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No.1024に関するツリー

   .hack//Write's Report - 菊千文字 - 2008/01/20(Sun) 19:52:59 [No.1024]
Report:6"Sacrifice"part2 - 菊千文字 - 2008/03/26(Wed) 21:28:09 [No.1184]
Report:6"Sacrifice"part1 - 菊千文字 - 2008/03/24(Mon) 15:39:41 [No.1175]
Report:5"Natsume's Memory" - 菊千文字 - 2008/03/16(Sun) 21:29:16 [No.1159]
Report:4"Again The World" - 菊千文字 - 2008/03/08(Sat) 20:32:30 [No.1125]
Report:3"Project G・U" - 菊千文字 - 2008/03/01(Sat) 01:31:42 [No.1108]
Report:2"Keyaki" - 菊千文字 - 2008/02/05(Tue) 17:55:06 [No.1032]
Report:1"Write Ezer" - 菊千文字 - 2008/01/20(Sun) 21:11:55 [No.1026]
.hack//Write's Report 設定(3/14更新) - 菊千文字 - 2008/01/20(Sun) 19:58:42 [No.1025]



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.hack//Write's Report (親記事) - 菊千文字

えっと・・・受験勉強の合間の息抜きです。(オイ

A.D.ほったらかしでちょっと新しい物語書いてみます。
視点も書き手から主人公に変えて挑戦しますので。

主人公がA.D.と繋がることがありますが、
ここではA.D.の人物(R:2でのカイトなど)や設定はなるべく避けます。
G.U.の設定に乗っ取ってのオリジナル小説なんで。

詳細はまた『設定』を設けますのでそこで(^^;)


[No.1024] 2008/01/20(Sun) 19:52:59
.hack//Write's Report 設定(3/14更新) (No.1024への返信 / 1階層) - 菊千文字

時間帯:G.U. Vol.2〜

主人公:ライト・エゼル

概要:後ほど

この話は報告書<レポート>形式ですが時々進行形のような書き方がありますが、
希にライトが出来事と同時に書いているというコトで。
基本は出来事の後に記録してます。

第一話
ライト・エゼル設定
・ある人物によって創られたAI、目的は不明。
・PCボディは”現時点で子供”、推定年齢10歳。
・黒コート&黒フードを羽織っている。
 エルクと望を足して2で割ったような顔(?)
・ライトは『write』。エゼルは英語ではない。
・知識豊富、だが欠落している部分が多い。

第三話
なつめ設定
・ゲームのなつめとほぼ同設定
・第一話にて瀕死状態のライトを拾う。

Project G・U設定
・ご存じ『グラフィック・うまい』のギルド。
・メンバーはぴろし3となつめ、それに加えてライト。
 (ゲームでは”2人”となっているがその理由は・・・)

第四話
ライト・エゼル設定
・睡眠(機能停止)中に過去にタイムスリップする能力が発覚。


[No.1025] 2008/01/20(Sun) 19:58:42
Report:1"Write Ezer" (No.1024への返信 / 1階層) - 菊千文字

 −2017年 第三次ネットワーククライシス

数々の事件で世界的に有名になった”The World”。

そのゲームの謎は前身”フラグメント”から続いていた。







****







AIというのは、本当に作成者のプログラム通りにしか動かないのだろうか?

俺はそうは思わない。

他人より自分の方がよく知っている。


 それは、俺がそうであるからだ。





****






 −このPCが、こいつが私の代わりだ。






 
 −勇者達の痕跡は、絶対に伝え継がなければならない。







 −たとえ私がいなくなったとしても・・・
 






(プレイヤー名、PC名を入力してください。)


PC名『ライト・エゼル』


名前:ban・・・






****



 −ん・・・?


全体に広がるオレンジ色の背景。

見たこともない物ばかりがそこらじゅうに散らばっていた。


 −いや、”見る”という行動自体、初めてなんだ・・・


手、言葉、人間、俺はそれらを見たことはないのに、俺は何故か知っていた。


 −あ・・・目の前に、誰かがいる・・・


男だ。彼は俺を見ている。


 
 −誰だろう・・・?


  それに、さっきから流れ込んでくるこのデータは・・・


”アウラ”、”ハロルド”、”モルガナ”、”The World”、

”カイト”、”八相”、”AI”・・・


手に入れた情報から、ここはThe WorldのPC作成画面。


 −ということは、俺は彼のPC・・・?

  この子供型PCが俺の体なのか・・・


  ん・・・いや、それだとおかしいことになる。

  もしそうだとしたら

  何故俺は彼を見れるんだ?

  リアルが存在しないとすると・・・俺は・・・

 
  NPC・・・AI!?


  !・・・なんだ、急に意識が・・・

  今寝たら、いつ、どこで俺は起きるんだ?

  彼は・・・俺を何のために創ったんだ・・・?







****




 −△サーバー とあるダンジョン




「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!!」



 (ズドォォン・・・)



 −う、うう・・・

  ? ここは何処だ・・・?

  か、体が・・・動かない・・・

  デ、データが破損してる!メッキが剥がれたように・・・

  だ、誰か・・・いないのか・・・?  助け・・・



「はぁ、はぁ・・・」


 −!?


「い、一体どうなっちゃったんだろうこれ・・・?」


ダンジョンに1人、女PCが駆けていた。
息を切らしながら何かを急いでいるようだ。


「と、とりあえずみなさんに連絡・・・   わっ!!

彼女は倒れている俺につまずき、その場にずっこけた。


「いったったった・・・何につまずいて・・・


  あっ!!人が倒れてる!!?」


倒れていた俺を発見した彼女。
俺は彼女に心配そうに抱き起こされた。

「だ、大丈夫!?どうしたの!?

 ! 何コレ!?データが壊れてる・・・

 ねぇ、大丈夫!?ねぇ!」

 
 −・・・・


「どう見ても大丈夫そうじゃない・・・
 どうしよう、どうしよう・・・」
 

この時俺は考えた。

彼女は何故”現実のように”こうも俺を心配しているのだろう。
The Worldはネットゲーム、
普通ならPCがどうなろうが傷ついたりしないと思うだろうと。


「ど、どこかに連れて行かなくちゃ・・・

 そうだ!”ぴろし3”なら何か知ってるかも。」

彼女は子供型PCの俺を抱きかかえ、
異変が起きているダンジョンを転送ゲート目がけて駆けてゆく。


「う・・うう・・・」

ここでようやく口が開けるようになった俺。

「!! 喋った!?ねぇ聞こえる!?」
「あ、うん・・・」
この時どうしてか迷惑をかけたくないという気持ちがよぎり
一応返事はしておいた。


「ふう〜・・・よかったぁ。今助けてあげるからね。」
 −・・・どっちみち同じ事か。
  こう心配ばかりされると何故か知らないけど照れくさくなるなぁ。

「あの・・・もう大丈夫だから・・・」
「そうだ、まだ名前聞いてなかったね。

 ボク、お名前は?」

子供扱いされていたが、それより気に掛かったのが自分の名前。

パソコン越しに居た彼が、俺の名付け親ということなのか。

これは、彼が俺にくれた名前。


「俺は・・・ライト・・・『ライト・エゼル』ゥ・・・」


名前を言い終わった直後に、視界がシャットアウトしてしまい、俺の意識が消える。

「えっ!ちょっと、また!?大丈夫!?ねぇ!?」
「・・・・」



この時がThe Worldでの俺の誕生だった。







 −Report:1"Write Ezer"(調査続行余地あり)


[No.1026] 2008/01/20(Sun) 21:11:55
Report:2"Keyaki" (No.1024への返信 / 1階層) - 菊千文字

「人は見かけによらない」という言葉を聞いたことはあるだろうか。

それとは多少異なるが、The Worldでは男性が女PCを、女性が男PCを使用しているケースが希にある。

しかし、”彼”の場合は何かが違っていた。






****






 −・・・どこだ?ここは・・・?

  確か・・・俺はダンジョンに落ちて・・・そこにあの・・・



 「おや?お目覚めですか?」



「!!」

何者かが俺の顔をのぞき込んできた。
それに驚いて飛び上がる。

それは俺と同じ子供型・・・PC。

「誰だ!俺に何をした!?」
「いやだなぁ、ただ君の体をちょっといじくって・・・」
「『いじくった』!?具体的に言え!体だと・・・?

 ・・・!!」

 −直って・・・る?

あの時に何かの衝撃で欠落していたボディのデータが、全て修復されていた。

 −こいつ、一体・・・?

「・・・一般PCじゃないな。何者なんだ、あんたは?」
「名前を聞くときはまず自分から。
 まだ習っていないんですか? そのお歳じゃ♪」
「こいつッ・・・!ガキなのはPCボディだけだ!
 それにお前だって・・・」

挑発的な発言に過剰反応してしまった。ここら辺が子供なのだろうか。
もう反発するのはやめて素直にその通りにした。

「ライト・・・『ライト・エゼル』だ。

 あんたの名前は?」

「『欅』です。以後お見知り置きを♪」

「『お見知り置きを』なんて言葉、見た目通りの歳じゃ使わないだろうな。ガキでもロールしてるのか?」

「さっきから僕のことを変人扱いですけど、君だって一般PCじゃないじゃないですか。」
「お前ッ、そんなことまで!?いつ調べ・・・ってさっき俺を『いじくって』か。」

欅、抜け目のない奴だ。

「・・・一応礼は言っておこう、ありがとう。」
「いえいえ、その代わりと言ったらなんですが・・・」
「?」
「君の目的を教えて下さい。なんで放浪AIがThe Worldにいるのかと思って・・・」

 −目的・・・?

答えられなかった。
急に聞かれたからではなく、聞かれるとまずかったことでもなく、
  
 −そうだ、俺は・・・何のために此処にいるんだ!?

目的そのものが、俺には分からなかった。


「やっぱり、思い出せませんか?」
「”やっぱり”だと・・・?」
「君の記憶のデータが半分以上欠落していたんです。」

欠落・・・あの時ダンジョンに落ちたときだっただろうか。

「おそらく、君はどうやって生まれたのかもわからないはず・・・」

「いや!覚えているぞ!俺は誰かに創られたんだ!
 あれは確かに人間だった!」
「ではその”誰か”とは?」

 −・・・! くっ、思い出せない・・・!

自分の事なのにわからない、それがこれほど不安になることだとは思わなかった。
自分が見えなくなるというのは、このことを言うのだろうか。


「俺は、これからどうすればいいんだ・・・?」
欅に聞いてもどうしようもないと返事が来るのはわかっていた。
ただ、自分に感じる不安や孤独感をまぎらわしたかった。

「! 彼女に会ってみれば何か分かるんじゃないですか?
 君をここまで運んできたのも彼女なんです。」

 −彼女?・・・

  ! ダンジョンにいたあの人・・・!

俺は誕生してから、すぐ女双剣士PCに出会い、
彼女に自分の名を告げた後、すぐ意識が飛んでしまった。

「たぶん今ギルドの@HOMEにいると・・・ってわかります?」
「大丈夫、The Worldの基本的な事は知ってるみたいだ。」

そう言った後、欅に彼女がいるギルドのキーを渡された。
何故持っているのかは聞かなかった。どうせハッキングでもしたのだろう。

「じゃ、もう行く。俺のことで何かわかったら連絡くれ。」

俺はそこを後にし、キルドへ向かった。





「なんだろう・・・あっちも単なるAIじゃない。
 何かありそうだ・・・」

欅が俺に疑問を抱いたのは、俺がその場を去った後。

なぜ俺がそのことをこのレポートに記すことができたのかは

欅の言う、”何か”によるものだった。






 −Report:2"Keyaki"(調査中断)






あとがき
前期終了(^^;)
書いてる場合じゃねぇ!って突っ込まれそうですけど。

う〜ん、なんか話が二の舞になりそうな予感。
そこは目を瞑ってください(汗
それでは。


[No.1032] 2008/02/05(Tue) 17:55:06
Report:3"Project G・U" (No.1024への返信 / 1階層) - 菊千文字

今までに数々の事件や怪奇現象を巻き起こしたThe World。

本来The Worldは人々との触れ合い、LV上げ、レアアイテムの採集などを目的としているはずだ。

彼らはそれを表した姿であろう。





****





「ここが・・・彼女のギルド・・・?」

俺を欅のところまで届けてくれた彼女が所属しているギルド。
広さや規模は普通の初期の@HOMEと変わりがないが、
何やらセンスのないデザインが施されていた。

「・・・いないのかな?」

現在土曜日の午後9時、ログインしてもおかしくはない時間だ。
リアルで都合があるのか、エリアにでも行っているのだろうか、
ただ偶然ログインしていないだけというのもあるが。


 「ぬぬ?誰かおるのか!?」


「ひっ!!?」

背後から男性の声、振り返ると黄金の鎧を纏った・・・何者かが。

彼女のギルドメンバーだろうか、センスはともかくこの空気。
当然アポイントメントもとっておらず、彼も何故俺がここにいるのかわからない。
俺がギルドキーを持っていることも知らないはず。
なんと言い訳をしていいのやら。

「あ、あの・・・このギルドにいる自分の知り合いに会いに・・・」
「知り合い?」
「えっと・・・」

 −そうだ、まだ彼女の名前を知らない・・・

ますます疑われる空気に、あらかじめ欅に聞いておくべきだった。
こんなところで通告され、正体がバレ、削除<デリート>されれば・・・

「あっ!!」

そこに再び救世主的な人物が。

「!! 君、あの時の・・・!」

緑色の髪、蝶の羽、印象的な糸目、間違いない、彼女だ。

「お主、”なつめ”の知り合いだったのか?」
「え!?ええ、まあ・・・」

『なつめ』、それが彼女の名前。

「あれから大丈夫だった?ひどく傷ついてたから・・・」
「ありがとう、おかげさまでこの通り。
 それよりここって・・・」

「ここは『Project G・U』。デザイン作りを目的としてるギルド。」

「私とこのなつめでThe Worldのデザイナーを担当している。」
エッヘンと腕を組んでいる彼の言葉に何かが引っかかった。

「え?The Worldの?」
「そう。この”ぴろし3”はCC社の社員なんだよ。」

 −!? CC社の社員!?

「ちょ、ちょっと耳貸して!」

マズイことになりそうだと感じた俺は
『ぴろし3』に聞こえないようになつめに小声で話しかける。

 (ねぇ、彼にはあの話は教えないでいてくれるかな・・・)
 (? あの話って君と初めて会ったときの?どうして?)
 (ワケは後で2人の時に話すから、ね?)

「ぬ?何をコソコソ話しておるのだ?」

「な、何でもないです!!」
「そうそう!何でもない何でもない!」
なつめが割と協力的であったのが幸いであった。

「そうか?ならいいのだが・・・
その言葉からぴろし3は考え込み、
何かひらめいたように手をポンと叩いた。

「そうだ!お主このギルドに入る気はないか!?」

「え・・・?」
「そうだよ!君も一緒に何かしてみない?」

この突然のギルドの誘い、俺みたいな勝手にHOMEに入るような不審者にそんなことをするだろうか。
あまりにも意外だったので少し黙り込んでしまった。

ギルド・・・別に入れない理由はない。
もしかしたら俺の存在目的がわかるキッカケになるかもしれない。


「・・・はい、よろしくお願いします。」


そして彼らに、了解の合図を。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!!

 これで我がギルドにも新たな人材がぁ!!」
「こちらこそよろしく。えっと、名前は・・・」

「ライト、『ライト・エゼル』。」
「うん。わたしは『なつめ』。」
「そしてこの私が『ぴろし3』であ〜る!!
 『3』の由来を知りたければ・・・」
「いや、遠慮しときます。長くなりそうなんで。」


俺、ライト・エゼル。
ギルド『Project G・U』に入団。





 −Report:3"Project G・U"(調査続行)








なつめやぴろし3がログアウトし、HOMEには俺1人となった。

俺はリアルが存在しないAI。しかし人間のように『寝る』という動作はする事ができる。

異変はその時起こった。



****



 −ん・・・?これが人間が見る『夢』なのか?
  
  
  ここは・・・ダンジョン?


  あそこにいるのは誰だ?


  ・・・なつめ・・・と、向こうには・・・俺か?


  夢にしてはやけにハッキリとしてるな・・・実際こんなものなのか?


   ・・・!!



  金曜日、午後8時・・・!?



  あの時と同じ時刻、



  夢じゃないのか?だとしたら・・・







あとがき
後期終了〜!!とんでもない夜更かし。
現在一時半・・・って日時みればわかりますか。

知らぬ間にルーキー達が!このスレが奥底に沈んじゃいましたよ!
みんなおもしろいものばかり。うらやましいです。

Link見ました。
もしかしたらライトの能力がトキオとかぶる予感が・・・!(汗


[No.1108] 2008/03/01(Sat) 01:31:42
Report:4"Again The World" (No.1024への返信 / 1階層) - 菊千文字

貴方はもし時を戻すことができたら、何をするだろうか?

間違った自分の道を正すか、それとも失った者を取り戻すか?

俺は・・・勇者達の消えた足跡を、書き残したい。






****






「・・・・!」

目が覚めると、目の前にはセンスのない絵画が。
ギルド『Project G・U』の@HOMEだ。

人間がリアルに存在するように、俺もThe Worldに存在するので、
疲労というものが増してゆく。
”寝る=機能停止”行動はそれを和らげてくれるようだ。

その寝るという行動に、不思議なものを見た。

 −今は・・・日曜日、午前8時・・・

人間も寝ている間に見るという『夢』、それは元々不思議なことだ。

気にすることはない、と思っていた矢先、


 (メールが届きました)


「? 誰だ・・・”欅”!?」

欅からの呼び出しメールが。そこには俺についてわかったことがあるという。

「適当な理由乗っけてまた何かする気じゃないだろうな・・・」

ある程度の見当はつけてから指定場所に向かった。





****




「おはようございます♪よく眠れましたか?」
「AIが眠るっていうのもなんかおかしいけどな。

 で、用件は?」

「えっとですね・・・言いにくいんですが・・・

 君の”から・・・」
「断る。」

先を見越してキッパリ切り捨てる俺。

「いやだなぁ、『君の”体”を調べさせて』なんて言ってないじゃないですか〜♪」

「言う気だったんじゃねえか!わかったことを言えばいいんだよ!」

「それが真実かどうか君を調べようとしてるんじゃないですか。」
「だが断る。」


「・・・仕方ありませんね。諦めます。」

 −? やけに物分かりがいいな・・・

「実は君に見せたい物があるんですよ。それが君の秘密の1つです。
 では後ろを向いて目を閉じてください。」
「どうして?」
「ビックリさせたいんでw」
「・・・そんなことはいいから早く見せてくれ。
 ホラ、目ェ瞑ったぞ。」

それが間違いだった。

「じゃあ歯を食いしばって下さいね♪」


 (ガンッ!)






****






「あ、あの野郎・・・強行手段に出やがった・・・!」

後ろから鈍器で殴られたような感覚が。まんまとやられた。

「それより・・・ここは一体・・・?」


目の前には、石造りの教会。見覚えがある。

 −グリーマ・レーヴ大聖堂!?

The Worldがフラグメントだった時代から存在したエリア、
ロストグラウンドの1つだ。

「・・・何か違うな、扉が半開きだし、転送ゲートがない・・・」



 「いやだ!!戦う理由がない!!」



 −!?

聖堂の中から声が聞こえた。扉から隠れて聖堂内を見てみる。

そこには翼の生えた剣士に、大剣を背負った少女、

そして、俺がよく知っている”赤い双剣士”が。


「抜け!剣を抜け!!」

「戦いたくない!僕はただ・・・!」


 −どういうことだ!?

  これは七年前の出来事のはず・・・



 「フフフ・・・そこのボウヤ、おもしろそうね・・・」



俺の思考を遮ぎり、天から降り注ぐように声が聞こえた。

「!? 誰だ・・・

 ・・・うっ!!」

頭に激痛が走る。

声の主を見る前に俺は意識を失ってしまった。


 





****





「・・・どうだよ、じっくり調べられたか?お・れ・を。」

「まあまあ、ふてくされないでくださいよ。
 あの後結局何もできなかったんですから。」

「? どうして?」

「君が気絶した瞬間にどこかへ消えちゃって、
 それでさっきまたここに現れたって訳です。

 もしかしたら本当に過去の世界に行ってるのかもしれませんね。」

「そうだなぁ・・・って

 な〜んでお前がそのこと知ってるんだ!?」

「それがわかったことです♪」
「・・・・」

人を小馬鹿にしているのか、もう何も言えなかった。

「・・・疲れた、ギルドに戻って一眠りしてくる。」
「また夢見て疲れちゃいますよ〜?」
「お前と一緒にいるより過去に吹っ飛ばされる方がマシだ!!」

俺は言葉を吐き捨ててこの場を後にした。




****




−『Project G・U』@HOME

欅からやっと解放された俺はため息をつきながら壁に腰掛け熟睡。

それからすぐにHOMEに入る者が。


 「あっ!いたいた!」


来たのはギルドメンバーの1人、なつめ。
どうやら彼女は俺を探していたらしい。

「・・・寝オチしちゃったのかな?まだこんな時間なのに−」


なつめが寝ている俺に触れた瞬間、
突然HOME全体に激しいノイズが走った。


「えっ、えっ!?何これ、どうなっちゃうの!!?」


騒音が鳴り響き、爆発音が立った後、やがてノイズも音もおさまった。



「おるのか2人共〜?さっそく作業を・・・」

そこに遅れてやってきたぴろし3。


「・・・まだ来ておらぬのか?」


ぴろし3が見たギルドのHOMEには、俺はおろか、なつめも、誰もいなかった。







 −Report:4"Again The World"(調査中)







あとがき
もうそろそろA.D. Vol.3でも始めようかなぁと思っています。
かけもちは流石に無理ですか。

.hack・・・新作でないかなぁ
公式掲示板が活気なくて寂しいです。


[No.1125] 2008/03/08(Sat) 20:32:30
Report:5"Natsume's Memory" (No.1024への返信 / 1階層) - 菊千文字

友人に隠し事はしたくない、しかし言いづらいということはないだろうか。

俺は信頼できる人物に対しても秘密を明かせられそうにない。

どっちにしろ、いずれ分かってしまう事だ。







****






「なんか、知ってそうで知らないような場所に来たな・・・」

また時が巻き戻ったのか、気づいたら見覚えのない所に。
街の中に川が流れていて、そこを中心に店舗が並んでいる。

PCのような者がいることから、これはThe Worldの可能性があるが、
現在のシステム、表示やらなにやらが全然異なっている。

この時代がいつなのかを調べようとした瞬間・・・


「ひゃあ!!」
「!!」


聞き覚えのある声がすぐそばで響いた。
その声の主は・・・


 「! なつめっ!!?」


そこにはしりもちをついているなつめの姿が。

「あれぇ?ライト、さっき寝てたはずじゃあ・・・?」
「どうしてここにいるんだ!?何があった!?」

「えっと・・・HOMEで寝てたライトを触ったらいきなり画面がザラザラして・・・」

聞くところによると、俺に触れたことが原因なのか、なつめまで時を戻ってきてしまったようだ。

初対面のときも疑われて当然な不自然さだったのに、余計やっかいなことになってきた。

自分の正体を問いつめられるのを覚悟したが、当のなつめは街を見たままボーッとしている。

「な、なつめ、どうしたの?」

 「『マク・アヌ』・・・」

なつめの口から△サーバーのルートタウンの名前が。

「ここが?『マク・アヌ』はもっと広くて−」

 「違う。 ”R:1”の『マク・アヌ』・・・」

「! ”R:1”!?」

そして俺はこの時代の年月を調べる。

 −今は・・・2010年!?7年も前だ!!

俺がタイムスリップしてきたのは、The Worldがまだ”R:1”だった時代。
現代より小じんまりした『マク・アヌ』であった。


「うわぁ〜!なつかし〜い!!ライト、前はこんな感じだったんだよ。」
「・・・・」
「? どうしたの?」
「いっ!いや、別に・・・」

俺の予想を反してこの状況について平然としているなつめ。

 −なつめって、案外気にしないタイプなのか?
  いや、これって気にしないレベルじゃ・・・

ますますなつめが分からなくなってきた。
自分について何も問いかけてこないし、疑問を持ったりもしない。

まるで、そのことが当然であるかのように。


すると、俺達の横を通る2人組のPCの会話が聞こえてきた。

−(さっき掲示板で質問してた娘、大丈夫かなぁ。)
−<あのエリア、初心者には結構キツイからな。
  何っていう双剣探してるんだっけ?>
−(えっと・・・あれだよ、スパイラルエッジだっけ?)


 「!? 『スパイラルエッジ』・・・!?」


その言葉を聞いたとたん、なつめの跳ねている髪がピーンと逆立った。

「ライト!『△激怒する 情熱の 旋律』に行こっ!!」
「えっ!?いきなりどうして・・・うわぁ!!」

なつめに引っ張られ、小柄な体が宙に浮かぶ。
カオスゲートらしき場所に着き、先ほどなつめが言っていたエリアワードに転送されていった。



****



「R:1は普通のフィールドとダンジョンが一緒になってて、
 ダンジョンはああいう建物にあるんだ。
 たしかあそこに・・・」

何か心当たりがあるのだろうか、ダンジョンに向かってゆくなつめ。

ダンジョンの前に着き、彼女は立ち止まった。何か発見でもしたのか。

俺も覗いてみると、建物の入り口から中が見え、

そこに2人のPCがいた。おそらくジョブは双剣士。

1人は赤い少年双剣士、

もう1人は緑の髪に、細い目のエディットがなされている少女PC。


「ねぇ、もしかしてあのPCって、7年前のなつめ・・・」


俺がなつめに問いかける。が、
なつめは2人を見たまま動かない。


 「カイト・・・さん・・・?」


なつめの声が聞こえたのか、赤い双剣士がこちらを振り向いた。


 −ま、まずいっ!!


俺がそう思ったとき、また頭に激痛が走り、目の前が真っ暗になった。
なつめもそこに頭を抱えてうずくまるのが見えた。

何故あの時突発的にそう思ったのかは不明。

 そして、時が元に戻る。






****






「どわっ!!いつの間におったのだ!?2人とも!?」

目が覚めてから早々ぴろし3の声。
無事ギルドHOMEに戻ってきたようだ。

「寝ボケておるのか、小娘。
 いい目をした人の夢でも見たのか?」
「夢・・・?そうだったのかな・・・?」

しゅんとしているなつめ。あの出来事が本当に彼女の中で夢で済まされてしまったらしい。

「あっ、ライト、起きてたんだ。」
「うっ、うん。なつめもどうしたの?寝オチ?」

「えっとね、昔の夢見てたんだ。

 R:1時代のThe Worldをしてたときに、
 初心者の私を手伝ってくれた優しい人がいて。
 年下でかっこよくて、少しかわいくて・・・

 名前は『カイト』さんって言うの。

 「体で払います!」とか、
 「付き合って下さい!」とかあの人に向かって言ってたなぁ、私w

 今は・・・何処にいるのか分からないけど。」

俺のデータにも記されている伝説のPC『蒼炎のカイト』、あの赤い双剣士。
やはりなつめはさっきの光景を夢と思っているようだ。


「なつめ、なつめが見たって言う夢は・・・その・・・」

「は〜あ、なんだか疲れちゃった。
 ぴろし3〜!今日はもう落ちま〜す!」
「え、ちょ、ちょっと・・・」
「じゃ、またね、ライト。」

俺の話を聞かず手を振りながらログアウトしてゆくなつめ。
なつめが去らなくても、俺は本当のことを切り出せなかっただろう。


俺の正体を伝えるべきか、伝えないべきか、どっちが正しいのだろうか。







 −Report:5"Natsume's Memory"(一部調査終了)







あとがき
なつめといえば珍名言で有名(?
Returnerのなつめが持っている風船といい、粘着ストーカーぶりが伺えます。
ツギハギに反応ナシなど偽者の区別もできてますしw

あと、本編とあまり関係ない題名ですいませんm(_ _)m


[No.1159] 2008/03/16(Sun) 21:29:16
Report:6"Sacrifice"part1 (No.1024への返信 / 1階層) - 菊千文字

 −△サーバー、ルートタウン『マク・アヌ』

俺は傭兵地区の裏路地に腰をかけていた。

「はぁ・・・何してればいいんだ俺は・・・」
一向に自分の目的も見つけられず、途方に暮れる。

木箱を壊すと出てくるチムチムを見ているうちに
俺もチムチムも同じNPCだと思った。

ただ違うのは、チムチムには”役割”がある。
チム玉を所持し、PCに蹴られ、その繰り返し。

俺にはそれがない。
もともとはあったのだろうが、それを失ってしまった。
探す宛もない俺は完全にエラーで発生した放浪AIと同じだ。

そう考えると、目的を持っているチムチムに劣等感を感じる。



 「えっと、次の報酬まで15人・・・か。」



ため息をついていたところに、階段の方から声が聞こえてきた。

軽装備な青年PCがクエスト専用NPCディンゴと話している。
あの装備からして双剣士か錬装士の1stフォームだろうか。


こっちの目線に気づいたらしく、彼は俺の方を向いた。

「? 何か?」
「あ、すいません。何も・・・」
ジロジロ見ているのが相手に不快に思われ、一応謝っておいた。
その後相手は、俺にこう言ってきた。

「そのチムチム、蹴らないのか?」

「え?」
「正確には『蹴ってあげないのか』だ。
 チムチムは蹴られなければ意味を成さない。
 蹴ってやらねば逆に失礼だ。」
「?」

そう言いながら青年PCは俺の頭にポンッと手を置く。
俺はチムチムの方を見ようとし、後ろを向いたが、

「あれ?チムチムが・・・?」

チムチムがその場から姿を消している。
初めは時間が経ったからだろうかと思った。

振り返ると、すでに彼はその場を去ろうとしていた

「そうでなければ邪魔なゴミ同然な存在になってしまうのだからな。

 お前のように。」

「何!?」
青年は角に曲がり駆けたときに俺にそう言い放った。
まるで俺を知っているかのような言いぐさで。

「ちょっと、待・・・!」
反射的に彼を追いかけ、階段を駆け上がった時、


「わぁ!!」
「うおっ!!」

 −(ドンッ!)

衝突音が鳴る。急いでいたせいか何者かにぶつかってしまった。

ぶつかった相手は幼い少年PC、黒いランドセルを背負っている。

「だ、大丈夫か!?」
「う、うん。だいじょうぶ・・・」
「悪い、今度会ったら何かアイテムでもプレゼントしてやるから、じゃあな!」

少年に謝り、すぐさまあの青年を探したが、
時間をロスし、見失ってしまった。

時間といえば前の報告書<レポート>にも述べたが、
そう便利に使えるものでもなく、戻せる時間は自分では決められないので
今の状況では全く役に立たない。


 (メールが届きました)

と、そこにメールの着信音が。
内容は・・・

送信者 シン

『△脈動する 光琳の 行楽地

 ちなみにお前のアドレスは頭に触れたときに調べさせてもらった。』

エリアワードに一言書いてあるだけの知らない者からのメール。
しかし書いてある内容からさきほどの男であるのは読みとれた。

「『シン』ってさっきの男の名前なのか?
 それにこのワードは・・・?」

わざわざエリアワードを載せたメールを渡してくるとは、
来いという無言の知らせだろう。

迷わず俺はカオスゲートに向かった。

今思うと、何故あんな丁度いいタイミングで物事が起こるのかを
疑わなかったのが不思議である。



****



シンという男に導かれたかのように
△脈動する 光琳の 行楽地に着いた。ダンジョンである。

彼の姿は見あたらず、先にいるのかと思った俺は
奥にある一室のような空間に入った。

するとそこの入り口が厚い壁によって塞がれてしまう。

これはその空間内でチム玉を集め、上納する事によってロックが解除されると言う
The Worldの仕組みの1つである。


ところが、何か様子がおかしい。
モンスターが一匹もいなければ、仕掛けの1つのスイッチを押してもチムチムが出てこない。
チム玉も必要個数持っていない俺は完全に閉じこめられてしまった。

「オイオイ、まさか罠ってわけじゃあ・・・」



すると、扉の隙間から何かが入り込んできていた。

液体のような、個体のような、泡のような、断定出来ないような
黒い物体が次々と出現している。

「何だ、コレ!?
 こ、こっちに近づいてくるッ!?」

直感でマズイと感じた俺は扉から距離を置く。

しかしその黒い物体は他の扉からも現れ、
周りから中央に向かって囲まれてしまった。

 −バグか!?こんなものは初めて見たぞ!?

「くっ、マズイ!!」



そう思った瞬間に、俺が羽織っているコートから
まるで黒い手のようなものが何本も一斉に現れ、伸びてゆき、
そのバグの塊を捕らえた。


 −!!? な、何なんだ!?この黒い手・・・!?


自分の腹部から放たれた物に動揺し、息を飲んだ。

やがてバグの塊は黒い手と共に俺のコートの中へと引きずりこまれてゆく。


バリバリ、とかみ砕くような音が微かに聞こえてくる。


「・・・・


 ・・・・


 ・・・はぁ・・・」


何事も無かったかのような情景を見て、脱力してしまい、
しばらくその場にペタンと座り込んでいた。







 −Next"Sacrifice"part2







あとがき
想像力が試されるような感じになりました。
って単に表現力がないだけ何ですけど(笑
黒い手とありますが
AIDA<anna>みたいな形です。

オリジナルキャラのネーミングには突っ込まないでくださいw
ちゃんと法則性がありますんで。


[No.1175] 2008/03/24(Mon) 15:39:41
Report:6"Sacrifice"part2 (No.1024への返信 / 1階層) - 菊千文字

「あははw
 お腹から腕が出てくるなんて怪談話そうそう無いですよ〜♪」
「てめぇ・・・!
 他人事だと思いやがって・・・」

ダンジョンから戻ってきた俺は真っ先に欅の元へ行った。
先ほどの出来事のことを問いただすために。

「お前じゃないのか!?
 俺を『いじくった』ついでに改造でもしやがったんだろ!!」
「変人扱いの次は悪者扱いですか。
 そんなことしてませんって。」

ヘラヘラ笑っている欅にいちいち腹が立つが、
それよりも気になったことが。

「ん?欅、
 何か背ェ低くなってない?」

「え?違いますよぉ〜♪
 君が大きくなってるんです。」

前までは欅の鼻あたりの背の高さだったはずが、
いつの間にか欅の背を追い越していたのだ。

「なんで・・・
 エディットでもし直したり、改造された覚えはないぞ?
 リアルじゃあるまいし、寝ているうちに成長なんてことあるわけ・・・」

「でも人間みたいに”食べる”ことはしましたよね?」

「”食べる”・・・?
 お前、アレのこと言ってるのか?あの黒い物体のどこが食べ物だよ。」
「でもバリバリムシャムシャ鳴ってたんでしょ?」
「実際ムシャムシャなんて音ないからな。」

欅の言っている”食べる”ことが成長に繋がっているのかは不明だが、
時を戻すことといい、かなり現実離れしていて信じられない。

俺を造ったのは確かに人だった。
人にそんなものが造れるとは思えない。


だとしたら、怪しいのはあの『シン』という男か?

俺をダンジョンにわざわざ呼び出したのは、
おそらく奴が俺のことを知っているからだろう。

「欅、俺の事についてと・・・
 ついでに『シン』っていうPCについても調べてくれないか。」
「了解しましたぁ〜。
 謎のPCと君の捕食についてですね♪」
「捕食って・・・
 まぁよろしく頼むわ。」

そして俺はルートタウンへと戻っていった。


「はは、声変わりまでしてる・・・」






****






あの後俺は『Project G・U』@HOMEに戻った。

例の事はなつめやぴろし3に知られてはならない。
ぴろし3のようなCC社の社員に目を付けられればひとたまりもない。


「ライト!ライトォ〜!!」
「あっ!?な、なつめっ・・・!」

普段通りと心がけていたが、突然現れたなつめに動揺してしまう。

「どうしたの?お腹抱えて・・・?」
「あ、いや、今日ちょっと朝ご飯食べてなくて・・・あはは・・・」

 −こ、これじゃ逆に怪しいじゃねえか・・・!!

「そう?ちゃんと食べなきゃダメだよ?

 あ、ライト!これ、プレゼント!!」

「ん?双剣・・・?」

なつめがプレゼントといって俺にくれたのはひとつの双剣。
それもレア度が5である。

「いいの?こんな高価な双剣もらっちゃって・・・」
「遠慮しないの。
 私だって初心者のころはあの人にいろいろもらっちゃってたんだから。」

「・・・あ、ありがとう・・・」
「こちらこそw
 じゃあちょっとぴろし3のところに行ってるね。」

そう言ってなつめは部屋の一室に向かっていった。

今更だが俺のジョブは練装士<マルチウェポン>となっている。
表面上は。

もらった双剣をしまおうとした、その時だった。



「・・・ん・・・!?」

手にかかる力。握っている双剣がひとりでに動くように感じた。

それは双剣が引いているのではなく、双剣自体が引っ張られていた。
絡め取るように伸びている黒い触手を見た。

「なっ!!コイツ、また!!」

徐々に力が入り、抵抗するが、なかなか掴んで離れようとしない。

後から出てきたもう一本の手に腕を弾かれ、
そのまま双剣をもって行かれてしまった。

自分の体なので飲み込まれたか飲み込んだかはよくわからないが、
そんなことはどうでもよかった。

バグデータ、ましてやただの双剣まで捕食する始末。
あの消えたチムチムのことが思い出される。


(メールが届きました)

送信者 CC社

『おめでとうございます。ライト・エゼル様。
 貴方は「ワードゲッターキャンペーン」に見事当選致しました。
 貴方様にエリアワードを贈呈致します。

 △隠されし 禁断の 祭壇                  』

「は?『ワードゲッターキャンペーン』?
 何だそれ?」

「う〜ん・・・私も聞いたことないや。」
「そう、

 ・・・ってうわっ!!?なつめ、いつの間に!!?」
「え?たった今だけど。」

なつめの表情は至って平然としている。
あの黒い手のことは見られていないようで安心した。

「で、それって当たったの?
 い〜な〜、うらやましぃ〜。」
なつめの顔に書かれているように見えた文字は
 「一緒に連れていって」

「な、なつめ。
 な〜んか嫌な予感がプンプンす・・・」
「だぁ〜いじょ〜ぶだって!!
 CC社から来たメールなんだから!
 早く行こ行こ♪」
「ちょ・・・まだ行くっていってな・・・!」
無理矢理俺を引っ張ってゆくなつめ。あの黒い手より強引だ。


良いのか悪いのか、俺のカンというのは当たるらしい。

早速、嫌な予感が的中した。
 




 −Next"part3"







あとがき&お詫び(え

宴六段さん。
黒い手という表現、かぶってしまいました。申し訳ございません(T_T)
あ、こっちの黒い手はおそらくそちらのとは違う物質のことなので。
・・・これからも何かアドバイスくださいm(_ _)m


おそらくここからややこしくなると思います。
設定にも手を入れないと、最近サボり気味ですw


[No.1184] 2008/03/26(Wed) 21:28:09
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