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絵画コンクール関係のSSです。 太陽の威光眩しき頃。 蒼海が煌き、白雲が沸き立つ。 万緑が繁り、涼風が薫る。 霊峰シュティオンを超え、雲の峰がそそり立つ。 生きる物皆が涼を求め、サファイアラグーン、ラズライトラインで戯れる。 浮遊島から落ちる滝は、炎天の下に虹を残す。 詩歌藩国に、幾度目かの夏が来た。 「絵画コンクールゥ?」 「そう、絵画コンクール」 二人の北国人が、海岸でスケッチをしている。 一人は長い銀髪を鬱陶しそうに括っている少女。年は10を越して間もないが、数年すれば誰もが振り返るようになるだろう。 一人は短い銀髪を逆立てた男。年は15,6、精悍な顔つきに厳しい目元。美男子だが、少々話しかけづらい人物。 視線を交わすことも、手を休めることもない。 白い紙に次々とモノクロの風景が描かれていく。 カキ氷を手にした水着姿の男女。 潮を高く吹き上げる水竜。 彼等の背に座り、歓声をあげる子供達。 「嫌よ、馬鹿馬鹿しい。私の絵が素晴らしいのは当たり前じゃない。あんなもの、褒められなきゃ安心できない連中が出ればいいのよ」 「賞品がでるぞ」 ピタリと、少女の手が止まる。 形の良い眉が、上がった。 じろりと目線だけが男に向く。 「何でも豪華賞品なんだそうだ」 淡々とした口調で、絶妙な間で話し続ける男。 徐々に少女の顔が男の方へ向いていく。 こめかみに流れる汗を拭いもしない。 「ちなみに、俺は出るぞ」 「じゃ私もでる。」 間髪入れずに少女はそう言った。 「せっかくの溢れ出る才能だもん、せいぜい有効活用しなくちゃね」 「そうか」 ムフーッと力む少女の横で、男は小さく微笑んだ。 二人の手が止まった。鉛筆を仕舞う。 「負けないわよ、豪華賞品は私がもらうっ!」 「俺が勝ったら分けてやるよ、豪華賞品」 「言ったわね、目に物見せてやるわ」 先に男が立ち上がり、 「じゃ、カキ氷でも食おう」 「私、ブルーハワイッ!」 「俺は何にするかな」 「ちょっと頂戴」 「楽しみだな、頭がキーンってなる時のお前の顔」 この二人が、詩歌藩国きっての絵描きになるのはもう少し先の話。 [No.7572] 2010/08/28(Sat) 23:47:18 |
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