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なりゆきでボルドー相手に自らが『殴られ屋』をすることになってしまったカイト。 「うおらああぁぁ!」 ボルドーがカイトに剣で斬りかかる。 「おっと。」 それに対しカイトは後方に退く。が、それ以上後ろに下がれない。 バトルエリアの壁に接近していた。 「や、やば・・・」 「カイトッ、こっち!」 碧はそう言いながらカイトの襟巻きを引っ張る。 間一髪、カイトに刀剣が触れることは免れた。 「あ、ありがとう・・ございます・・・」 「礼は終わってから!あと30秒だから頑張って!」 殴られ屋創立者の碧の存在は今の状況においてとても大きい。 「くそっ!ふざけやがって!」 「あと10秒!」 「もう無理じゃないの?」 時間ももう残り少ない。ボルドーが最後の賭けにでる。 「死ねええぇぇぇ!!」 5秒にさしかかったところでボルドーが刀剣を投げつけた。 狙いは・・・碧 碧はカイトを庇いながらバックアップしていて気づいていない。 光景を見たのは、カイトのみ。 「碧さん!危ない!」 声をかけたが振り向く時間で剣が向かってきてしまう。 −どうする・・・! 思考を凝らす結果・・・ カイトは碧の足をかけ、転ばせた。 碧はそのまま転倒。刀剣は当たることなく岩場に突き刺さる。 時間切れになり、カイト達の勝利に。 「ふう〜、やっと終わった〜・・・」 「゛終わった〜゛じゃなくって・・・」 転んだ拍子に頭部を強打し、碧は頭を抱えながら起きあがる。 「すいません、あれしか方法見つからなくって・・・」 −これで一件落着・・・ −なわけないでしょ、あれ見て。 碧が指すところには敗北してしまい、殺意剥き出しのボルドーが。 −どうなると思う? −・・・全員で襲いかかってくる!? すると一味の1人が声を上げる。 「ボルドーさんが負けるはずがねぇ!てめえらどんな汚ねぇ手使いやがった! 野郎ども、殺っちまうぞ!!」 PKのよくある光景、変な言いがかりをつけ、喧嘩を売る。 一味が一斉にこっちに向かってくる。何10人もいる軍団だ。 「やっぱりね、この数どうする!?」 「それより・・・!」 カイトの心配は別のところにあった。 −2人が・・・蒼月達が!! PK達に囚われている2人、もしかしたらすでにやられているのかもしれない。 懸命に探すと、見覚えのあるシルクハット。 「いた!蒼月!!」 「アダマスも!あれ、あのPKは?」 カイトと碧は無事に蒼月とアダマスを発見。しかし2人を捕らえていたPKの姿がない。 「ずいぶんと賑やかじゃねえか、俺とも遊んでくれよ。」 その声にその場の全員が注目。 蒼月とアダマスの背後から現れたPCは、 魂を狩る死神に見えた。 「お前は・・・PKK『死の恐怖』!!」 「死の・・・恐怖・・・?」 最近騒がれているPKKの通り名。 「んじゃ、こっちから行かせてもらうぜっ・・・!」 彼は手に持っている大鎌を大振りすると、PK達が一気に宙に飛ばされ、キルされてゆく。 逃げろという声が聞こえ、ボルドー達PKが転送装置にかけていった。 その場に残されたカイト、碧、蒼月、アダマス、 そしてPKK『死の恐怖』。 「どうもありがとう。でも名の高い方がこんなところでお仕事?」 「別にPKKが目的って訳じゃない・・・ん?」 彼の視野に何かが入る。 それは碧の背に隠れているカイトの姿。 −・・・何してるの? −いやあの人って『三爪痕』を探してるんでしょ・・・? **** −奴*、俺#探$&いる・・・? 修復率が75%に達した蒼炎のカイト。なかなか『守護神』を使った後のリスクが軽くならない。 あのPKKが言っている三爪痕はバグデータ『Triedge』ではなく、 恐らく自分のことだろう。 しかし、その意図がわからない。 何故、何の目的で・・・ **** 「おい、何してんだ?」 「!!」 行動がバレ、ドキッとしてしまったカイト。 三爪痕とPCが同一の自分を見られたらとんでもないことになる。 しかしそのままでいられることもなく、仕方なしに顔を出す。 すると驚いたことに彼の反応はあまり大きくなかった。 カイトの頭には、小さくて収まりきらないシルクハットが。 −どうしたの?いきなり・・・ −蒼月っ!早くその帽子隠して! 蒼月の手にはカイトの帽子。 いつの間にかカイトは自分のと蒼月のシルクハットとを交換していた。 疑われないための最大限のカイトの策(?)のようだ。 「は、はは・・・」 笑ってごまかすカイトに、 「・・・・」 「・・・・」 反応どころか失笑してしまっている。 その沈黙を消すかのようにすぐ彼が話を戻した。 「お前・・・『三爪痕』を知ってるか?」 「!!」 カイトは突然のことに動揺しすぎてしまった。 「し、知らない知らない知らない知らないっ!!」 「・・・?ま、いい。俺はこっちに用があるんでな。」 カイトの行動には触れず、目線を碧に向ける。 「カイト、アダマス。もう今日は・・・」 「え?」 「何か感じる・・・」 「このPKKのこと?」 「いや・・・後で伝えるから。これ受け取って。」 碧はカイトにメンバーアドレスを渡す。 「大丈夫。別に取って食ったりはしないでしょ?」 「じゃあ・・・気をつけて下さいね。蒼月、行こう。」 「ああ〜、結局稼げなかった〜。(泣)」 「PKされないだけよかったでしょ。」 碧は転送装置に向かうカイト達を見送ると、PKKと対面する。 「死の恐怖『ハセヲ』さんが私に何の用?」 「さっきも言ったとおりだ。三爪痕を知ってるか? 姿だけでもいい。何か情報を持ってないか?」 「姿知らない訳ね、それもそっか。カイト隠れ損・・・」 PKK『ハセヲ』は三爪痕の姿もわからないという。 −姿か・・・しいて言うなら・・・ 碧はそこでカイトのPCボディを思い浮かべる。 あの時、銃剣士と戦っていた三爪痕。それはまさしくカイトの姿だった。 「私も・・・会って確かめたい、三爪痕に・・・」 「?」 「君と同じように、私も三爪痕を追っていること。理由は違うと思うけど。」 「・・・あんたは、三爪痕に何を求めているんだ?」 碧はしばらく考え込み、答えを口にする。 「三爪痕が私を導いてくれる気がする。その先にある答えまで。」 **** −何週間後・・・ 100%データが完全に修復、蒼炎のカイトは活動を再開する。 ゛もう1人のカイト゛を通して見たモニターから、新たな感染者を発見。 しかもそれにプレイヤーは存在しない、イリーガルNPCであった。 PC名は、『碧』。 その時は異常が発生し、CC社がプレイヤーを強制ログアウトさせるほどの混乱を招いていた。 蒼炎のカイトは、蒼い炎を放ち、崩壊しそうなエリアに降臨した。 そこにいたのは、浸食され、半身が黒く染まっている碧。 「アアアアアァァァァァァァ」 三つ又の双剣を構え呻き声を上げるカイト。 碧の姿はもはや獣といえるほどにバグデータに浸食されている。 カイトは碧を捕捉し、光をも上回る速さでエリアを駆けた。 −Another.3 地獄に一番近い男 あとがき タイトル元ネタはドラマ『天国に○番近い男』。 好きな人物は『天童世死見』です。というか陣内さんが好き。 な、長かった・・・ でもこれでやっとAnother Storyが一区切り。 ちゃっちゃと済ませて書きたいところもありますし(爆 もうすぐG.U.小説Vol.3が発売されますね。 すごく楽しみです、カイトが・・・(笑 [No.939] 2007/09/24(Mon) 16:27:47 |