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面映い駄文ですが、蛮勇を奮って投稿します。嗚呼、文才が欲しい。 //*// 彼方まで広がる蒼穹のもとを、一人の青年が飛ぶように疾走していた。 比喩ではなく、彼は本当に地表を飛んでいた。翼こそ無いが、その走りは海面を飛翔するトビウオのように軽やかで、常人離れした走り方だ。だが、それを目撃する者はいない。 少なくとも、数分前に彼を目撃した人々は 「いつもの郵便の人」 としか思わなかった筈だ。 東国人としては珍しいが機能的な服装も、個性的な面々が多い(些かならず、個性というにはアクが強すぎるぐらいの)たけきの藩国では奇異とするにはあたらないし、黒髪と眼鏡は平均的なたけきの藩国の民そのものだ。 爽風と一体化して翔る彼は、たけきの藩国の忍者でもあった。彼は忍者であるが、郵便配達なのでは無い。寧ろ、様々な情報を常に収集する忍者であればこそ、郵便配達でもあるのだ。 そんな彼が、周囲に人目が無い事を観察力と超忍術(たけきの藩国の呼称。他国では、理力)を駆使して確認の上、その正体を告白するように蒼穹のもとを疾走している理由は…。 (気持ち良い) で、あった。 実際、汗もかかずに常人離れした脚力で地面を翔るのは、身体を駆使する事が当たり前の人間にとっては、充分に快感だ。大袈裟な表現を用いれば、風と化して世界と一体になるかのような。 決して、仕事に飽きてサボっている訳では無い。断じて無い。絶対に違う。 (これは摂政閣下宛て、これは月光ほろほろさん宛て、これは二郎真君さん宛て) 配達途中の葉書二通と封筒一通の宛先を確認するや、彼は躊躇なく、それを宙に抛り投げた。たちまち、風に攫われて行く郵便物。 (さ、次の郵便っと♪) 彼の名誉の為に付け加えておく。彼は、決して仕事をサボって誰も見ていない所に郵便物を投棄したのでは、無い。 超忍術の一つ、『離神の術』。自らの精神を一部分、肉体から分離させて遠方を探る術を以て、政庁・居酒屋・街角を探って三人の居所を突き止めた上で、風に乗せて郵便物を三人の下に飛ばしたのだ。 この技は、相手を面識があり、場所は行った事のある場所でなくては使えない(できれば、初対面よりは顔見知りで、場所は熟知していて改築や模様替えがされていないと尚、良い)技で、分類としては魔術としての要素が大きい代物である。本来、杖や魔方陣を併用する。 そんな大技を何故、藩国の枢機に関わっている大物を相手に試したのか。 余程、接触を避ける理由がある機密文章だったのか? それとも、単に偶には術を試しておかないと技量が低下するので実験台にしたのか? それは、誰にも判らない。 //*// [No.1932] 2007/06/30(Sat) 10:43:03 |