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No.919へ返信

all .hack//Pledge 〜go out in the sun〜 - わん仔 - 2007/08/09(Thu) 19:29:14 [No.877]
おまけ 椎の(ラギによる)皆の為のしぃつもんコーナー... - わん仔 - 2007/09/24(Mon) 15:53:54 [No.937]
おまけ 椎の(ラギによる)皆の為のしぃつもんコーナー... - わん仔 - 2007/09/23(Sun) 14:06:11 [No.931]
エピローグ  日の当たる場所へ - わん仔 - 2007/09/18(Tue) 21:14:45 [No.926]
#10  きっかけ - わん仔 - 2007/09/11(Tue) 22:06:08 [No.921]
#9  ユウキ - わん仔 - 2007/09/06(Thu) 22:16:41 [No.919]
#8  姉の悩み - わん仔 - 2007/09/04(Tue) 17:16:55 [No.917]
#7  PK卒業宣言!? - わん仔 - 2007/09/01(Sat) 14:17:52 [No.914]
#6  母親 - わん仔 - 2007/08/25(Sat) 14:07:48 [No.901]
#5  初の依頼 - わん仔 - 2007/08/25(Sat) 13:51:41 [No.900]
#4  団欒の木ノ実 - わん仔 - 2007/08/19(Sun) 15:38:53 [No.895]
#3  ギルド発足 - わん仔 - 2007/08/19(Sun) 15:23:27 [No.894]
#2  プレイヤー - わん仔 - 2007/08/11(Sat) 13:59:09 [No.884]
#1  美女と野獣≒狩人と魔獣 - わん仔 - 2007/08/09(Thu) 19:54:08 [No.880]
プロローグ  お届けもの - わん仔 - 2007/08/09(Thu) 19:34:43 [No.878]


#9  ユウキ (No.877 への返信) - わん仔

油蝉がまばらに鳴く桜の木の下で、オレは待っていた。

「陽一(ヨウイチ)ぃーー! …ハァ、っ……待たせてごめん!!」
息を切らしながらオレの許へ走って来たのは『泉 雄樹(イズミ ユウキ)』――オレの親友だ。

「まったく。校門の前まで来て忘れ物に気付くとは、お前らしいというか……」
「酷いなぁ! そんなことより陽一はどうだったのさ、先生の数学気まぐれ抜き打ちテスト」
「あぁ、結構自信ありかな。お前は?」
「ん〜……ビミョー? ていうか、勉強してないし」
「なんだよその反応……はは〜ん。お前、実は暇してんだろ?」
「………」
すると、雄樹は黙り込んでしまった。

オレは図星とみた。雄樹は部活もやってないしな。この夏休みなんか暇で暇で蒸発しちまいそうなんだろう。―――だったら

「そか。じゃあさ、雄樹もやってみね? 『The World』」
「『The World』? 確かネットゲームだよね、ソレ」
「そ。案外おもしれぇんだ、コレが。俺も『陽翳』ってキャラでプレイしてんだけどさ」
「僕はあんまし、そうゆうのは………」

ま、ここまではシナリオ通りだな。さすがに、ゲームとかに疎いコイツでも存在だけは知っているはずだし。
“ネットゲーム”という響きに抵抗があったんだろ。
ではでは、最終兵器投入!!

「じゃ、神話とかに関連してたとしたら?」
「……!?」
「設定はしっかりしてる」
「ホント?」
ほら、食いついた。しっかし、大概のRPGの世界観の元は、ほとんどが神話や聖書とかだろうに。

そんな話をしながら、オレ達は通学路を行く。

「……だってさ、妙なトラブルに巻き込まれたくないし」
「妙なことに首突っ込まなきゃいい話だろが。それに、お前の―――」
「?」
っと、危ねぇ〜……照々こと『明日晴(アスハ)』さんがプレイしてるって言いそうになっちまった。
「いや、何でもない。じゃ、オレこっちの道で帰るから」
「じゃあ……いつか、僕もやってみるよ『The World』」
「おう!!」



帰宅したオレは、照々に呼び出されていたのを思い出して、ログインした。―――確か、港区……
だったか。

――Δ悠久の古都 マク・アヌ――
海上に浮かぶ『イ・ブラセル』を望みながら、オレは地べたに座っていた。その隣に横たわる樽に腰を下ろしているのは照々。

「陽翳、どう? ユウキの様子は」
「案の定、まだ『プレイする!』っていう決心はついてないみたいだな〜」
「そっかぁ……」
照々がガッカリと言わんばかりに肩を落とした。

経済的なことを考えれば、無理もないことだけどな。現にこのオレも、小遣いの半分をはたいてプレイしてんだし。
「でもさ。お前さん方の親父って、ゲーム会社の社員なんだろ? こんなことくらい許してもらえるんでない?」
「……確かに父さん本人もゲーム好きだけどさぁ。だからって、自分の子供がやるモノに金をかけたりしないよ。アタシの使ってるパソコンとかだって父さんのお下がりだし、今は本社に単身赴任中」

「ふ〜ん。まぁ、やるかどうかは本人次第だから、オレらにもどうしようもないっしょ?」
「まぁねぇ〜。アタシが勧めたらやってるってことバレちゃうし」

立ち上がり、数歩前に出る照々。夕日に照らされ海風になびく髪が、綺麗だった。後ろ姿も凛々しくて………っ何言ってんだオレは!? げ、ゲームだぞコレは! しかも本人の顔知ってんじゃねぇか、オレはよぉ!!?

「惚れた?」
「ッなわけ―――」
「じゃ、先に@HOMEへ行ってますよ。ギルマスさんw」
黙ってりゃ美人なPC、か――……去りながらオッサンのような笑いをしてるし。

やってみて判ったけど。
演技ったって、大して変わんないんだなぁオレは……。

ま。いっか。これからも続けてりゃいいってこった。


……そして、現在に至る。


[No.919] 2007/09/06(Thu) 22:16:41

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