ダンッダンッ 「くそっ、何故なんだ。やれる事はすべてやった。なのに、何であいつ等の意識は戻らないんだ!!俺は、これから何をすれば良いんだ!!」 それからしばらく、机を叩く音が部屋に響いていた。 「思えば、あの事件さえ無ければこんな事にはならなかった」
そう、それは二ヶ月前のこと… その日はいつもと何等変わりの無い一日だった。 ある、一つの事を除いて…
俺は、いつもの様にログインし、仲の良い二人のPCと一緒にレベル上げのため、ダンジョンに行った。 しかし、今日は二人の様子が少しおかしかった。 なんと、PCボディに黒い斑点の様なものが付いていたのだ。 しかし、俺は殆ど気にしなかった。 『何かのバグだろう』と、鷹をくくっていたからだ。 俺たち三人は、順調にダンジョンを進んでいき、遂に獣神殿に到着した。 そして、宝箱を開けようとした瞬間、『ポーン』という甲高い音が聞こえた。 何だろうかと思い、音の鳴った方向を見てみると、蒼炎を纏ったPCがそこに立っていた。 そして、次の瞬間、俺の仲間に向かって手を向けると、腕から光線の様なものを放った。 しかも立て続けに二発。 それをまともに受けた俺の仲間は、無惨にもデータ片となって、やがて消えていった。
「俺は、見ていること以外何も出来なかった。そして、あいつらはあれ以来意識不明。俺は、やれる事は全てやった。BBSに書き込みをしたり、人に聞いて回ったりもした。有名になるためにアリーナのチャンピオンにもなった。時にはPKだってした!!なのに情報は集まらない!!俺は…どうすればいいんだ…」 しばらくの間、音の無い時間が続いた。 「今日はもう遅い、そろそろ寝よう」 そう言い残すとベッドの中に倒れこんだ。
――――――メールが届きました――――――
第一話 完
と、いうような感じで第一話終了です。 シリアス書くの初めてだったのですが、如何でしたでしょうか? もし良ければ、感想スレにて感想をお聞かせ下さい。 ここまで読んで頂きありがとうございました。
[No.157] 2007/02/26(Mon) 02:54:06 |