[
リストに戻る
]
No.299に関するツリー
.hack//L.G.U.2
- 蒼 -
2007/03/03(Sat) 22:49:21
[No.299]
└
.hack//L.G.U.1〜4章
- 蒼 -
2007/07/11(Wed) 22:58:41
[No.832]
└
Re: .hack//L.G.U.2
- 蒼 -
2007/07/09(Mon) 22:45:46
[No.824]
└
.hack//L.G.U. 17章 対峙1
- 蒼 -
2007/04/06(Fri) 22:39:32
[No.559]
└
.hack//L.G.U. 16章 VSボルドー
- 蒼 -
2007/03/19(Mon) 15:53:39
[No.412]
└
.hack//L.G.U. 15章 トーナメント1回戦
- 蒼 -
2007/03/18(Sun) 20:31:13
[No.406]
└
.hack//L.G.U. 14章 世間
- 蒼 -
2007/03/18(Sun) 10:06:15
[No.394]
└
.hack//L.G.U. 13章 隣人
- 蒼 -
2007/03/17(Sat) 12:02:35
[No.370]
└
.hack//L.G.U. 12章 突然
- 蒼 -
2007/03/16(Fri) 15:00:32
[No.353]
└
.hack//L.G.U. 11章 奥底に潜む甘え
- 蒼 -
2007/03/03(Sat) 23:37:04
[No.301]
並べ替え: [
ツリー順に表示
|
投稿順に表示
]
.hack//L.G.U.2
(親記事) - 蒼
10章のあとがきに書いたとおり、新スレを立てさせてもらいます。
前回と同じように謎について個人的見解を徒然と書いていくので、もしお見苦しい点とかあったらすいません。
ちなみに↓が前スレのURLです。
http://www4.rocketbbs.com/741/bbs.cgi?id=novels&mode=view&tree=87
では、次レスからスタートです。
[No.299]
2007/03/03(Sat) 22:49:21
.hack//L.G.U. 11章 奥底に潜む甘え
(No.299への返信 / 1階層) - 蒼
前回ログアウトした地点であるタルタルガのカオスゲートを経由してハセヲはマク・アヌへと急いだ。
もちろん、メールで誘ってくれた揺光にあうためだ。
カオスゲートを通る一瞬、ハセヲはこんなことをふと考えていた。
後1人、パーティ誰誘おうかな・・・。
――悠久の古都 マク・アヌ――
カオスゲートからマク・アヌへと着くと、そこには予想通り、というよりメール内容どおり揺光が待っていた。
ハセヲに背を向けているためまだこちらには気づいていない。
ハセヲは気なしに揺光に話しかける。
「よう、揺光」
「あ!やっと来た!もう、遅いぞ!ハセヲ!」
腰に手を当てながら、揺光はハセヲを軽く怒鳴る。
彼女からのメールの受信した時間は今から10分ほど前だったから、どうやらそれぐらいハセヲは彼女を待たせていたらしい。
ハセヲは素直に謝った。もっとも、ハセヲにだってリアルが色々あるのだから、そこまで責任は無いのだが・・・。
「悪い、待たせちまって・・・」
「べ、別に謝らなくていいよ。じゃ、行くぞ、ハセヲ」
「? 他に1人誘わなくて良いのか?」
率直に思ったことをハセヲが聞くと、揺光は顔を赤らめてしまった。
いや、実際にはコレはゲームなのだから赤らめることは絶対無いのだが、どこかそんな雰囲気を感じられる。
それぐらいこの世界はリアルなのだ。
「た・・・たまには2人で冒険するのもいいだろ!?ほら行くぞ、ハセヲ!」
「あ・・・あぁ」
揺光がうつむきながら早口にしゃべったいきおいは凄まじく、たじろいだハセヲは思わずその提案を肯定してしまった。もちろん、たじろがなくても肯定はするのだが。
かくして、2人は適当なエリアワードを選んで、この世界ではソロプレイ以上に例を見ない2人でのプレイへと旅立った。
――γサーバー さまよえる 漆黒の 狂戦士――
2人は数秒後、カオスゲートから草原型ダンジョンへと到着した。
地形を確認した後、早速ハセヲが歩き出そうとした時、揺光はそれについていこうとせず止まったままでハセヲに向かって口を開く。
「なぁハセヲ。ハセヲはさ、神白宮トーナメントにでるのか?」
「ああ。まぁな」
否定する理由も特に無いのでハセヲは正直に答える。
もっとも、その真意はさすがに伝えられないのだが・・・。
礼儀として、ハセヲも間を空けずに聞く。
「揺光はトーナメントには出るのか?」
「・・・朝、学校に行く前に登録はしておいた。出れるかどうかは今日の夜にわかるよ。
ハセヲ!もしアタシがトーナメントに出れたら、絶対今度はアタシが勝つからな!」
「俺だって負けねぇよ」
ハセヲの言葉はあまり正しくは無かった。訂正するなら”負けられない”のだ。
彼には使命がある。
”もしも”の場合を発生させないため、絶対に負けられないのだ。
「そっか・・・お互いがんばろうな。よし。行こう、ハセヲ!」
言いながら揺光はハセヲを置いて走り出す。
将来の敵となるやも知れぬ人間と一緒に冒険するのもどうかとも思ったが、ハセヲはそこまで気にせずに揺光の後を追った。
ひょっとしたらそこには、甘えがあったのかもしれない。
もしもハセヲが揺光に負けそうになったとき、理由を話せばわざと負けてくれるかもしれないなどという、くだらない甘えが。
だが、ハセヲが心の奥底にあったその感情に気づくのは、もう少し後のこと――
あとがき
ちょっと短いですが夜も遅いのでこの辺で・・・。
とりあえず次回は2人で冒険してもらいます。はい。
では、感想、アドバイス、叱咤激励などなど、総合感想のほうに書いてくださればうれしいです。
でわおやすみなさい。
[No.301]
2007/03/03(Sat) 23:37:04
.hack//L.G.U. 12章 突然
(No.299への返信 / 1階層) - 蒼
ハセヲと揺光が2人で冒険を開始してから早1時間が経過した。
特に会話は多くなかったが、どうにかちょうど良いところでモンスターが出てきたりハセヲが適当な話題を振ったりしているので気まづくはなっていない。
以前のハセヲなら揺光には一言も話しかけずに勝手に冒険して勝手に宝箱をとりそして勝手に帰っていたので、ひょっとしたらこういうところにもハセヲの成長は見られているのかもしれない。
まぁそれ以前に、昔のハセヲならばソロプレイしかやらなかったのだろうが・・・。
「・・・ハセヲ」
宝箱を全て開け証の欠片を集めきったところで、揺光からハセヲを呼ぶ。
「なんだ?」
「もしさ」
そう言って揺光は次の言葉の間を取り、うつむいて、
「またアタシが未帰還者になったら、ハセヲは・・・志乃さんのときみたいに、アタシをまた助けてくれる?」
「え・・・?」
突然の問いにハセヲが固まる。
・・・なんでそんなことを?
未帰還者の話など彼女の前でしていないし、それっぽいことを言った記憶もハセヲにはない。
だが、ここは何か言わなければならない。
男としてハセヲが何かを言おうとしたとき、揺光はそれを遮った。
「あぁ、悪いハセヲ!ちょっとアタシこれから用事あるんだ!じゃあね!」
そしてプラットホームへと勝手に向かい、ルートタウンへと帰ってしまう。
なんだ?一体・・・。
妙な気分だった。
一体揺光は何を聞きたかったのだろうか?
揺光はまたAIDAが発生してきていることなど知らない。
したがって仮定の話とはいえこんな場面で言うことではないし、第一用事があるのならばこんなことは今聞かないはずだ。
・・・とりあえず、戻るか。
気になりはしたが、考えても答えは出ない。
そう悟ったハセヲは獣神像へも行かずにログアウトした。
あとがき
久々の更新となってしまい申し訳ありません。ちょっと忙しくて・・・。
とりあえず、いかがだったでしょうか?12話目に限らず、感想などくだされば非常にうれしいです。
でわ。
[No.353]
2007/03/16(Fri) 15:00:32
.hack//L.G.U. 13章 隣人
(No.299への返信 / 1階層) - 蒼
ハセヲの通う学校は都内有数の進学校だ。たとえ午前中で授業が終わろうが世界が大変なことになっていようが、ハセヲは予習、復習をかかさない。
無論ハセヲだって勉強など好きではないし、やらないに越したことはない。だが、もしそこで甘えに走り成績を下げれば親からパソコン剥奪ということになりかねない。
クーンはいいよな・・・。
フリーターのクーンを羨ましがりながら、ハセヲの土曜日は過ぎていく・・・。
翌日の日曜日、ハセヲはゆっくりと起床した。
少し寝すぎたな・・・。
目覚まし時計の長針が9の方向を向いているのを確認しながらハセヲはベットから起き上がる。
顔を洗い、私服に着替え朝食の食パンを食べハセヲは自室のパソコンに向かう。
事も無げにパソコンを起動させると、ハセヲは画面に目を滑らせる。
メールはきていない。
確認したハセヲは早速The Worldにログインした。もちろん、欅に言われているルミナ・クロスの警備のためだ。
――闘争都市 ルミナ・クロス――
ルミナ・クロスはタイトルマッチのときのようにPCであふれかえっていた。人型もいれば獣人型もいるし、呪療士もいれば最近じゃ滅多に見ない錬装士すらいる。
「これ以上に昨日はいたんだな」
120名にしぼった結果でこれほどまでに観戦者や様子見のPCが多いのだ。さぞかし昨日は大混雑だったのだろう。
端のほうでうろついているか。
ハセヲはこれでも有名人だ。とくにルミナ・クロスにおいては伝説の三階級制覇を成し遂げている。
目立ってはまずいので、ハセヲはセーブ屋の裏手へとまわり、そこでルートタウンの警備を開始することにした。
お昼ごろだろうか。
ハセヲが石像のようにつったってアリーナ受付のほうをじぃっと見ているところへ、八咫がショートメールを送ってきた。
そちらに何か異常はあるか?ハセヲ。
特に何も無い。
思ったことをハセヲは簡潔にそうメールを返す。
そう、確かにトーナメント予選の行われているルミナ・クロスでは特に今日1日変わったことは無かった。
だが、この世界は広い。
八咫がショートメールを送ったのは、ただハセヲのほうで異常が無いか心配だったからではなかった。
つまり・・・お昼ごろ、また出たのだ。
――タルタルガ・ブリッジ――
「PCネーム、ぴろし3、それになつめか」
「またハセヲさんの友達ですね」
タルタルガ、ブリッジにて欅が八咫に確認する。
「・・・なぜハセヲの知人ばかりが・・・」
「調べてみます。八咫さんはハセヲさんと面識のある人間を主に見張っててください」
「了解した」
そう言うとまた2人は作業に没頭した。
あとがき
なんかどんどん未帰還者増えていきますね・・・。
まぁでもとりあえずそれはおいといて、感想等くだされば非常にうれしいです。ガンガンください(笑
でわ。
PS
ちょっと聞きたいんですが、どなたか「えんじゅ」の漢字のだしかた、知ってる人いません?
[No.370]
2007/03/17(Sat) 12:02:35
.hack//L.G.U. 14章 世間
(No.299への返信 / 1階層) - 蒼
ぴろし3、なつめを入れて未帰還者はこの数日ですでに6人となった。
わずか数日でThe Worldのプレイヤーが続々と意識不明となる
このことはすぐにマスコミの耳に入り、ニュースでは連日このことを取りあげるようになってしまっていた。
『The Worldは人を意識不明にする危ないゲーム』
『またでる!意識不明者!!』
『The World運営中止か!?』
現在、このような見出しの記事が全国の新聞に載ってしまっている。
だが、ハセヲたちにとって幸運だったのはちょうどこの時期は近年稀に見る猟奇的連続殺人事件が起こっており、ニュースはもちろん新聞もこのことばかりを大きく報道するようになっていたため、The Worldのことはあまり大きく報道されていなかったことだろう。
人間、事件というものは死者が多ければ多いほど興味を引くものなのだ。
もっとも、大小の差はあれニュースはどちらの事件もきちんと連日報道しており、非常にレイヴン、もといG.U.にとっては迷惑な限りだったが。
――タルタルガ・ブリッジ――
「何の用かね?」
突然現れた黒い棺をもしたかのような訪問者に問う八咫。
「言わなくても分かるはずだが?」
機械的な声で黒い棺のようなPC、いやCC社上層部は問いを問いで返す。
「なるほど、今回の騒動のことか」
「分かっているのなら話は早い。今回の事件、どういうことだ?」
「今私の横にいる彼と調べているところだ。少しでも早く事件を解決して欲しいなら帰ったらどうかね?」
八咫は隣で黙々と作業する欅を横目にしながら自分も上層部に向けていた目を再び画面に移し仕事を開始する。
「・・・すでにThe World解約者は全世界で数十万人を越えている。近日中に成果を上げられなければどうなるかは覚えておくんだな」
最後にそう言った後、黒い棺のようなPCはログアウトしてしまった。
八咫はそれを見ず、呟く。
「成果を上げられなかったら、一体どうするのだろうな」
そして嘲笑した。
あとがき
今回はハセヲ登場なしです。はい。
本当はよもやまBBSのほうの様子も少し書きたかったんですが、さすがにめんどくさ・・・もとい飽きてしまうかもとか思ったんでやめておきました。
では、感想くださればうれしいです。
最後に。
黒い棺のようなPCって作中で書きましたが、分かりましたかね?
[No.394]
2007/03/18(Sun) 10:06:15
.hack//L.G.U. 15章 トーナメント1回戦
(No.299への返信 / 1階層) - 蒼
月曜日の午後5時。
世間で言うところのアフターファイブと呼ばれる時間、学校から帰ってきたハセヲは早速パソコンを立ち上げる。
今日はついに神白宮トーナメント1回戦の行われる日だ。ハセヲはまずメールからチェックする。
4通きているな。
枚数を確認した後、古いものから順にハセヲはメールを見ていく。
最初のメールはCC社からのものだった。
今夜9時に本戦1回戦を行うから来て欲しいというものだ。
対戦相手は・・・
ボ、ボルドー!?
メールに打ち込まれていた名前は、まさに元ケストレルメンバーのボルドー、ネギ丸、グリンである。
ハセヲは過去のことから彼女等が新種のAIDAに犯されていないか心配になるが、気を取り直す。
まぁ会って見てからだな
2通目は太白からだ。
件名:神白宮トーナメント 送信者:太白
ハセヲ、ついに今日からトーナメントが始まるな。
お前の活躍、期待しているぞ。
「以外にマメなんだな」とハセヲは思いつつ次のメールをあける。
件名:今日はがんばろう 送信者:志乃
ハセヲ、今日はがんばろうね。
もしAIDAが出てきたら、今度はハセヲ、私が倒れる前に助けてくれるのかな?
・・・志乃。
ハセヲは誓う。
もう2度、志乃を未帰還者になんてしない。絶対に。
最後のメールは八咫からだった。
内容としては昨日ぴろし3となつめが未帰還者になったというものだ。
やっぱりか。
ハセヲは世間に疎いわけではない。
ニュースだってちゃんと見ているので、意識不明者のなかに「洋」という名前と「なつめ」という名前があれば大体察しはつく。
しかし、それでも悔しいという思いは消えない。
・・・絶対に、とりかえす。
ハセヲは強く誓い、警備とトーナメント出場のためThe Worldへとログインした。
――午後9時・闘争都市 ルミナ クロス・アリーナ――
「さぁついに始まりました神白宮トーナメント1回戦!新しい場所へと舞台を移し、猛る獣は何を想う!?皆盛り上がってるかぁ〜!?」
いつの日かメールでハセヲに愚痴をこぼしていた実況の兄さんが会場に呼びかけると、それに呼応するように満席となっている会場はヒートアップする。
実況は会場の熱を保ったままチーム紹介へと入る。
「強靭、非道、そして残虐!!世界は赤き血を求める猛獣をこの世に送り出してしまった!かつて対戦相手と死闘を繰り広げたこのチームは、今回こそその刃を血で染め上げるのか!?ボルドーチームの入場です!!」
実況の声と共にボルドー一味が姿を現す。
その姿は、ハセヲが危惧していたような姿ではなく、純粋な普通のPCボディだ。
実況は高らかに後を続ける。
「ついに・・・ついにこの男が再びアリーナに帰ってきた!!3階級制覇という前人未到の快挙を成し遂げた男が、新たな仲間と共についに今、現れる!!ハセヲチーム、威風堂々参上だぁ!!」
志乃、太白、そしてハセヲの登場によりアリーナは今日最高潮の盛り上がりを見せる。
そして次の瞬間、両チームは戦いの舞台へと転送される。
「ハセヲォ、今日こそテメェをズタズタに愛してやるよぉ!ヒャハハハ!」
「俺たちは絶対に負けられないんだ。必ず勝つ」
「さぁ、今日は解説約にケストレルギルドマスターのがび様を呼んでいます。今日はよろしくお願いします、がび様」
気づくと、実況の隣には赤き獣人、がびがいる。
しかしがびは実況の言葉を半ば無視し、笑い出す。
「ハハハハハ、今日はいい日だ!この2人の戦いを見れるとは!」
「は、はぁ・・・」
実況の顔が明らかに困ったと告げている。なんとコメントすればよいのだろうとリアルでも困り果てているのだろう。
「が、がび様、今日の試合、ズバリどちらが勝つと予想されますか!?」
悩んだ挙句別の話題へと振る実況の兄さん。
「・・・知らん」
「は・・・?」
「そんなものはこれから分かるのだ!」
まぁそりゃあそうだがと言いたいのを実況はグッとこらえる。
「で、では、試合――」
ハセヲはトライエッジの使っていた双剣、”虚空の双牙”を構えながら叫ぶ。
「行くぞ太白、志乃!」
「ズタズタにしてやるよハセヲォ!」
「開始ぃ!!」
トーナメント1回戦が始まった。
あとがき
いよいよ次回からアリーナの戦いが始まります。
いやぁにしてもがび様の口調はめちゃくちゃ難しいです・・・。実況の人はラクなんですけどね(笑
では、感想等くださればうれしいです。
[No.406]
2007/03/18(Sun) 20:31:13
.hack//L.G.U. 16章 VSボルドー
(No.299への返信 / 1階層) - 蒼
――これまであたりを包んでいたBGMがアリーナ戦特有のものに変わる。
――それぞれが、それぞれの獲物を構える。
――そして空気が急に冷えたような、そんな心地よい風が周りを通り過ぎていく。
この感覚だ。
PKK時代、”死の恐怖”だったころからあたり一面に吹き荒れていた風をまたハセヲは体で、気配で感じ取る。
あの頃はこの風を受けながら隣にいる志乃のために日々PKKを繰り返していた。
志乃のために、日夜PCを狩ってきた。
でも、今は違う。
この・・・殺す感覚を感じるのは、アリーナだけで十分だ。
そうハセヲは感じる。
もう迷わない。
迷わないで、自分の信じた道を進む。
だからそのために、ハセヲはボルドーを倒す。
ハセヲはバトルが始まるとすぐにリーダーであるボルドーへと接近した。
そして双剣の7連撃を防御させる暇すら与えず一気に叩き込む。
「ぐっ・・・」
ボルドーが呻く間にハセヲは状況確認のため視線を左右に向ける。
太白はあらかじめ決めた作戦通りグリン、ネギ丸を足止めし、志乃もまた作戦通りフィールドを動き回り回復のための準備をしている。
いける!!
直感したハセヲはすぐさままたボルドーに双剣での攻撃をお見舞いしようと攻撃モーションへと入る。
だが、次の攻撃はそう易々とは入らない。
「なめるなハセヲォォォ!」
「な・・・」
ボルドーはハセヲが攻撃モーションへと入っているのを無視して防御ではなくカウンターをけしかけた。
驚きでハセヲの双剣を持つ手が緩んだのを(正確にはコントローラーを持つ腕)ボルドーは見逃さない。カウンターは見事に決まった。
そして攻撃の手を休めず一発入れて出来た隙を狙いボルドーはすかさず連続攻撃を繰り出す。
ボルドーの刀剣での連続攻撃によりハセヲがなすすべなくダウンしかけた時、ハセヲの体から不意に何かが出てきた。
青紫色のリングだ。
まずい・・・。
頭ではわかってもどうすることも出来ない。
ボルドーはこれ幸いと醜く微笑み、そして、
「連げ――」
「反撃!」
ボルドーは突如視界に現れた銃剣での攻撃に驚きの表情をみせ、吹き飛んだ。フェンスにぶち当たりダウンする。
ハセヲは志乃の回復呪文をその身に受けながら立ち上がった。
見ると、そこには予想通り・・・太白が立っている。
「私をあまり失望させるなよ、ハセヲ」
落ち着いた表情でそう言い、太白は再びグリンの元へと走りだす。すでにネギ丸は戦闘不能となっていた。
強い・・・。
素直に驚いた。レベル云々の話ではない。ハセヲがボルドーと戦っているうちに太白はネギ丸を倒し、そしてなおかつその目をハセヲたちに向け、反撃を繰り出しピンチを救ったのだ。
太白という男の力を、改めて思い知った。
「く・・・ハセヲォ!」
太白に飛ばされたボルドーが立ち上がりながら叫ぶ。
すでにHPは3分の1まで減っている。
「今日まで、テメェに勝つためだけに努力して、トーナメントにまででてやったんだ!アタシたちはテメェに負けるわけにはいかねぇんだよ!」
少し、以外だった。
以前なら彼女は必ず”殺す”と言っていた。だが、今回は明確に”勝つ”と言っている。殺すと勝つでは、にているようで意味はまるで違う。
・・・成長したのか?コイツ等も。
なんとなく、ハセヲはそう感じた。
ならばハセヲも、成長したその想いに報いなければならない。
「・・・俺たちも、負けるわけにはいかねぇんだ」
ハセヲは再度双剣を構える。
ボルドーが刀剣を前で構えながら突進してくる。
そして、ハセヲとボルドーの刃が、激突した――。
「決着だ〜〜〜!!勝ったのはハセヲチーーーム!!」
実況の叫び声にもにた声を掻き消すほどに会場は今日一番の盛り上がりでその試合を称えた。
「さて、がび様、今回の勝者は苦しくもハセヲチームでしたが、ズバリ、勝敗を分けたのはなんでしょうか?」
「ガハハハハ!知らん!」
「は・・・はぁ」
バトル開始前と同じく実況が困る。この仕事は大分続けているが、ここまで話しづらい人は初めてだと実況はしゃべりながら思う。実際そうだろう。
がびは後を続ける。
「勝った奴が強い、負けた奴が弱い。それがThe World」
「な、なるほど、そういうことですかぁ」
実際よく分からないが実況はそれで締めくくる。
「では、皆様、勝利したハセヲチームにもう1度盛大な拍手をお願いします!」
その声で大きい拍手と歓声がアリーナに再び響き渡る。
その声援は、しばらく尽きなかった。
そんななか、がびは一言、こう呟いた。
「・・・あいつ等、もう帰ってきてもいいかもな」
あとがき
今回の話は非常に苦労しました。
お見苦しい点等無ければいいのですが・・・。なんか不満とかあったら遠慮せずどうぞ。
でわ、できれば1度感想くれた皆様も出来ればまた感想ください。
感想がないと書くがわも飽きてしまうもので・・・。
でわ。
[No.412]
2007/03/19(Mon) 15:53:39
.hack//L.G.U. 17章 対峙1
(No.299への返信 / 1階層) - 蒼
――タルタルガ・ブリッジ――
「ほぅ、ハセヲが勝ったか・・・」
おびただしい数に登る監視カメラの1つに八咫が作業の合間を縫って目を向けると、そこには今まさに倒れるボルドーと双剣をを握り締めたまま立つハセヲの姿があった。
ボルドーのHPはすでに0。ハセヲの勝利の瞬間である。
「やりましたね、ハセヲさん♪」
八咫の言葉に相槌を打つように欅も作業をストップして画面を見る。
画面には変わらずハセヲのPCが誇らしげに立っていた。
欅はその勇士を視認すると、再び作業に戻る。
それを見て八咫もアリーナの画面から目を切った。そして作業に戻ろうと目線を移動させた時、洞窟フィールドの一角に彼の視線は釘付けになってしまった。
「・・・欅、これは・・・」
「? どうしました? 八咫さ――え?」
2人が驚くのも無理はない。
なぜなら、そこにいたのは――
――闘争都市 ルミナ・クロス――
ハセヲ、志乃、太白の3人が興奮冷めやらぬアリーナバトルを終えこの地に帰ってきてすぐにそのショートメールはきた。
すぐにタルタルガへこい。すぐにだ。
3人とも一字一句違わぬ同じ内容。
そして送信者はやはり八咫。
この出だしの時のメールにはハセヲは良い思い出など全くない。
だが、何かしらの嫌なことだとは分かっていてもハセヲ達は行かないわけには行かない。
3人は勝利の余韻に浸る暇すら与えられず目で合図を確認しあい、すぐにルミナ・クロスを後にした・・・。
――タルタルガ・ブリッジ――
ハセヲたちがつく頃にはもうほとんどの関係者は顔をそろえていた。
だが、1人だけその小さい姿が見えない。
「朔望はどこだ? 八咫」
そう、残りの碑文使いの中で、なぜか朔望だけがこの場にいなかったのだ。
八咫はその問いを黙殺した。その沈黙の意味するところは、誰の目にも明白・・・。
「まさか八咫、朔望まで・・・」
クーンが途中まで言いかけて、中断する。
無言で欅がだした目の前のモニターに質問の答えが刻まれていたのだ。
その画面に映っていたのは、今まさに向かい合っている赤いランドセルの朔望と黒い点・・・。
あとがき
久々の更新です。
雑ですが感想もらえればうれしいです。
[No.559]
2007/04/06(Fri) 22:39:32
Re: .hack//L.G.U.2
(No.299への返信 / 1階層) - 蒼
お久しぶりです。蒼です。
久々に小説を!
ということで、まずは場所を移させていただきました。
第1章からですが、大幅に書き直していますので、もしよろしかったら一読してくださると嬉しいです。
URL
ttp://ncode.syosetu.com/n2959c/novel.html
hを文頭につけてください。
[No.824]
2007/07/09(Mon) 22:45:46
.hack//L.G.U.1〜4章
(No.299への返信 / 1階層) - 蒼
どうも、蒼です。
今回、↓の投稿サイト様に1〜4章までをアップさせてもらいました。
大幅に加筆修正を加えてますので、もしよろしければ感想等、くだされば嬉しいです。
ttp://syosetu.com/pc/main.php?m=w1-4&ncode=N2959C
(hを文頭に)
[No.832]
2007/07/11(Wed) 22:58:41
以下のフォームから投稿済みの記事の編集・削除が行えます
記事No.
パスワード
記事編集
記事削除
画像削除
-
HOME
-
お知らせ(3/8)
-
新着記事
-
記事検索
-
携帯用URL
-
フィード
-
ヘルプ
-
環境設定
-
Rocket Board Type-T (Free)