬぎはいつもの調子に戻って頼みを聞いてくれた。
「コレをさ、預かってもらいたい。……売っても構わない」
「………PKから足を洗うということかしら」
「ま、そういうことだな。今までのことはスッパリ切り捨てて、新生陽翳として頑張るさ」

オレがくぬぎに託したモノ。それは―――オレがPKであった象徴でもある拳当、【護拳・隈鳥】
「新生、ね。せいぜい頑張りなさいよ」
「おう。これからも依頼をお待ちしておりますよ、くぬちゃん?」
「変」
「えぇ!? 即答っすか!!?」
「ところで。この拳当のロッカー代、頂ける?」
「………」

初めて見た、くぬぎの笑顔。やっぱ無邪気な女の子、なのかな?



―あとがき―
皆様こんにちは! あとがきを書くのは久々です。

今回はくぬぎ中心でお送りいたしました。いかがでしたでしょうか〜? 
ついにこのお話も半分……6話目でございます。
早いですなぁ〜。夏も休みも終わってしまいますぅ(ToT)

ではでは!! わん仔でした!!


[No.901] 2007/08/25(Sat) 14:07:48

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