「ねぇ、朔…」 「ん?なんや?」 いま、ぼくは、ブレク・エポナの裏路地で朔とはなしをしてる。 ぼくは、Auraからきたメールのことをはなした。 「ぼくたちに大切な事ってなんだとおもう?」 「そやなぁ…うちのとっては、望とエン様かな…」 「ぼくは、朔とこの世界だよ」 そうはなしてるとき、うしろからないてるこえがきこえた。 「もう…かないって、もう泣かないって決めたのに…」 ぼくは、うしろをふりかえった、そこには、ぼくとにてるPCがいた。ぼくはその子にちかよった。 「どうしたの?ぼくにはなして」 「え?」 その子はなみだをふいて、ぼくを見た。 「ちゃんと話聞いてくれる?」 「うん」」 朔がぼくにはなしかけてくる。 「ええんか?望?全然知らんやつの相手になって?」 「いいんだよ、あの子の目、すなおだもん。」 「そうか…」 そういったまま朔はもうはなさなかった。 そうしてるあいだにさっきの子がはなしかけてきた。 「私の名前は、ヒュリア。私ね、学校でいじめられてるの…」 「いじめられてるんだ…」 「でもね、私負けないって決めたの。泣かないって決めたの。でもね、今日学校で仲良くしてた友達にいじめられて、泣かないって決めたのに泣いちゃたの…」 「泣いてもいいんじゃないかな」 「え?」 「ぼくは泣いてもいいとおもうよ。」 「どうして?」 「ぼくも学校でいじめられてるの。でもね、泣いてるといやなこともすぐにわすれて、ぎゃくにたのしくなるの。たのしければそれでいいでしょ?」 「でも…」 「泣いてもいいんだよ。そうすれば。」 「でも、心に残った傷は癒せない。」 突然ヒュリアちゃんがいった。 「え?」 「泣いても、心に残った傷は癒せない。だから私は我慢するの。そうすれば、冬を我慢して咲く春の花のように、楽しくなれると思うから。そうすれば、傷もいつか癒えると思うから」 そう言ってヒュリアちゃんは立ち上がった。 「でも君と話せてよかったよ。君も我慢すればきっと春は来るよ」 「はるはくる…」 「そう、ま、がんばってね!」 「あ、まってヒュリアちゃん!」 おいかけたけどヒュリアちゃんはいなくなってた。 「ねぇ朔…」 「ん?なんや?」 「もしかして、あの子が賢者さんだったのかもしれない。」 「え?どうして?」 「ぼく、大切な事をおそわった…泣いてるだけじゃいけないんだって、我慢すればきっとはるはくるんだって…」 「そうかもな…うちもそう思う、でもあの子が賢者やったら、泣き虫賢者やで?」 「それでもあの子は、ヒュリアちゃん。泣き虫でも賢者でも。」 「そやな。」 そうして、ぼくたちのふしぎなじかんはおわった。 でもぼくはこのひのことをわすれないとおもう。 きっと朔もそうおもってるはず。
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[No.373] 2007/03/17(Sat) 12:45:52 |