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トンネルを抜けると、そこは雪国…じゃなかった、人工的な通路が続いていました。 おそらく、海賊のアジトだったころの名残なのでしょう。 床には石畳が敷き詰められ、歩きやすいよう舗装されています。 壁は粗いレンガで覆われていて、所々に足元を照らすよう松明がともっています。 ハセ「歩きやすくなったのはまぁ嬉しいんだけどな…。そろそろ日の目が拝みたいぜ」 エン「でも…火が灯っているってことは、誰かがここを通ったんだよ……敵もこの通路に気付いて使っているんじゃないかな……」 ハセ「でも見張りらしい見張りもいなかったぜ? …って、おい、そういやさっきからぴろし3はどうしたんだ? いつもならマジウゼ…騒がしいくせに、不気味なほどおとなしいじゃねぇか」 エン「…ああ、彼? どうしたんだろうね……フフフ…」 ハセ「…………」 なにかやりやがったな、コイツ。 後ろを見ると、ぴろし3がなにか警戒しながら、……というよりおびえながら、だいぶ後ろからついてきていました。心なしか、鎧の輝きもいつもと比べて鈍っています。 ハセ「おーい、何やってんだよ! 置いていくぞ?」 ぴろ「い、いや、私にはかまわんでくれて結構なのである!! 私にかまわず、先を急ぐのが良かろう!!」 ハセ「?」 あのぴろし3がおびえているなんて、一体何をされたのか!? と、疑問に思う方もかもしれませんが、実はこれといってたいしたことはされていません。ただちょっと、エン様は自分の過去の正体をカミングアウトしただけです。 エルクはぴろしさんの天敵だってことを知っている方はどれくらいいるんでしょう? (無印.hack公式サイトの『おしえて!ぴろしさん!!』、または同サイトの『司きゅんの部屋』参照) エン様がポツリとつぶやきます。 エン「ハセヲをわずらわせるなんて…杖ですり潰すよ?」 ぴろ「ひいいい!! さ、さあゆくぞよき目をした人よ!! 旅路の果てまでも! 頭上に星々の輝きのあらんことをっ!!!」 ハセ「………」 一体何があったんだ。あきれるハセヲさんでしたが、 ハセ「!? まぶし…」 そうこうしてる間に、ついに天井のない地上へとたどり付いたようです。 まだ道は続いていますが、少し開けた広場のように来て、これでひとまずは一安心です。そこには見覚えのある人影もありました。 ハセ「天狼に揺光! お前ら無事だったのか!! それに太白と大火のおっさんまで!!」 揺光「あ、ハセヲ!! も〜心配しちゃったじゃんか〜!!」 天狼「だが、無事で何よりだ」 大火「か〜っかっか!! 小童が、生意気に生き残りやがった! めでてえ、かあちゃん酒だ!!」 太白「…ここに“かあちゃん”はいないかと思いますが」 聞けば、揺光たちもハセヲさんとは別の通路を見つけ、そこを通ってくる間に、偶然大火と太白の2人と合流したようです。この広間はちょうど、いくつかの通路の合流地点になっているみたいですね。 天狼「もしかしたらほかのやつらも、ここを通っていったかもしれないな」 揺光「でも、まだ来てない人達だっているかもよ。みんながそろうまで待ってたほうがいいんじゃないかな?」 ハセ「…いや、見張りがいなかったことや、すでに誰か通った形跡があるところを見ると、もしかしたらすでに中で何か起こっている可能性がある。遅れてくるかもしれないやつらは後で追いついてくるのを待つとして、今は中の状況を確かめに行くべきだと思うぜ」 太白「そうだな…。もし誰かが我々の到着を待たず進んだとすれば、戦力的にも不利だろう。援護に回った方がいいと私も思う」 なんか小難しい相談してるハセヲさん達を、 ??「………」 陰から見つめる黒い影。 ハセヲさん達一行はそれに気付くことなく、アリーナへの最深部へと急ぐのでした。 続く [No.952] 2007/09/30(Sun) 17:36:06 |