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「―――と、いうわけさ。オレの波乱万丈な生い立ちは、此れにて完結〜♪」 ふぅ…と、一息ついてからトネリコは納得した様子で言った。 「成程。だから陽翳は、照さんには頭が上がらないわけだ」 「そうそう。ギルドの立場的に言えば陽翳の方が上だけど、実際の権力者はアタシのようなもんだからw」 「けれど照々、マスターのお仕置きだけには敵わないのでしょう?」 「そぉなんだよね〜。さすが元PKというか、手加減皆無だし」 「それに、マスターがカオティックPKだったお陰で、未だにお客様が増えませんよね」 わりとマジに話す照々とラギ。この二人というのは、容赦しないのが基本なのだ。 「照ちゃんもラギちゃんも酷いなぁ……オレだって必死なのに(T T)」 部屋の隅っこでいじける陽翳。その姿をみた3人は笑わずにはいられなかった。 「そんな気を落とさないでよ陽翳! 陽翳がこのゲームに誘ってくれたから、姉さんとも仲直りができたんだし」 「……あの。訊いてもよろしいですか? トネリコ様と照々は、いったい何が原因でケンカなさったのです?」 ラギの質問に対し、互いに顔を見合わせて姉弟が出した答えは―― 『お小遣い』 「………?」 「だって、ユウキは月3000円なのに、姉のアタシは2000円なんだよ!?」 「姉さんは教育費が掛かってるんだからいいでしょ!?」 「それはそれ!!! 小遣いとは無関係でしょうが!!?」 決して無関係とは言い難い気がするが…… と、トネリコも負けじと言い返す。 「姉さんはバイトができるじゃないか!!」 「そんな時間あるかぁッ!!!!」 姉弟ケンカ・再発(?) 「小遣いが月一で確実に貰えるだけマシじゃねぇか!! オレなんか親の気まぐれだぞ!?」 部屋の隅っこから大声で叫ぶ陽翳。 何故そこでアンタが全力で主張する? といった空気が一瞬にして流れ、一同沈黙する。 「え、と……あの。ま、マスター。依頼の時間になりましたが………?」 「お。そっか。照ちゃん、暇な撃剣士をブレグ・エポナに派遣してちょうらい。依頼者はモーブさんね」 「りょ、了解です!」 いつもの陽翳に戻った。仕事もしっかりこなす――のは、いつものことでもないような… 照々はタウンにいる撃剣士を探しに行き、ラギも受付組としての任務にタウンへ戻った。 「トネリコ」 「ん?」 不意に、落ち着いた声で陽翳がトネリコの横顔に声をかけた。 「アリーナ制覇できたらさ―――」 「?」 すると、陽翳は一息ついてこう言った。トネリコの瞳を見つめて。 「このギルド、任せるな」 「えぇッ!?」 「オレさ、PKに復活しようと思って。……その、昔読んだマンガがムショーに読みたくなったような感じかな」 「また、カオティックになるの?」 少し不安げなトネリコに対し、陽翳は笑って答えた。 「いんや。その―――PKKになろうかと」 「それってキャラ作り直して、レベル1からやるってことだよね? そのキャラじゃマズイでしょ」 「ああ。だから、色々頼むな」 ニッと白い牙を見せる陽翳の顔。なんとも爽やか。こんな顔されちゃ、トネリコは断るに断れない。 「やれるだけのことはやるよ。親友の頼みだしね。――でも、僕がギルマスかぁ……」 「ま。焦ることはないさ。お前はもう、このギルドのメンバーなんだし」 「いつの間に……」 「お前がログインした来た時には、登録してあったww CC社からのメールも来てただろ?w」 「そんなの無かったは…ず……! そっか。姉さんと共謀か……orz」 「(∀)v」 してやられていたトネリコ。体は字のごとく膝をガックリと落としていた。 そう。初夏のとある日、明日晴は自宅にこっそりと帰り、勝手に雄樹のパソコンをいじっていたのだ! こうしてまた一人、このギルドに仲間(被害者?)が増えていたのであった。 [No.921] 2007/09/11(Tue) 22:06:08 |