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//*// たけきの藩国の鎮守として存在する、たけきの神社。たけきの岳の中腹に鬱蒼たる森に囲まれている聖地の裏。神池よりも、更に奥の地。 そこに、たけきの藩国の忍者が隠れ里を構えていた。 山の神にまつわる聖なる池こそ、たけきの神社が築かれた理由であるように。この奥地には、他国では理力と呼ばれる超忍術を駆使する、たけきの忍者にとっての聖地が存在した。 先住民の頃から存在し、既にその当時から祭られていた形跡のある、聖なる泉の湧く洞窟。岩の内部は穿たれて火を扱う事もできるようになっており、泉も井戸枠で囲まれて整備されている。 そんな隠れ里の、とある一角。森の天蓋が外れ、煌々と照る満月が頭上に覗ける地。 青く澄み渡り、まるで深い水の中にいるような錯覚を覚える潤んだ月明かりの下で、一人の青年が舞っていた。 さながら、月下で舞踏を舞うように。 非凡な舞い手である事は一目瞭然。もしも、観客がいればの話だが。 地を踏んで宙を舞い、水中を泳ぐ魚のように空中を縦横に翔け、しかも足音を発てず、呼吸も乱さない。 人目を忍んでの稽古は、同時にただ一人で行われる舞踏でもあった。 そして、華麗に月下の隠れ里で舞う彼の心境は、と言えば… (お、おのれー!) で、あった。 何とも散文的な心理描写で申し訳ない。音楽なしでも充分に芸術的な動きをしながら、彼の内心は崇高な芸術とは程遠い状態だった。 (あの変態どものお陰で、あらぬ疑いをー!) 本来、拳法家であれ忍者であれ、生死を左右する技量を研鑽する者は、本当の秘奥とも言える技は人目に見せない。百錬自得と言う様に、人目を忍んで一人稽古を重ねるようでなくては、本物とは言えない。別に、拳法家や忍者に限った話ではないが。 但し。独りよがりに陥らない為に、他者と一緒に稽古する必要があるのも、また事実。 故に、彼は基礎的な鍛錬の一つを里の仲間と一緒に行った。そして、今日はお忍びで藩国の執政たる摂政が、政庁職員一名を伴って視察に訪れていた。 隠れ里の全てを見せる訳ではないので、政庁には『隠れ里』として公開している区画で、たけきの忍者の身体能力と超忍術の一旦を披露したのだが(無論、新人が)。 お忍びとあってか、たけきの岳で酒盛りという偽装で本当に顔を真っ赤に染めた政庁職員と一緒に視察に来た摂政は、韋駄天走りに目の前を疾走した彼に対して、こう言ったのだ。 「GJ! わが同士よ!」 ちょっと、待てー! と、口にしなかったのは忍者であればこそ。いっそ、毒手裏剣で抹殺してやろうかと思ったのは秘密だ。 (俺達は、地面に褌が着かないぐらいの速さで疾走する為に稽古しているのであって、貴様のような変態露出狂では無いぞ〜!) 足には、巻き菱対策と防音の為に特性の革足袋を穿き、敢えて長々と垂らした褌が地面に触れる事なく一本棒になる速さで、不整形の地面を疾走する。 そんな訓練を見た摂政閣下はどうやら、自分と同じ趣味を持つ者たちが隠れ里を拓いたのだと誤解したらしい。 「この誤解が藩王さまのお耳に入れば、たけきの忍者は殲滅される」 と危機感を抱いた摂政密殺派と、 「勝手に誤解させておいて、何かと融通させれば良い。イザとなれば(ニヤリ)…」 との便乗派が短くも激しい議論を目線だけで交わしたが結局、後者が優勢となり、視察の後の宴会で記憶が飛ぶぐらい酒を呑まされた摂政一行(と言っても二名)は、無事に帰還を果たした。 (チクショ〜!) だから未だ若い彼は、美しい月明かりの下で鬱憤を晴らしていた。俺は褌でも靴下でもない、と心に血の涙を流しながら。 //*// 済みません。あの美しいイラストから、こんな下らない話しか思いつかなくて。嗚呼、文才が欲しい。 [No.1933] 2007/06/30(Sat) 11:33:29 |