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ざっくり書いた感じです。 最後の方、砂神さんのキャラの動きがちょっとまずい(キャラに合ってない)かもしれません。 他にもまずいところある気がしますが、(ほぼ)徹夜明けで頭が回ってません。なにかあれば、ご指摘いただければ幸いです。 ===================================================== たけきのことひわみの会話 「砂神をノギ殿に付いてもらおうと思うんだけど」 「いいんじゃないですか?適任でしょう。」 「ノギ殿に失礼があったら処分お願いね。わみたん。」 「心得てます。っていうかさすがにもう慣れました。それから、もはや誰だかわかりませんよ。」 数日後、砂神はノギの付き人をよくやっていた。 時々褌の素晴らしさについて熱く語る以外は。 摂政が褌で逃げ回っている。その光景を見た砂神は目に、摂政の褌がクローズアップされる。 赤地に金の縁取り。 「ま、まさか」 語尾の”でござる”も忘れている。 翻った褌には、まぎれもなく夜明けの船の刺繍があった。 --たけきの藩国摂政 志水高末の述懐-- 「いやー、ぐれっちに新しくできた褌石鹸を見せようと思って行ったら新しい褌があったからさぁ。 てっきり俺のために作ってくれたものだと思ってよ。今までにない出来だったから一目で気にいって、その場で着替えたんだよな。」-- -- その日から、砂神は自分の部屋から出てこなくなった。 ひわみから事の顛末を聞いたたけきのこは頭をかかえた。 もはや、どっから突っ込んでよいやら。 とりあえず、摂政の更生施設行きは(いつもどおり)決定だが。 「ひわみん、ノギさんを呼んでちょうだい」 「わかりました。それから(以下略)」 * * * * * 「わかりました。私も世話になってますし、力になれるのならばやりますが・・・。しかし、これで本当に効果があるのですかな。」「はい。確実ではありませんが。いずれにせよ、今のところこれでダメならお手上げです。」 たけきのこが応える。 「ふむぅ」 ノギの眉はちょっと表現しがたい動きで、内心を表した。少なくとも楽しそうだったり、嬉しそうだったりしていないのは確かだったが。 * * * * * ノギ、たけきのこ、そしてひわみが砂神の部屋の前に行くと、扉の前には既に先客がいた。 志水だ。 「おーい、ぐれっちー(砂神時雨の愛称のひとつ)。元気出せよー。夜明けの船褌もちゃんと洗ったし、ほら、俺の褌コレクション半分やるからよー。夜明けの船褌はなんと『ソフトさんS』で洗ったんだぞー。ふかふかだぞー。おーい。」 他に、月光ほろほろ、モモもいる。3人とも藩国内では(ともすると藩国外でも)有名な、褌ガイズである。 「おう、ぐれっちー。お前の作った褌でファッションショーやろうぜー。庁舎の庭に特設の舞台も作ってあるぞー。」 無精鬚のおっさん、月光だ。 「そうですよー。私も珍しい舶来ものの褌で参戦しますぞー。」 捲き鬚の怪しげな紳士(?)、モモ。 この3人、ここ数日毎日こうして声をかけていた。 いや、この3人だけではなくたけきのこを含めた全員が、毎日1度は砂神の部屋の前で声を掛けていた。 ただ、たけきのこやひわみを含めて大部分の人間は仕事の時間が終わってから来ていたので、この3人と顔を合わせることがなかったのだ。 3人はまだたけきのこ達に気付いていない。 「みたん、舞台撤去。」 「はい、手配します。それから、略しすぎです、もはや誰の事かわかりませんよ。」 「おまえらー、仕事しろー!」 「うげ、藩王。いや、ほら、ぐれっちが元気ないっていうからさ、仲間のメンタルケアもりっぱな仕事のうちだぜ、うん。」 志水高末、だてに摂政はやっていない。咄嗟の切り返し(出まかせともいう)には定評がある。 「そ、そーだぜ。やっぱり仲間が落ち込んでるのはほうっておけねぇ。」 一見正論、やること暴挙、これが月光ほろほろクオリティー。 「そうですとも。仲間を思う心をなくしては人ではない。紐のない褌がもはや褌ではないように。」 いい言葉を褌や靴下に例えて言いなおすのはモモの癖である。 ちなみに3人ともハンターである。なんのかって?それは内緒だ。 「い、い、か、ら、し、ご、と、に、も、ど、れ、!」 たけきのこの右手の先の空間に穴があき、そこからバットの柄が顔を出しはじめている。 「お、おう、さーて仕事だ仕事だ楽しいなーっと」 「あ、こら、志水俺も行くぜ。」 「では、ワタクシも仕事に戻りましょうかね。」 二人は走って、モモだけなぜかスキップでこの場を去っていった。 「うー。まったくあいつらわー。」 3人の去って行った方を見て、たけきのこが呻く。空間の穴はいつの間にか消えている。 「では、お願いします。」 ひわみがノギを促した。 * * * * * 部屋の中で砂神は体操座りのままうずくまっていた。 扉の向こうから声をかけてもらえるのは嬉しかったし、特に摂政を恨んでいるわけでもなかった。 いや、「いくら摂政とはいえひどいでござるよ」。最初のころは何度も思った。 しかし、摂政に悪気がないのは良くわかっていたし、一番多く声を掛けてくれているのもまた摂政だった。 今は、ただただ悲しかった。悲しいというよりさびしかったのかもしれない。 ノギに会えることを夢見て夜中に褌に刺繍していた時の事を思い出す。寝ぼけて雑巾のかわりにしそうになったり、コーヒーをかけそうになったこともあった。 「ノギ殿に履いてもらいたかったでござる・・・」 志水も既に洗って返すといっているのだが、あの褌は砂神の中ではノギの持ち物であり、ノギ専用であった。持つのも履くのもノギ以外ではありえなかったし、他の人が履いてしまった時点でお古であって、それをノギに渡す気にはなれなかった。 「砂神さん、ちょっといいかね。」 はっとして扉の方を見る。ノギの声だ。 「な、なんでござるか?」 閉じこもってから初めての回答だった。 扉の外で、たけきのことひわみが小さくガッツポーズをとる。 廊下の角からは、褌3人組が隠れながら様子をうかがっていたが、たけきのこのガッツポーズを見て顔を見合わせた。 「なにやってんだ?」 「さぁ、でもあの様子だとうまくいってそうじゃないか?」 「もう少し様子を見ましょう。」 ノギが続ける。 「夜明けの船の褌、見ましたよ。立派だ、よくできている。」 用意された文章を読んでいるので多少の不自然さがある。とはいえ、この人物にしては上々の出来だ。 部屋の中の砂神はじっと聴いている。 「是非、私にも欲しいのだが、作ってもらえないだろうか。・・・できれば服に合わせて青地がいいのだが。」 最後の一文を聞いてたけきのことひわみは顔を見合わせた。ノギのアドリブだった。 「作ったら・・・」 扉の向こうから砂神の声。 「作ったら、履いてくれるでござるか?」 しばしの沈黙。 ノギは妙なプレッシャーを感じた。 背後でたけきのこがここで断るんじゃないぞーという無言のプレッシャーを与えている。 ひわみも真剣な表情でノギの背中を見つめる。 ノギは少しほほ笑んで、肩をすくめた。砂神さんはよほど愛されているようだ。それに、一人のためにここまで真剣になれる藩王。 やはり、ここはいい国だな。 「もちろん。よろこんで履かせてもらうよ。」 しっかりした声で答えた。 「ホントでござるか。よし、じゃあ頑張って作るでござる。」 たけきのことひわみが今度こそ大きくガッツポーズを取る。 褌3人組も顔を見合わせた。 「おい、なんだかうまくいったみただぞ。」 「あ、ドアが開いたぞ。」 「おーい、ぐれっちー」 3人は角から飛び出した。 が、出てきた砂神は、 「では、早速採寸するでござる。さあこっちへ」 そういうと、ノギの腕を掴んで部屋へ引きづり込む。扉がパタンと音をたてて閉まった。 「あ、あれ?」 一瞬の出来事にあっけにとられる5人。 「ち、ちょっと何を。」 「何って、採寸するのにズボンは邪魔でござるよ。大丈夫、男同士、何も問題ないでござるよ。拙者、頑張ってノギ殿に完璧じゃすとふぃっとの褌を作るでござる。」 砂神はわかっていた、ノギがたけきのこの依頼で来たことも、そしてノギの優しさも。 だから、はやくいつもの自分に戻りたかった。目がうるんでる自分を人には見せたくなかった。 「あ、こ、こらやめなさい。やめなさーい」 ノギは、褌を履くと言ってしまったことを少し後悔していた。 「おまえら、仕事しろー!」 扉の向こうでは、たけきのこが褌3人組をおいかけまわす。 「あー、するするー。するからバットしまえー」 「」 「」 あちこちの喧噪をききながら、ひわみが呟いた。 「すべて世はこともなし、と。ようやく、いつものたけきの藩国が戻ってきましたねぇ。」 [No.2331] 2007/07/25(Wed) 08:44:09 |