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国が暁に染まる。輝く海に白い航跡を残し、漁船はイリューシャ湾に帰港する。市場はその日最後の賑わいをみせ、買い物を済ませた人々は白い息を吐きながら家路に急ぐ。暖炉の火を、暖かな食事を求めて。赤みがかった空に、月が昇ろうとしている。数多くの酒場には灯りが燈った。 そのうちの一軒、とある酒場から音楽が聞こえる。ギター、クラリネットのコンビが生む旋律をハープが包み込み、それに女性の歌声が滑るように流れていく。談笑を止め、客はその音楽に耳を傾ける。使い込まれた樫のテーブルに体を預け、時折手元のフィッシュアンドチップスに手を伸ばす。幾分減ったグラスのビールで口を湿らせ、演奏する者をじっと眺めていた。 音が止む。演奏が終わると、客達は惜しみない拍手と賞賛を壇上の三人に送った。ギターを抱えた筋骨隆々でよく手入れされた顎鬚の男、クラリネットを片手に持つひょろりと背の高いやせた男、そしてハープを携えた女性。 「御清聴ありがとうございましたーっ!」 一礼と共に壇上を降りる三人。手近なテーブルに腰を下ろし、 「いやー、久しぶりだったけどやればできるもんね。」 「ほんとにな。最近はすっかり講師の仕事に追われてたが、腕は落ちちゃいないってことか。」 「それはそうでしょう。日々生徒達と共に我々も精進してるわけですし。」 満足気な三人の下に、店主が木製ジョッキを3個とフィッシュアンドチップ1皿を運んできた。 「久しぶりに聞いたけど、驚いたよ。昔より深みがでたんじゃないか?パーヴォ。」 「いやー、そう言ってくれるとうれしいですよ。最初は講師と聞いてガラじゃねぇとも思ったんですがね。」 と、顎鬚の男が答えた。 「元が旅の楽団ですからね。自分達に何が教えられるのか悩みもしましたが、講師になってよかったと思いますよ。」 「アルベルトの言うとーり、結構講師も楽しいし。まー、忙しすぎてココで歌う回数が減っちゃったのが残念なくらいかなー。マスター、黒おかわり!」 ヴォーカルの女性が空になったジョッキを高々と突き上げる。アルベルトと呼ばれたやせた男は、テーブルの隅に置かれたモノに気づいた。 「マスター、あれは何ですか?」 それは、四角い木箱だった。造りはしっかりとしており、接合部はキチンと釘を打たれている。作られて間もないようで、真新しい木材の色である。箱の側面部に、「募金箱 頑張る王様に愛の募金を」と達筆で書かれている。 「見たまんまだよ。募金箱。何かとお世話になったしね、あの王様には。」 黒ビールをジョッキに注ぎながら、店主は答えた。暴動騒ぎで一度焼けてしまったこの店を再建してくれたのはこの国だった。 「よーし、私も募金しちゃうぞー!それそれー!」 「ちょっとまて、ソフィア!お前それ虎の子の200ワンワンだろっ!」 「おー、気前いいな、ソフィア」 「ちょ、止めてくださいよ、マスター!」 そんな喧騒を他所に、マスターは店の窓に視線を向ける。 詩歌藩国の建物は積雪対策のため背が低い。だから、店の窓からも政庁が見えた。城の形をしているこの建物はこの町のどこからでも見えた。 見上げれば、月がある。静かな空に浮かぶ月は、冴えきっていた。 この募金を誰が始めたのかは、未だ以って分かっていない。 後にこの募金総額は150億わんわんにまでのぼり、詩歌藩国の困窮した財政を支えきった第一の柱となっている。けして裕福とは言えない人々が骨身を削り生み出した募金のことを、藩国首脳部が知ったのはEV148が起こってからである。 国を存亡の危機にまで瀕せしめた国民が、国を救った。 これを偶然とみるか必然とみるかは、言うまでも無い。 [No.7237] 2010/01/17(Sun) 02:09:10 |
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