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No.1348に関するツリー

   .hack//Magic Girl - オメガ - 2012/07/20(Fri) 00:41:40 [No.1348]
プロローグ - オメガ - 2012/07/20(Fri) 00:42:01 [No.1349]
第一話 出会い(1) - オメガ - 2012/07/20(Fri) 00:47:35 [No.1350]
第二話 出会い(2) - オメガ - 2012/07/20(Fri) 00:48:47 [No.1351]
第三話 出会い(3) - オメガ - 2012/07/20(Fri) 00:49:36 [No.1352]
第四話 グランホエール - オメガ - 2012/07/20(Fri) 00:53:49 [No.1354]
第五話 蒼天対烈火 - オメガ - 2012/07/20(Fri) 00:55:31 [No.1356]
第六話 金剛対鉄槌 - オメガ - 2012/07/20(Fri) 00:56:59 [No.1358]
第七話 罪人・T - オメガ - 2012/07/20(Fri) 00:58:24 [No.1360]



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.hack//Magic Girl (親記事) - オメガ

前書き時軸的にはStrikerS サウンドステージXの1年半後なっています。

.hackのキャラも全員ゲームのキャラじゃなくてThe Worldの姿が生

身の肉体となっています。

また、アウラも女神やAIではなく人で.hackのキャラの統率者となっています。


[No.1348] 2012/07/20(Fri) 00:41:40
プロローグ (No.1348への返信 / 1階層) - オメガ

第250管理外世界ラーン・バティ
「うわぁぁぁ!」
 一人の局員が叫び声共に意識を失った。
「……」
「ひっ、ひぃぃぃぃ」
 襲撃者は無言で別の局員に近づいて行った。
「あぁぁぁ!」
 そして断末魔とも共に意識を失った。

 第一世界ミッドチルダ・管理局
「うふ、これで全部ね」
 フェイトは書類の整理を終え席を立ち戸棚まで歩いた。
「そろそろかな。エリオとキャロが来るの」
 フェイトは戸棚からクッキーとカップを並べ時計を確認し、ご機嫌な笑顔を浮かべた。
 数日前まで、事件の調査や事故処理などが重なり二人とは会うどころから連絡すらままならかった。
「失礼します」
「フェイトさん、お久さしぶりです」
 すると、扉が開きエリオとキャロが入ってきた。
 エリオはStrikerS サウンドステージXときよりもまた背が伸びていたが、キャロは若干背は伸びている用だがあまり外見に変化はない。
「ん、どしたの、キャロ?」
「急に天井を仰ぎ見て?」
「いえ、何か今ものすごく失礼な事断言された気がしたんですけど、気のせいですよね」
 鋭いなぁ、普段はわりと天然入ってるのに。
 と言うかモノローグに反応しないでください。
「そう言えば、今ヴィヴィオってフェイトさんの家にいるんですよね?」
「えぇ、今、なのは任務で別の世界にいるから、この間から私の方で預かる事になったんだ」
 エリオの質問にフェイトはここ最近の仕事の忙しさから苦笑いを浮かべた。
「確か、第250管理外世界ラーン・バティってところの遺跡の調査チームの護衛でしたよね」
「うん、まぁ、正確にはなのはは、ユーノ目当てだけどね」
「あの二人の仲も進展するといいですね」
「そうね。と言うか、単にユーノが鈍感過ぎるってことも原因の一つなんだけどね。と言うかユーノもう少し自分の気持ちを自覚してすればいいんだけどね」
 ここで説明すると、この作品ではなのはは、あの手この手でアプローチかけているが見事にユーノが気付いていないのと言うが現状である。
 自分の気持ちにもなのはの気持ちにも……
そんな会話しているとフェイトのバルディッシュに急に通信が入った。
「はやてから? 何だろう?」
「フェイトちゃん、今大丈夫かな? あぁ、来客中かいな」
 フェイトが通信に出るとはやては、エリオとキャロを見てつばが悪そうな顔をした。
「えっと、急ぎの用事なら僕らの席をはずしましょうか?」
 エリオとキャロが席をはずそうとしたが、
「いや、二人にも関係ある事だからはずさんといて」
 はやては二人を呼び止めた。
「「僕(私)たちにも?」」
 それを聞いたエリオとキャロは再び席に着いた。
「さっき、言いにくいやけど……さっきクロノ君から、連絡があってな。ラーン・バティの調整隊から連絡が途絶えてな。クロノ君の部隊が調査に行ったんだけ全員意識不明の重体で見つかったんや。……なのはちゃんとユーノ君が行方不明な状態で」
 はやては、申し上げにくそうにそう告げた。
 それを聞いた3人は衝撃のあまり固まった。
 そして、フェイトはカップを落とした。
 その音で3人とも我に返った。
「それ、本当なの?」
「うちやクロノ君だって、こんなこと状態で言いたくないわ! それにきちんと映像が待ってきるんや!」
 フェイトの事のはやては反論し、調査隊が倒れている映像を映した。
「ひどいっ!」
「……ッ!」
 それを見たエリオは犯人への怒りで顔をしかめ、キャロは顔を青くし再び絶句した。
「そんでな、六課を再編して私達で手掛かりを探すことになったんや。今、クロノ君やうちの子たちが、他メンバーに連絡しているんや」
 はやては、そう言うと通信をきった。
 そのさい「幾ら、フェイトちゃんに言いにくいからってうちに頼む何って……怨むで。クロノ君」とはやてが、ぼそっと言ったのが聞き取れた。

 数時間後、第250管理外世界ラーン・バティにて赤い服にそう剣を持った青年に、白い服に双銃をもった少年に、真っ黒い和服に同じく扇をもった白い少年より少し背が高めの少年に、全員の中では1番背が高い真っ白い髪に真っ白い鎧を着て刀を持った青年が立っていた。
「ここが、最近AIDAの反応のあったエリアか」
 と赤い服の青年が言うと、
「あぁ、八咫(やた)が言うにはそうらしいぜ」
 白い少年が少し悪態をついた感じでそう言った。
「と言うか、痛みの森はないだろ? なぁ、相棒」
 黒髪の少年が面倒くさそうに、刀を持った青年に声をかけると
「……別にどうでもいい」
 相棒と呼ばれた刀を持った青年は静かにそう答えた。
「二人共そんなこと言わないでよ。これも僕達の仕事なんだから」
 赤い服の青年は二人の言葉を聞いて苦笑いを浮かべながら、遺跡の中へと他の3人の戦闘になる形で入っていった。


[No.1349] 2012/07/20(Fri) 00:42:01
第一話 出会い(1) (No.1349への返信 / 2階層) - オメガ

第250管理外世界ラーン・バティ

幾つも次元世界の中にある世界の無人世界の一つ。

100階まで造られた神殿は森に酷似しており、原住生物は強く極めて危険。


        管理局無人世界調査報告書より




黄昏の騎士団が現れる数時間前

 フェイトとはやては、旧六課FWメンバーとクロノ、ギンガ、アギト、N2Rと共にラーン・バティ前までクラウディアから転送してたいた。

(ここが、なのは達がいなくなった場所)

「あっ、こら! フェイト!」

 クロノの制止を無視して一人ラーン・バティの中へと入って言った。

「ったく、なのは達が心配なのは、ここにいる全員だと言うのに……しょうがないエリオ、キャロ、二人は僕と同行してくれ」

「「はい」」

「はやて、残り指揮を頼めるか?」

「ましといていなぁ。これでも、六課の元部隊長やで」

「そうか。頼む」

 はやての言葉を聞いたクロノはエリオ、キャロの二名を連れてフェイトの追跡を開始した。

「いやぁ、それにしても、クロノ君しっかりお兄ちゃんしてるなぁ」

『今は、そんな事言ってる場合じゃないだろ!』

 はやてが、にやつきながら、そんな事をつぶやくと念話でクロノが突っ込んで来た。

 そんなクロノの念話にはやては『別に照れへんでもいいやないか』と返した。

「そんじゃ、元スターズのメンバーはうちと一階から五十階を探索。ギンガとアギト、N2Rはシグナムの指揮の元に残りの半分を頼むわ。そう言う事で、シグナム頼むわ」

「了解しました。我が主」

 はやての指揮のもと二手に分かれ捜索を開始した。

 そして、現在、視点を黄昏の騎士団に映します。

「カイト、どう思う?」

「うん、ハセヲの予測どうりだと思うよ」

 双銃を持った少年”ハセヲ”に呼びかけられた赤い双剣を持った青年”カイト”はあたりを見回し、頷(うなず)いた。

『武、氷牙(ひょうが)、そっちはどう?』

 そして、念話で別の部屋を調査させていた黒い扇を持った少年”武”と白い刀を持った青年”氷牙”に呼びかけた。

『何か、戦闘を行ったあとありです。団長』

『……しかもわりと最近』

『そう。二人とも戻ってきて』

『りょーかい』

『……了解』

 カイトは武と氷牙の答えを聞くと二人を呼び戻し念話をきった。

「やっぱり、間違いないよ。僕達以外の誰かがここにいる」

「マジッすか?」

「あぁ、間違いないだろ。ったく、危険だから立ち入り禁止にしているのにいったいどこのバカだよ」

「はぁ、たださえ危険だと言うのに」

 自分達と武達の調べたエリアの映像を見てカイトを断言し、武はわざとらしい驚きを見せ、ハセヲと氷牙は呆れていた。

「まぁ、まずここにいる人たちを見つけて避難してもらう。ヘルバ、どこにいるか察知できる?」

『えぇ、もうやっているし、完了しているわ』

「相変わらず早いな」

 カイトが通信を入れると白い帽子で顔を隠した長い金髪の女性”ヘルバ”はそう答え、ハセヲその仕事の速さに呆れていた。

『どうやら、三つのチームにわかれているみたいね。最悪ね』

「どうしたんですか?」

『最下層にAIDA反応あり、しかも最下層にいるチームの一人感染してるわ。しかも、残り2チームの進行方向にウィルスバグ反応あり』

 ヘルバに全員顔をしかめた。

「ヘルバ! ブラックローズ、八咫を僕と一緒に下の階層のウィルスバグの所にシューゴを武と氷牙と一緒にシューゴをウィルスバグの所にアトリちゃんとクーンをハセヲと一緒にAIDAの所に直に転送できる?」

『えぇ、わかったわ。すぐに準備するわ。パイ、ヴァイン、欅(けやき)、ビト手伝って』

 カイトの言葉を聞いたヘルバをヘルバは転送準備を開始した。

「皆」

「「「「「夕暮れ龍の加護が我々にあらん事を」」」」」

 全員向き合いそう言うとそいうと同時に青い輪に一斉にカイトの言った目的地に転送されたいった。

 はやてside

「アイゼン」

 ヴィータは眼前に鉄球を複数並べ、

『シュワルベフリーゲン』

「ぶち抜けぇぇぇ!」

 目の前にいる緑の鱗に包まれた黒い巨人に向けて撃つ

 ドン!

 全弾命中した。

『ふぉぉぉぉぉ!』

 が、黒い巨人には全く言っていいほどダメージを与えらていなかった。

「嘘だろ」

『ふぉぉぉぉぉ!』

 驚くヴィータに黒い巨人は手を振りおろそうしたが、

「ファントムブレイザー!」

「ディヴァイン・バスター!」

 背後からティアとスバル攻撃を加え注意をそらした。

 が、これを大したダメージになっていなかった。

「嘘でしょ」

「これも全然効いてない」

「二人とも、どいてぇ! ラグナロク!」

 驚く2人にはやては後退をするように言いラグナロク・バスターの発射態勢に入り、

「バスター!」

 放った。

 ドーーーーン

 轟音とともに黒い巨人に命中した。

『ふぉぉぉぉぉ!』

 だが、やはり黒い巨人は健在していた。

「嘘やろ」

 その光景を見たはやて達は唖然としていた。

「おいおい、冥王の影って何の嫌がらせだよ。なぁ、シューゴ、相棒」

「まぁ、そう言うなって」

「……団長とやるよりかマシだろ」

「確かに」

 武が目の前にいるウィルスバグと化した冥王の影に悪態をつくと、カイトとよく似た腕に金色の腕輪し、服装に若干違いがある少年”シューゴ”と氷牙は苦笑いを浮かべた。

「ちょっ、君達、いったい何やってるん? ここは危険やから「危険だから、退避してください」なっ!?」

 避難させようとするはやて達にそう告げるとシューゴ達はそれぞれの武器(デバイス)を構えた。

「それじゃ、俺と相棒とクロスする。シューゴとどめ頼むぜ」

「あぁ、わかった」

 シューゴが頷くと武と氷牙は駆けだし、

「「クロス・レンゲキ!!」」

『『クロス・レンゲキ!!』』

 二人とデバイスが叫ぶと同時に武が扇ではたき、

 氷牙が刀剣で斬り、

 また、はたき、

 斬り、

 連続で二人は続け、

「さぁ、」
 
 武は後に周り魔力を雷の球体に変え集束させ、

「全てを」

 氷牙は前に周り魔力を冷気の球体に変え集束させ、

「「失えぇぇぇ!!」」

 放った。

 ドォーーーン!

『ふぉぉぉぉ!』

 冥王の影は直撃を受け緑の球体を包み砕けた。

「これで終わりだ!」

 シューゴは腕輪を構え勢いよく輝いた。

「なんや、これ、あの腕輪から、凄い魔力が……」

 はやては腕輪から出ている魔力を見て驚いていた。

「データ・ドレイン!」

 腕輪から光が放たれ、冥王の影に直撃した。

『ふぉぉぉぉ!』

 直撃を受けた緑の鱗が消え冥王の影は力なく倒れた。

「嘘やろ」

 それを見たはやて達は唖然としていた。

「さてと黄昏の騎士団、シューゴ」

「同じく武」

「同じく氷牙」

「ここには立ち入り禁止の勧告出ているはだけど、あなた達はなんの目的でここにいるんですか?」

 三人ともやや警戒しながらはやて達に武器を構え名乗り尋ねた。

「うちの時空管理局の八神はやてって言います。この子達は……」

 はやてがシューゴ達の警戒をとくために武装を解除して名乗ると、ヴィータ達も武装解除し、

「ヴィータだ」

「スバル・ナカジマだよ」

「ティアナ・ランスターよ」

「うちらがここに来たのは先日仲間が意識不明になって2人ほど行方不明になったから手掛かり探しに来たんや」

 名乗り目的を言った。

「仲間が意識不明!? 『これって未帰還者だよな?』」

『あぁ、多分そうだろ。一応、団長達のところに案内するか?』

『……そうだな。彼女達が言う事が正しければ先日のAIDA反応と関わりがあるんだろうな』

 はやての言葉を聞いた3人は念話で放し合い彼女達をカイトのもとに連れていく事にした。

「そうですか。なら、着いて来て下さい。多分、俺達がここを来た理由と関係があるので」

 シューゴがそうはやて達にそう告げると3人とも奥へと進み始めた。

『どうする? はやて』

『うーん、彼らが嘘をついてるようにには見えなかったしたしついて行こうか』

『ちょっ、本気ですか?』

『はい、私も賛成です』

 はやての答えを聞いたティアは驚きスバルはすぐに賛成した。

『確かに、彼らがなにもんかはわからへんけど、ここは情報手に入れるためにがまんしてぇな』

『そうですね。ここは少しでもなのはさん達の情報を手に入れるためですもんね』

 はやての言葉にティアはしぶしぶ納得してシューゴ達につて行く事にした。

 はやて達がそんな会話をしている頃シューゴ達は

「それにしても、お前さぁ、敬語似合わな過ぎだろ」

「…違和感ありすぎだな」

「うっ、うるさいな。気にしてるんだよ」

 そんな砕け会話をしていた。


[No.1350] 2012/07/20(Fri) 00:47:35
第二話 出会い(2) (No.1350への返信 / 3階層) - オメガ

 クロノside
「やめろ! フェイト、僕達がわからないのか?」

「はぁぁぁぁ!」

『プラズマランサー』

 クロノの呼びかけを無視し雷の槍の発射態勢に入り、

「はぁっ!」

 放った。

 目の前で自身に応戦して来るクロノではなく突然フェイトが襲ってきた事に驚き固まっていたエリオとキャロを標的にして。

(頼む間にあってくれ!)

 それを見たクロノはエリオとキャロのもとに走り出した。

 ズドーーーーン!!

『プロテクション!』

「まっ、間に合ったか」

 間一髪で間に合ったが、

「……クロノさん」

「大丈夫だ」

「でも、血が」

「少し防ぎらなかっただけだ」

 防ぎきれず額から血が流れていた。

(どうなっているだ? フェイトの魔力の限定はとけていないはずだ? それになんだ? 黒い泡は?)

 クロノはフェイトが纏(まと)っている黒い泡を凝視した。

「撃ち抜け!」

 フェイトが構えると魔法陣が展開されガシャン!ガシャン!と言う音ともにバルディッシュから薬莢(やっきょう)が落ち、

「雷神《らいじん)!」

 バルディッシュから出た光の剣を降りおろした。

『プロテクション』

「(っく、防ぎきれないか。なら、せめて……)エリオ! キャロを連れて逃げろ!」 

 ビシビシビシッ

 とっさにクロノは障壁を放ったがどんどん押されてひびが入ってきていた。

「でも、それじゃクロノさんが……」

「いいから早くしろ! 僕達じゃ、今のフェイトには勝てない!」

 躊躇(ためら)うキャロにクロノが強く言うと、

「ごめん、キャロ」

『ソニック「その必要はねぇよ」』

 エリオはキャロ抱えて移動しようとしたが、白い少年と黄色い青年が両サイドを横切った。

 ハセヲside

「行くぞ! クーン!」

「おう!」 

「「クロスレンゲキ!」」

『『クロスレンゲキ!』』

 クロノ達の横を横切ったハセヲと黄色い銃戦士の青年”クーン”は自分の武器に魔力を込め、

「「くらえぇぇぇ!」」

 ごぉぉぉぉぉ!

 雷刃を両サイドで挟みこむ形で放ち砕き、

「こいつで……」

「終(しま)いだぁぁぁぁ!」

 さらに出力を上げフェイトに向けて放った。

 ドーン!

 轟音とともにフェイトに直撃した。

「フェイト!」

「「フェイトさん!」」

 その光景を見た3人は叫んだ。

「はぁぁぁぁぁ!」

 多少のダメージを負っているがフェイトは健在であった。

「ッチ。大したダメージにはなってないか」

「はあぁぁぁぁ!」

「いや、むしろやくなってないかぁ?」

 フェイトが纏っている黒い泡が大量ふきだし、

「はぁぁぁぁ!」

 フェイトを包み込みカラスのような巨大な化物に変えた。

「Victorianか。また、やっかいなのが……アトリ、クーン、そいつらを頼む!」

「はい」

「わかった」

 ハセヲの言葉を聞いた後に控えていた緑の呪療士の少女”アトリ”とクーンはクロノ達を守るように前に出た。

 ポーン

「いいぜ…来い…来いよ」

 ハセヲの体に赤い模様が浮かび上がり、

「俺はここにいる。スケェェェェィス!」

 光に包まれた。

「なんだ。この凄まじい魔力は……」

 莫大な魔力の増大ともに光は消滅した。

「なんだ!? これ……」

「白い……」

「……死神」

 光の消滅ともにハセヲの姿はなくその代り光の大鎌を持った背中に八本の剣を翼の様に背負った巨大な白い死神がいた。

「見えているんですか? 憑神(アバター)が?」

「あぁ、しっかりと」

 3人の言葉聞いたアトリが尋ねるとクロノは頷き答えた。 

「なってことだ。ここまで、AIDAの浸食が進んでいるのか」

 クロノの答えを聞いたクーンは苦いかを浮かべた。

「行くぜ!」

 スケィス(ハセヲ)は八本の剣を飛ばした。

「はぁぁぁぁ!」

「うらぁぁぁ!」

 こちらに突っ込んでくるフェイトに大鎌を振りかざし、

 ザン! ザン! ザン!

 斬撃を連続でぶつけた。

『失いたくない』

 その瞬間スケィスの頭の中に女性が奈落へと落ちていく映像が流れ込んで来た。

(これはこいつの心か)

 スケィスは頭の中に流れ込んで来た映像を何か理解した。

『失いたくない……母さんの様に、なのはも、はやても、クロノも、ユーノも、エリオも、キャロも……誰も失いたくない』

 ハセヲは突っ込んでくるフェイトを腕ではじきさらに流れ込んで来た映像を見た。

「それが、あんたの想いか。あんたの過去になにがあったのかはよく知らないけど、あんたが刃を向けたのが誰なのか。わかっているのか!?」

『失いたくない……誰も失いたくない。誰も、誰も、誰も、誰も』

「ッチ、聞こえてねぇか。だったら……」

 スケィスは呼びかけるがフェイトはAIDA浸食によりまるで聞こえてない。

「直接届けてやるよ。あんたの心になぁぁぁ!」

 ダン! ダン! ダン!

 スケィスは8本の剣、そして大鎌を持ってない腕から球体を放ち、

「あぁぁぁぁぁ!」

 8本の剣と球体を受けたフェイトは動きを止めた。

「だあぁぁぁ!」

 ザン! ザン! ザン! シュン!

 スケィスは動きを止まったフェイトを大鎌で斬り、一度距離をとり鎌から光のチャクラムを放ちぶつけた。

 パリーン!

 そして、フェイトを緑の球体を包み砕けた。

 スケィスの腕に砲台の様な物が出現し、

「目ぇ……」

 ドーン

 光の固まりフェイトをぶつけた。

 バッ! ダ! ダ! ダ!

 その瞬間8本剣が砲台の周りに立った。

「覚ましやがれぇぇぇ!」

 そして、カラスのような巨大な化物を吸収して行った。

「あぁぁぁぁ!」

 もとの姿にフェイトに戻り彼女が纏っていた黒い泡が消滅した。

 そのままフェイトは力なく倒れた。

「ふう」

 ハセヲはもとの姿に戻りゆっくりと地面に着地した。

「ハセヲさん」

「彼女についていたAIDAは?」

「完全に除去したよ」

 駆け寄って来るアトリとクーンにそう言いクロノ達の方へ見て

「おい、もう、そいつについていた。AIDAは取り除いたからもう近づいても大丈夫だぞ」

 フェイトがもう大丈夫である事を告げた。

「あぁ、そうか」

 クロノはそっけない態度で答えるがエリオ達ともに気を失っているフェイトのもとへ駆け足で向かった。

 やはり、兄である分クロノも二人同様かなり心配していたようだ。

「クロノ……私は……?」

 フェイトは頭をおさえながら起き上がった。

 いつものフェイトであった。

「あの、妹を助けてくれてありがとう。この場をいる物を代表して礼を言うよ。僕は時空管理局提督クロノ・ハラオウン」

「私はフェイト・T・ハラオウン。さっきは助けてくれてありがとう」

「僕はエリオ・モンディアルです」

「私はキャロ・ル・ルシエって、言います」

「「フェイトさんを助けてくれてありがとうございます」」

 フェイト達はハセヲに感謝の言葉言った。

「別に大したことはしてねぇよ。俺は黄昏の騎士団所属、死の恐怖、ハセヲだ」

 礼を言われたハセヲは照れくさそうに目線をそらしながら自身の名前を名乗った。

「私はアトリです。ハセヲと同じ黄昏の騎士団に所属しています」

「俺はクーン。二人と同じ黄昏の騎士団に所属してる。ところで……」

 続けてアトリとクーンは名乗り、

「お嬢さん、今度一緒に「ブレイズ・キャノン」あぁぁぁぁ!」

 クーンはフェイトナンパしようとしたがクロノに吹き飛ばされた。

「ところで、フェイトにとり憑いていたあの泡みたいと君のあの力はなんだい?」

 クロノは何事もなかったように尋ねた。

「AIDAと憑神のことか? それなら、これから上で俺の仲間と合流するけど。それからいいか?」

「あぁ、ちゃんと説明してくるなら、それでも構わないよ」

 ハセヲの提案をクロノは受け入れた。

「そんじゃ、行くか」

「はい」

 ハセヲが上の階に向かって歩き出すとアトリは元気よく返事をした。

「あのー、いつになったら回復してくるれの?」

 ただ一人を忘れて……

おまけ

 数分後

「あっ!?」

「どうしたの、ハセヲ?」

 急に声をあげたハセヲにフェイトが尋ねると

「クーン、忘れた」

 引きつった顔で答えた。

「そう言えば、さっき吹き飛ばされていた事忘れていました」

 ハセヲの言葉を聞きアトリもハッとした顔をした。

「クーンさんって、さっきクロノさんに吹き飛ばされた人ですよね?」

「あぁ、そうだ。ちょっと回収してくるからそこで待ってくれ。行くぞ、アトリ」

「はい、ハセヲさん」

 エリオに質問に答えるとハセヲはアトリ共に来た道を引き返し行った。


[No.1351] 2012/07/20(Fri) 00:48:47
第三話 出会い(3) (No.1351への返信 / 4階層) - オメガ

 カイトside

「どうやら、接触前に間に会ったみたいだね」

 カイトは目の前に居るウィルスバグを眺めていた。

「そうだけど」

 露出が多く角の生えた褐色の女性”ブラックローズ”は苦笑いを浮かべ、

「まさか、死せるザワンとは」

 眼鏡をかけた男性”八咫”は眼鏡をくいっと上げた。

「皆、一気に決めるよ!」

「えぇ!」

「わかった」

「「「武獣覚醒(ぶじゅうかくせい)!」」」

 3人が叫ぶとオレンジのオーラに包まれた。


 シグナムside

「これは、急激な魔力の上昇!」

「全員、オーバーSクラス!」

「いや、ギンガ、まだまだ上がっているぞ」

 チンクの言葉に全員衝撃を受けた。

 ここに来る途中感じた魔力はせいぜいB〜A+程度の魔力それが一瞬で爆発的に増大して、自分達や下手をすれば他の仲間達を超える魔力にまで跳ね上がっているのだから。

(何だ。この違和感はあたし達ユニゾンデバイスに近いような。でも、なんか違う)

 アギトは一人、急激な魔力の増大に違和感を感じていた。

「どうした? アギト」

「いや、なんでも……何か凄くこの魔力増大、ユニゾンに近いけど何かが違くて凄く違和感を感じるんだ。何かが違うんだ」

「そうかなら、ますます急がなくてわな」

 アギトの答えを聞いたシグナムはさらに速度を上げた。

「あっ、ちょっと待って下さいよ。シグナムさん」

「チンク姉ぇ、ディエチ、ウェンディ、先行っている」

「わかった」

「了解」

「了解っス」

 シグナムを追いかけるためにギンガとノーヴェは速度を上げた。

 パリーン!

「何だ? これは……」

 シグナムかけつた頃には戦闘最終局面に入っており巨大な竜に緑の球体に包まれ砕けた。

「カイト」

「あとは、任せたぞ」

 そう言うと褐色の女性と眼鏡の男性は後にがり、

「わかった。行くよ、双牙(そうが)」

『オーライ、アーチェリーフォーム』

 双剣を持った青年が前に出てデバイスの柄を合わせに弓矢の形にした。

 バッ!

 そして、青年に腕輪が展開し砲台となりデバイス一体化した。

『魔力上昇だと!』

『でも、さっきのとは違うタイプだ』

 さらに青年の魔力が増大した。

 だが、アギト曰く系統としては別のものらしい。

「はぁぁぁぁぁ! データァァァ・ドレイン!」

『データ・ドレイン!』

 青年は飛び上がり砲台に光の固まり消息させ、

 ドーン!

 龍を包んでいた緑の鱗を吸収した。

 そして、龍は力なく倒れた。

「ふうっ」

 青年が着地する同時に包んでいたオーラが消え全員の魔力が一気にもとのレベルまで低下しだした。

「シグナムさーん」

「やっと、追いついたって……何だこれ!?」

 シグナムに追いついたギンガとノーヴェあたりの状況と魔力の低下具合に驚いていた。 

『これシグナムさんがやったんですか?』

『いや、私は何もしてない。全部彼らだけでやったんだ』

『あんだけ、バカデカイ龍をたった三人で?』

『あぁ、只者ではないな』

 シグナム達は彼らを見て関心と驚きを見せていた。

 その時、龍は起き上がり三人に襲いかかろうとしていた。

「お前達、あぶなっ……て、いねぇ」

 アギトが声をかけようとした時には三人とも既に龍の前には居なかった。

「行くわよ。ヘブン!」

『yes,my Lady』

 いつの間にか褐色の女性は右に

「行くぞ。闇烏」

『サー』

 眼鏡の男性は左に移動していた。

「初伝・鎧断」

「バクドーン!」

 褐色の女性は龍を貫き、眼鏡の男性は炎の玉が落下させた。

「三蒼(さんそう)炎痕(えんこん)」

『ツンブレードフォーム』

 そして、青年が龍の頭上まで移動しデバイスは三つの刃のある禍々し形をした双剣となり蒼炎をまとった。

「やっと、追いつ……」

 ザシュッ! ザシュッ! ザシュッ!

 龍に三爪痕をつけた。

 龍は人の声帯では上げらない叫び声をあげ完全に息を引き取った。

 その光景を見たシグナム達も追いついたチンク達も言葉を失った。

 カイトside

「えっと、僕は黄昏の騎士団団長、蒼炎のカイトです」

「私は副団長のブラックローズ」

「八咫。主に情報の収集をしてる」

「ここは、立ち入り禁止の勧告出ているはだけど、あなた達はどうしてここに?」

 カイト達はデバイスをリリースし自己紹介をしてシグナム達に声をかけた。

「えっ、あぁ、私は時空理局の烈火の将シグナム一等空尉だ」

「同じく烈火の剣精アギト一等空士」

「同じく時空理局陸士108部隊所属ギンガ・ナカジマ捜査官です。この子達の1番上の姉です」

「チンク・ナカジマ。時空理局N2Rのリーダーで上から3番目の姉だ」

「ノーヴェ・ナカジマ。チンク姉ぇと同じ、N2Rの一員だ」

「ディエチ・ナカジマ。同じくN2R一員です」

「ウェンディ・ナカジマっス。N2R一員で1番末っ子っス」

 カイト達の声でシグナム達は我に返った。

『っで、どうする。思わず名のちゃったけど?』

『ふむ、敵意がないのはわかったが、黄昏の騎士団か。聞いたこともない組織だな』

 アギトの念話での質問にシグナムは難しい顔で答えた。

『心配あらへんよ』

『どうやら、ミットチルダとは別系統に進歩してして組織された調査団らしい』

 はやてとクロノが念話でそう伝えハセヲやシューゴ達共にやってきた。

「僕はクロノ・ハロウオンだ。僕達は先日、ここを調査をしていた仲間が意識不明の重体と二名ほど行方不明になっているんだ」

「うちは、八神はやてや。そんでここを調査にしきたんや」

 クロノとはやてが前に来て事情を話した。

「それで、君達合流したら事情を話してもらえると聞いたんだが」

「まさか、これ程の大人数になるなんてなぁ」

「これなら、落ちつける場所が必要だな。……そうだ! ヘルバ、ここにいる全員、グランホエールに転送できる?」

『えぇ、可能よ』

 カイトが通信れるとヘルバは即答した。

「それじゃあ、全員、僕達の船グランホエールに案内します」

 カイトがそう言うと全員光の輪っかに包まれ転送された。


[No.1352] 2012/07/20(Fri) 00:49:36
第四話 グランホエール (No.1352への返信 / 5階層) - オメガ

―――グランホエール・転送ポータル―――

「何て言うか、大きな船やな」

「管理局の船にもここまで大きい船はないよ」

 黄昏の騎士団に転送されたフェイト達は彼らの船”グランホエール”巨大さに目を丸くしている。

「そうかな? いつも乗ってるからあまり実感ないなぁ」

「まぁ、大きいんじゃない? 実質、黄昏の騎士団乗ってるし」

 既にバリアジャケットを解除したカイトとブラックローズは実感がなそうな顔をした。

「って、いつの間に?」

「と言うか全員解除してる!?」

「別に戦闘区域じゃないし、バリアジャケットでいる必要はねぇだろ」

「だから、皆さんも解除してもいいんじゃいですか? いつまでも、その格好だと窮屈ですし」

 今時の高校生が着ているような服になっていたハセヲとアトリがフェイト達にもバリアジャケットの解除を進めた。

「えっ、あぁ、そうだな。それにしても君達は何で私服?」

「まぁ、騎士団って言ってもわりとうちは規則は緩いからね」

「そうそう、だから基本式典とかパーティとか公の場でもバリアジャケットだし」

 クロノの疑問に武とシューゴが答えた。

 こちらの二人は既に寛ぎモードに入っていた。

「ところで、お嬢さん方話が終わったら「何してるかな? クーン君」」

 シャキーン!

 クーンが先程フェイトは吹き飛ばされたので、対象外であるキャロとエリオをナンパしようとした瞬間刀剣が背後から首元に突き付けられた。

「ミッ、ミナセ」

 クーンの背後で刀剣を突き付けたのは茶色短髪に緑のヘアバンドをした女性であった。

 クーンに”ミナセ”と呼ばれた女性は笑顔だが何か凄い黒いオーラを背負っていた。

「ちょっと、お話ようか」

「はっ、はい」

「では、団長私達はこれで失礼します」

 ミナセはクーンを引きずって去っていった。

 そのオーラに管理局メンバーは呆気にとられていたが騎士団メンバーは呆れていた。

 まるで、いつもの事であるように。

「今のは人は?」

「あの人はミナセって言ってクーンの彼女みたいな人かな」

 チンクの質問にカイトは苦笑いを浮かべてか答えた。

「みたいな。って、随分とあいまいな表現やな」

「まぁ、あの二人の場合は何て説明していいのかわからねぇんだよ」

「いいんじゃ、ないですか。あれはあれでバランスが取れますし」

 はやての質問に対るすハセヲとアトリの答えに「それは君達にも言えることだろ」と八咫は小さくつぶやいた。

 それを聞いたフェイトはアトリに嫉妬を込めた視線で突き付けた。

「……」

 視線に気づいたのかアトリは一度フェイトを見てハセヲにさら近寄った。

「……ッ!」

 それを見たフェイトに衝撃やら嫉妬やらいろいろな物を押しかかって来た。

 フェイトとアトリに間にある火花(?)を感じ取った騎士団は「またか」と言う顔をし、義兄であるクロノは複雑顔をしていた。

「AIDAの事を説明をするのは食堂で良いかな?」

「あっ、あぁ、説明してくれるなら別に僕らはどこでも(それにしても、これは兄として応援するべきなのか? それとも諦めるように言うべきなのか?)」

 カイトの言葉で我に還ったがクロノは未だに複雑な顔をしていた。

「ところで、グランホエールって、何でそん名前になったんだ?」

「あぁ、クジラの形のしてるからじゃねぇ?」

「安易だな」

「俺達に言わないでくれ、設計した人に言ってくれ」

「今、休暇中だけど」

 ヴィータの質問に武と氷牙がため息交じり答えた。



 ―――グランホエール・食堂―――

「まず、僕達は黒い泡の事をAIDA、緑の鱗に包まれたモンスターの事をウィルスバクって呼んでる」

 カイト達はサンプル画像を映し出し説明を開始した。

「「間(あいだ)」」

「「いや、AIDAだから」」

 スバルとノーヴェのあからさまのボケにティアナとチンクがツッコンだ。

「オホン、説明続行しよう。AIDAは人に強い興味を持っている。そして、AIDAに人に取り憑き、人の感情を増幅させる」

 八咫が咳ばらいをし、サンプル画像を切り替えた。 

 そこには先程のフェイト同様に黒い泡に取り憑かれた人間が大量に移し出された。

 そこにはアトリやここに向かう途中廊下です違った人間も何人かいた。

「特にその中でも怒り憎しみ、悲しみ、不安と言った感情を強く増大させる」

「簡単に言ってしまえば、自分にとって消したい程憎い相手がいたらその人はその相手に消しに行くのよ」

 次のサンプル画像に切り替わり黒い泡が吹き出ている緑の髪の男がハセヲと戦っている映像が映し出された。

「そんなのやられる前に返り討ちにすればいいじゃないっスか」

「それができれば、苦労はしないよ」

 ウェンディの言葉はすぐに武に否定され、

「それに、あんた達ではあれは駆除できん」

「「んだとぉ!」」

 さらに氷牙がつけ加えるとノーヴェとヴィータが立ち上がり怒鳴った。

「落ち着け二人とも! なぜ我々では駆除できないと断言できる?」

 シグナムは二人をなだめ理由を尋ねた。

「AIDAには俺とカイトの腕輪や、ハセヲやアトリちゃん達が碑文が持つデータドレインしか効かないんだよ」

 シューゴが理由を答えると先程はハセヲがなった死神他にもアトリやクーン、八咫がそれぞれ8体と変身前の姿と隣り合わせでカイトとシューゴ達腕輪所持者と一緒に映し出せれた。

 ただし、腕輪所持者覧は顔は出されず後姿で映し出されていた。

「そして、AIDAに感染した人間によって倒された人間はみんな意識不明者、僕達は彼を未帰還者と呼んでいる」

 カイトの言葉によって全てつながり二つの答え浮かび出た。

 1つは局員達の意識不明の原因はこれになのはかユーノが感染し、他の局員達を襲いそして、そのままの状態でどちらか去り片方はそれを単独で追っている。

 もう一つは二人とも感染し行方をくらませた。

 という実にわかりやすくシンプルな二つの答えだ。

「それで、AIDAが人じゃなくてモンスターに感染した状態をウィルスバクと言うんだ。これ説明は以上だけど、何か質問あるかな?」

「じゃあ、一つだけ後ろ向きに映った所持者はなんだ?」

「あぁ、彼らか、彼らは一人はもうこの世にいなくてもう一人は殆んどの能力を失っているんだ」

 アギトの質問にカイトは少し悲しそうな目で答えた。

 それを聞いたアギトは「ごめん」と小さくつぶやいた。

「いいよ。知らなかったんだから。それより、この一件は君達じゃ、手に追えない。僕達に任せて手を引いてくれないかな」

「ちょっと、待ってくれ! 感染したのは僕らの友人なんだ。引いてくと言って、簡単に引ける訳ないだろ」

 カイトの言葉にクロノはすぐに抗議に出た。

 無論、他の管理局メンバーも誰ひとり納得しない。

「……」

「”……”じゃないつーの。あんた団長なんだから、しっかりしなさい」

 困った顔で黙るカイトを隣に座っていたブラックローズは小突いた。

「うーん、しょうがない。僕ら騎士団のメンバーと君達で勝負をしよう、それ君達が勝ったら君達と捜査をする。ただし、僕らが勝った大人しく引き下がってもらうよ」

 カイトは少し考えてから真剣な顔でそう提案した。

「……わかった。その提案を受け入れる」

 一度クロノは念話で全員の意思を確認しカイトの提案を受け入れた。


[No.1354] 2012/07/20(Fri) 00:53:49
第五話 蒼天対烈火 (No.1354への返信 / 6階層) - オメガ

 ―――グランホエール・模擬戦会場―――

 パッ!

「あ〜〜、マイクテスト、マイクテスト、後の人聞こえますかぁ?」

 スポットライトを当てらた武は手に持っていたマイクのテストを開始した。

 というか、どんなマイクテストだよ!

 「後の人聞こえますかぁ?」って!

「え〜、では、では、急遽始まった黄昏の騎士団対時空管理局第一戦はこれだぁ!!」

 武は勢い良く叫ぶと映像に白髪の美青年と、シグナムが映された。

「黄昏の騎士団、蒼天のバルクムンク参る」

『Xhフォーム』

 バルムンクが名乗りを上げると白と金を基調とした白い四枚の翼が生えた鎧と鎧と同じカラーリング聖剣と言わん形をした剣が手握られていた。

 外見からしてジョブは斬刀士であろう。

「時空管理局所属、ヴォルケンリッターの烈火の将 剣の騎士シグナム一等空尉参る!」

 こちらもいつも騎士甲冑を纏う。



 ―――グランホエール・模擬戦控室―――

「オルカはどっちが勝つと思う」

「うーん、バルムンクの実力はよく知っているが相手の実力がわからんな?」

 カイトの問いに大柄の男性”オルカ”は難しい顔をした。

「んなもん、シグナムに決まってるだろ! おっさん!」

 オルカの答えたに納得がいかないと言うより、先程の氷牙の言葉を引きずっているのか怒鳴りちらした。

「おっさんって、これでもカイト同い年何だが」

「嘘ぉ!」

 オルカの言葉にヴィータは声を荒げて驚いてた。

 もっとも、驚いているのは彼女のだけではなく、この場にいる時空管理局の面々全員であった。

 それを見たオルカは「俺ってそんなに老けて見えるかなぁ」と肩を落として落ち込んでいた。

 誰にもコンプレックスの一つはあるがこれは彼の一つであった。

「ほっ、ほら、オルカは体格いいからそう見えるだよ」

「いいよ、いつもの事だから」

 カイトは必死にフォローするがオルカは「はぁ」とため息をはいた。

 その瞬間に場の空気は重くなりヴィータに向ける視線は冷たいものだった。

「それより、そろそろ決着が着くみたいですよ」

 爽(さわ)やかだが、腹が黒そうな一見その手人に受けそうな美少年がモニターを指差した。



 ちょっと、時を戻して模擬戦会場。

「はぁ!」

 ガン!

「たぁ!」

 ギン!

「だぁぁぁぁ!」

 ギィィィン!

 二人の剣はぶつかり合あい躓(つまづ)りあった。

「カイトの言うとおり君達はこの一件から手を引くべきだ」

「何!?」

「AIDAに撮り憑かれた人間が君らの知り合いならなおさらだ!」

 ガン!

 バルムンクは勢いよくシグナムを弾きとばした。

「くっ、何故? そんな事を言える?」

「あぁ、言えるさ。かつて、AIDAの感染者やそれを駆除していたカイト達の力の異能性から悪と決め付けていたを、何度も忠告し俺を仲間して認められ今ここにいる俺らだから言える事だ!」

「なっ!」

 ザン!

 バルムンクは目にもとまらないスピードで一撃だが大きなダメージを与えていた。

「(くっ、魔力量から見て油断していた。今の一撃非殺傷じゃなければ私は死んでいた)だが、二度目は……」

 ザン!

 シグナムは目を丸くしながらもレヴァンティを構えなおしたがまた一撃バルムンクは入れていた。

「そして事の結末がこの力と……」

 ザン! ザン! ザン!

「仲間(カイトの親友)の命と仲間(3本目腕輪所持者)の力の大半だと言う……」

 ザン! ザン! ザン!

 バルムンクはシグナムに一撃もあたえずどんどん斬撃を入れ言った。

「そこかぁ!」

 スカ!

 シグナムは眼前にいるバルムンクへレヴァンティ振りかざしたそこには彼はいないかった。

「ざっ、残像!?」

「なんとも虚しい結果だったからなぁ!」

「うわぁぁぁぁ!」

 ドォォォォン!

 バルムンクの凄まじい一撃がシグナムに入り地面へ叩きつけた。

「……」

 地面に叩きつけられたシグナムは力なく倒れていた。

「勝者! バルムンク!」

 その光景を見た武は声高々と宣言した。



 ―――グランホエール・模擬戦控室―――
 
「嘘だろ。シグナムが負けた」

 管理局メンバー全員、その光景を見て固まっていた。

 あのシグナムが一撃も当てる事なく敗退しているのだから。

「言い忘れていたけど、僕達には魔力は関係ないよ。僕らはにとって重要なのは戦略と経験だから。やり方次第で自分の全員自分の魔力を上回る相手を倒せるよ」

 カイトのその言葉に全員背筋が凍りついた。

 この場は全員にあったわずかながらあった魔力量が上と言う余裕を消し去ったのだから。

 何せその光景を見せられているのだから。

 そうこれは自慢でもない。

 厳然たる事実としてあるのだから。


[No.1356] 2012/07/20(Fri) 00:55:31
第六話 金剛対鉄槌 (No.1356への返信 / 7階層) - オメガ

―――グランホエール・模擬戦場―――

「続けて第二回戦はこの二人だぁ!」

 武が叫ぶ同時に黒い長髪の青年とヴィータが転送されてきた。

「時空管理局所属、ヴォルケンリッターの鉄槌の騎士、ヴィータ二等空尉行くぜぇ」

 ヴィータは声高らかに宣言したのに対し、

「黄昏の騎士団、金剛のガルム……元・ミッドの魔導師だ」

『Xhフォーム』

 ガルムと言う青年は静かに、いや、むしろ殺意や憎悪に近い感じの声色でそう告げた。

 そのまま彼は白銀のプレートの基調をした鎧(プレートメイル)に身を包み、両腕には護拳が装備された。

 装備からして彼のジョブは拳術士だ。

「今、お前「はぁ!」……がっ!」

 ガルムはヴィータの言葉の途中で彼女に勢いよく蹴りを入れ壁にぶつけた。

 普段のヴィータなら避ける事ができたが今の彼女にはある事が頭を占めていた。

一つは彼の言った「元・ミッドの魔導師」と言う言葉、自分に向けられた憎悪……そして、彼の容姿である。

(あいつ、どこかで見た事がある……でもどこだ?)

 そう、ヴィータは彼もしくは彼に良く似人物をどこかで見た事がある。

 でも、どこだか思い出せない。

 だから、必死に記憶の糸を手繰り寄せる。

 ――グランホエール・模擬戦控室――

「何で、ミッドの魔導師が!?」

「知らないわよ」

「でも、彼のジャケットどこか一般隊員を似てない」

「えっ、あっ、あぁ」

「どうしたの? クロノぼうっとして」

「いや、なんでもない(あの動き、いや、しかし彼なのか)」

 管理局メンバーは騒然としていた。

 ただ一人、クロノを除き。

(ふふっ、気付いているのだろ? クロノ)

 突然クロノに念話が流れ込んで来た。

(君か、凰花)

 クロノは念話からの魔力をたどり念話の主の方へと視線移した。

 そこには短い髪の胸の大きな女性だこちら見つめて立っていた。

(君がいると言う事は彼はやはり)

(君の父の部下にして闇の書事件の死者の一人フェンリルの弟、ガルムだ)

 別の人物が念話に割り込み答えた。

 今度は男性だ。

 もっとも、こちらも聞き覚えがある。

(オーディン、君もいたのか)

(あぁ、まっ、もとも俺だけじゃないぜ。よく周りを見てみな!)

 クロノは声の主(オーディン)の言うとおりあちらこちらクロノの見覚えの顔があった。 

(なるほど、ヴォルケンリッターに実刑を求めた面々か。しかも、父さんの部下達か)

(まぁな。お前もわかっているだろ。俺達はお前と違って彼女達を決して許さない!)

 声の主はそれだけ言うと念話一方的にきった。

 ――グランホエール・模擬戦会場――

「うらぁぁぁぁ」

 先程の打って変わり今度は一方的に押していた。

「こんなものじゃ……こんものじゃ……」

 ガルムは防御しながら小さくだが、ヴィータに聞こえる声で呟いた。

「こんなものじゃねぇ。兄さんが、お前らに収集されて死んでった連中の痛みはぁ!」

 そして、全員に聞こえる声叫びながら殴り飛ばした。

(思い出した……そうだ。こいつの姿、あの時の、はやての前の持ち主の時、あたしが収集して殺した奴にそっくりなんだ)

 ヴィータは彼が誰に似ていたのか。

 死ぬ直前に何を言ったのか。

 そう「弟に……週末休暇……魔法を教えてやるって……だから、俺は負けれないし、こんな所で……死ねない!」とそう自分に言った事を。

 今、ここに立っている。

「お前はあの時の奴の言っていた」

「そう、弟だ。あんたが殺したフェンリルのなぁ!」

 ガルムは拳を再び構え叫んだ。

 ――グランホエール・模擬戦控室――

「これを聞いてどう思う? 坊主(クロノ)」

 ガルムの叫びを聞き全員が固まっている中30ちょいくらいの男がクロノが声をかけた。 

「彼女達にも事情があったのは君らも知っているだ。それのに彼女達に復讐をするのはただの私怨だぞ。オーディン」

「あぁ、確かに私怨だ。だけどなぁ、被害者やその遺族や友人にとってはなぁ。加害者の都合なんって知ったこったじゃねぇんだよ!」

 クロノの答えにオーディンは明確な怒りを現した。

「それに加害者の都合だけを容認していたら、被害者やその遺族、友人達の怒りはどこにぶつければいい? ただ、耐えろと言うのか? ぶつけどころのない怒りをもって永遠に」

 オーディンの言葉に繋げるように凰花は冷たく尋ねた。 

「……ッ!」

 それを聞いたクロノは完全に黙り込んでしまった。

 彼女達の納得いく解を見つける事が出来ず。

 ――グランホエール・模擬戦会場――

「だから、俺らはあんた達に対する実刑を求め続けた! だが、管理局が下した決断は保護観察だった!言わばあんた達を守る方向へと言った! その瞬間俺らはミッドに、管理局に、絶望し、そして、法(ルール)は所詮法でしか無くて決して正義じゃない事を理解した!」

「……!」

 ガルムは怒り任せにそして力任せにヴィータを殴り、蹴り、連続で攻撃を入れ続けた。

 その攻撃を避けるどころか防御すらしようとなかった。

 むしろそんな気力さえ起きなった。

 だって、彼の怒りも憎しみもどう考えて当り前の物なのだから。

 理由はどうあれ自分は彼の兄を殺したのだから。

 いや、むしろそれよりも酷い事をした。

 はやてやなのは、自分達のせいで父を失ったクロノが当たり前に接してくれているうちに忘れていた。いや、記憶の隅へ追いやっていたのだから、自分の罪も自分が殺してきたしまった彼の兄やそれ以外の者達の事を。

 なにより、保護観察になり管理局勤めになった時自分は、はやてにしか謝らなかった。彼らには謝らなかったむしろこうなった事が他の……なのは達以外被害者にどれだけの絶望を与え心を傷付けたのかを。

 だから、当然の罰なのだ。そして、改めて自覚する自分は罪人で犯した罪は許されず一生自分について来るものだと。

 なにより、自分を守った法は彼の言うとおり決して正義ではない!

「だから、俺はミッドを捨てたっ!」

『ムーン・クラッシュ!』

 ガルムはその言葉共にヴィータを上と一度蹴りあげ、自身も回転しながら飛び上がり、一度追い越しヴィータを地面がめがけて地面を蹴り落とした。

「……ッ!」

 無気力状態になったヴィータはなのもせず地面に叩きつけられた。

「まだだ。まだ、終わりじゃない」

 着地したガルムは勢いよく拳をヴィータに振り降ろそうとしたが、

「そこまでだよ。ガルム、もう勝負はついている」

 その寸前でカイトが双剣で受け止めていた。

「カイト!」

「それ以上はいくらなんでもやり過ぎだ。これは模擬戦であって殺し合いじゃないんだよ。これ以上やるな僕が……」

「チッ、わかったよ。やめるよ」

 カイトの言葉にガルムはしぶしぶ拳をおさめた。

「それは良かった。審判、試合終了の号令を!」

「えっ、あぁ、はい、しょ、勝者ガルム!」

 カイトの行動に呆気にとられていた武は我に返り慌てて宣言した。


[No.1358] 2012/07/20(Fri) 00:56:59
第七話 罪人・T (No.1358への返信 / 8階層) - オメガ

グランホエール・控え室

 カイト、ヴィータ、ガルムの三人が、控え室へと、転送されてきた。

 三者三様に、その表情はバラバラであった。

 カイトは無表情な顔で、ヴィータはズタボロにされながらも、どこか申し訳なさそうな顔をしていた。

 そして、ガルムはそんなヴィータに対して強い怒りと、憎しみを向けていた。

「ヴィータ!」

 はやては、慌ててヴィータに駆け寄る。

「貴様ぁ! よくもヴィータを!」

 はやてと別にシグナムは、明確な怒りをガルムに怒りを示す。

 ガルムはそれを動じる事もなく目も合わせることもなく、去ろうとする。

 そんな彼の態度に仲間を、家族を傷つけられた彼女の怒りは爆発的に燃え上がり、殴りかかろうとするが……

「やめくれっ!」

 ヴィータが、シグナムの腕を掴み止める

「いいんだ! あたしが……あたしが悪い」

 そのまま力なくシグナムにヴィータは告げる。

「ッ!」

 それを聞いた彼女は腕をおろす。

 その光景を見た瞬間、管理局側は全員が黙り込む。

「……これが、僕達が君達と組めない理由の一つだ」

 そんな空気の中、カイトは少し暗い口調で告げる。

 それを聞いた瞬間……

「なんでや! その分、償なったはずや!」

 はやては、癇癪(かんしゃく)を起こしながら、叫ぶ!

「だから、許せと言うのか!! 友や家族の……大切な人の仇を! 世界は貴様らの都合で動くと思うな! 小娘!」

 そんなはやてに対してオーディンは怒りと憎しみを持って反論する。

 その怒りの対象ははやてだけは無く、彼女たちの都合を優先した管理局にも向けられたものだろう。

「……それに、組めない理由の一つと言うことは、あんた、うちらの最初から知って……知って組ませたんやろ!」

 彼ら(ひかがいしゃ)に対して反論が不可能と知ってはやては、矛先をカイトへと変える。

 彼はそれに対して無言で頷く。

 そう、カイトは、ガルムの事情を……ヴィータ達、ヴォルケンリッター怒りを持っている事を知っていたのだ。

「許さへん!」

 それを見たはやては、騎士甲冑を展開してカイトに怒りを向ける。

「許さへんって、罪人には罰を別に不思議な事じゃないだろ!」

『3フォーム』

 やや呆れ顔をし赤髪の少年がはやてとカイトの間に入る。

 唐突(とうとつ)に割って入きた少年に対して管理局陣営は、困惑する。

「武、転送」

 そんな中、赤髪の少年が告げると、彼ともにはやてが転送される。

「えっと、何かとトラブルがあったみみたいですけど、第三回戦……」

 二人を模擬戦場に転送した武は困惑気味にアナウンスを開始した。

「罪人には罰をって、うちらは償いをしたはずや!」

「はん、甘いだろ。あんたらの組織が!」

 露骨にはやては、怒りを少年にぶつけが、少年は挑発した口調で話す。

「なんや、あんた! 何も……荷も知らない癖に!」

「確かにあんた達の事情は知らないな。でも、罪人には罰を、それはわかるんだよ。俺の場合は……」

 はやての言葉に対して少年は少し間を空けて……

「黄昏の騎士団・ブレイズ。俺も罪人だからな」

 護拳を装備し、告げると、そのまま構える。


[No.1360] 2012/07/20(Fri) 00:58:24
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