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−△サーバー とあるダンジョン 「誰かぁ〜!助けてぇ〜!」 「へっ!無駄無駄、あきらめなぁ!!」 ひとりのPCを三人組のPC達が武器を持ちながら追いかけている。 これはPCをキルする『PK』と呼ばれる者の1つの戦法。 単体を複数で攻める、そうすると勝率が格段に上がる。 PKは相手のアイテムを横取りしたり、自らのストレス発散の為に行っている事が多い。 「うっ・・・行き止まり・・・?」 不幸なことに逃げた先は道が閉ざされている。すぐにあのPK達も追いついた。 「残念だったねぇ〜。この゛ボルドー゛様に目をつけられたあげく、逃げ場もないとは。」 「姐さん、どうしましょう、こいつ?LVも低いし殺るなら簡単ですぜ?」 最近PKとして名の知られているギルド『ケストレル』ボルドー、とその舎弟。 「逃げ回られて面倒だったんだ。少しずついたぶってあげようかねぇ。 おい、゛グリン゛!『騎士の血』かけてやんな!」 そう言われるとグリンと呼ばれるPCは一時的に防御値が上がる『騎士の血』をターゲットに使う。 「じゃあいくよ!せ〜のぉ!!」 「ひいっ!」 悲鳴を上げ目をふさぐ。ボルドーはお構いなく刀剣を振り下ろす。 すると、突然後ろから短剣がボルドー目がけて飛んできた。 「!!」 キイィィンと音が鳴り響き、ボルドーの刀剣が弾かれる。 刀剣はそこに座り込んでいるPCをかすめ、壁に突き刺さった。 「誰だ!邪魔しやがるのは!!」 ボルドー達が短剣が飛んできたほうを向く。奥には人影が。 「PCと戦いたいんだったら、アリーナに行きなよ。」 言葉が堂々としていて、とても説得力のある声。 現れたのは、赤い服を着た双剣士。 「なんだおめえ?ひとりで俺達に喧嘩売ってただで済むと思ってんのかぁ!?」 「僕はただ君たちがその子から手を引いてくれればいいだけ。 初心者相手にPKしてることも反省してね。」 「結構度胸あるねえ・・・私達を誰だか知ってて言ってるんだろ?」 「『ケストレル』ボルドー。残忍で卑劣なPKで有名。 僕から言わせてみれば単なる悪餓鬼だけどね。」 その言葉に気の短いボルドーはすぐさま挑発に乗ってしまう。 「ふん、その減らず口を閉じさせてやる!ネギ丸、グリン!殺っちまえ!」 赤い双剣士の左右でネギ丸とグリンが攻撃態勢に入っている。 「死ねえええぇぇぇっっっ!!」 2人が攻撃・・・しかし双剣士の身のこなしに難なくかわされてしまう。 「アリーナ戦闘の基本は・・・相手の攻撃パターンを読み、見切る!」 彼は双剣を使い、グリンに三連斬を浴びせる。ネギ丸はスキルを発動させようとするが・・・ 「遅い!スキルを使う場合は判断を速く、相手より先に発動させる!」 ネギ丸がスキルを出すより先に、彼がスキル『疾風双刃』を発動。 的確かつ、速い。 「ぐほぉ・・・!」 ネギ丸、グリンがその場に倒れ込む。HPはもうあと一撃くらいしか残っていない。 「けっ、情けねえ・・・!」 「君はどうするの?このまま帰る?」 「ふざけんな!お前を殺してそいつも殺す!なめられたままでたまるか!」 「信念はちゃんともってるんだね。 僕の知ってる限りそういう人は根は良いんだけど。」 その言葉にボルドーが赤面。 「て・・てめえ・・・ふざけやがってええぇぇぇ!!」 ボルドーが双剣士に向かってイバラの剣を振り下ろす。 これも彼に当たらず。 「このっ、このおっ!」 闇雲に剣を振り回すボルドー。 その隙に間合いを詰められ、首に短剣を突きつけられる。 「せっかく斬刀士なんだから双剣士相手にはリーチをうまく使わなきゃ。」 瀕死状態のネギ丸、グリン、絶体絶命のボルドー。 双剣士の完全勝利が誰が見ても伺える。 「ひ、ひとまず逃げるぞ、野郎ども!」 「へ、へいっ!」 危険を察し、ボルドー達がこの場から逃げてゆく。 「覚えてやがれ!次はお前がこうなる番だ!」 負け惜しみとも言える言葉を吐いて、去っていった。 その場には赤い双剣士と、もう1人のPC。 「・・・・」 「あの・・・君、大丈夫だった?」 双剣士が心配そうに問いかける。 青いケープに半ズボン、シルクハットをかぶっている。 それに瞳は左右違う色、オッドアイ。 相手の方は呆然と双剣士を見ているだけだったが、口を開ける。 「・・・シューゴ」 「ん?」 「い、いや、何でもないんだ・・・」 かすかに発した小声、誰かの名前なのか? 正気に戻り、双剣士が差し伸べた手を握り、立ち上がる。 「ほら、男の子ならしっかりと!」 「あの・・・僕こう見えても女・・・」 双剣士の動きが凍り付いたように止まる。 「あ・・ごめん・・・」 「別に気にしてないよ。こんなPCだれでも男の子って思うし。」 こう言われたが、彼女が内心ショック受けてたらという思いに押しつぶされそうになる。 −き、気を取り直そう・・・自己紹介、自己紹介。 「僕は゛カイト゛って言うんだ。」 「えっ、カイト・・・?」 その名前を聞いたとたん、彼女は何かを考え込む。 『カイト』という名前になにか心当たりが・・・? 「やっぱり、ちょっとさっきのことで・・・」 カイトは全然見当違いの事を話している。 「なんでもない、なんでもない! それより助けてくれてありがとう。」 「そんなの別に気にしないで。人と人同士はお互い様だよ。」 「でも僕、君の役に立ちたいな。これ、受け取って。」 彼女がカイトにあげたのは、メンバーアドレス。 「! いいの!?本当に!?」 「うん、僕の名前は゛蒼月゛。よろしくね、カイト君。」 カイトに向けられた蒼月の二色の瞳は、とても輝いていた。 −番外編一 眠れぬ城 あとがき タイトル元ネタはアリプロことALI PROJECT『眠○る城』。 ロー○ンメイデン『蒼星石』のイメージソングですよね。 なぜこれをチョイスしたかはたぶん皆さんわかってると思います・・・ Anotherとかいって単なるVol.1の話してるだけで、 トラ視点とかいって文字化けしてないわで・・・すいません! [No.922] 2007/09/14(Fri) 21:44:49 |