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ようやくできましたー。 ・・・えーと、かなり遅くなってしまいました。調子に乗りすぎました。長くなりすぎました。ノギさんと関係ない部分多すぎです。本当にすいませんでした。反省してます。 次からはTPOに合わせた文量で書けるように留意します。 砂神さん、藩王さま、ひわみさん、せっしょー、月光さん、モモさん。登場していただきありがとうございました。書いててとても楽しかったです。(特に砂神さんw) 一部の方は許可をとらずに登場させてしまいました。すみません。 問題とかセリフや行動がキャラにあってないとかあれば、すぐさま訂正しますので教えてください。 (ここのコメントが、ミッドナイトテンションで乱文になってましたんで、ちょっと修正しました。7/27 20:00) =========================================== 数日後、砂神はノギの付き人をやっていた。 褌土産を提出に行った際、その話を聞いた時の砂神の喜びようといったら、たけきの藩国の逸話の一つとして永く語られることになるほどのものだった。 もともと砂神のノギスキー度は藩民全員がよく知るところであり、ノギの逗留が決まった時点でこの役目は確定だった。ただ、砂神が暴走してノギに迷惑をかけないかという懸念がたけきのこにはあったのだが、それを聞いてひわみはこう答えた。 「目に余るようなら、『ノギ殿と会うの禁止するわよ』っていえばいいんですよ。効果あると思いますが。」 そうか、それもそうねと言ってたけきのこは笑った。たけきのことしても、できれば砂神の思いをかなえてあげたいというのが本音だったのだ。 長年の思いをかなえた砂神は、時々褌の素晴らしさについて熱く語る以外は、ノギの付き人としてよくやっていた。 そんなある朝、ノギの部屋へ急ぐ砂神は、摂政が褌と靴下という出で立ち(本人曰く正装)で風紀委員から逃げ回っているという、たけきの藩政庁ではさして珍しくもない場面に出くわした。 「摂政は今日も元気でござるな〜」 満面の笑みでその様子を見ている砂神。ふと、摂政の褌に目が止まる。砂神の目に褌がクローズアップされる。赤い褌だ。まわりには金の縁取りがある。 「ま、まさか・・・!」 語尾の”ござる”も忘れて呟いた。 翻った褌に大きく刺繍されていたのは、まぎれもなく夜明けの船であった。 --たけきの藩国摂政 志水高末の述懐-- 「いやー、ぐれっちに新しくできた褌石鹸を見せようと思って部屋に行ったんだよ。そしたら褌があったからさぁ、てっきり俺のために作ってくれたものだと思ってよ。今までにない出来だったから一目で気にいって、その場で着替えたんだよな。」 「それからあの日まで、ずっと履いてたよ。ん?風呂?褌は万能衣類だ、風呂ぐらいで脱ぐ必要はない。」 -- -- 砂神はその場で半時ほど氷ついた後、うなだれたまま自分の部屋に戻りカギをかけた。 * * * * * 数日後、ノギから砂神が現れない事を聞いたひわみは、独自の調査の後たけきのこに報告した。 ひわみから事の顛末を聞いたたけきのこは頭をかかえた。 「まったく、最近静かだと思ってたら、あいつらはどうしてこう・・・。まぁ、いいわ。ひわみん、ノギさんを呼んで頂戴、それと摂政は更生施設行きで」 「わかりました。それからひわ(以下略)」 * * * * * 藩王の執務室で、ノギとたけきのこが話をしている。 「わかりました。私としても、彼には世話になっている。力になれるのならばやりますが・・・。しかし、これで本当に効果があるのですかな。」 「はい。絶対とは言えませんが、まず大丈夫です。いずれにせよ今のところ、これでダメならお手上げです。」 「ふむぅ」 ノギの眉はちょっと表現しがたい動きで、内心を表した。少なくとも楽しそうだったり、嬉しそうだったりしていないのは確かだったが。 * * * * * ノギ、たけきのこ、そしてひわみが砂神の部屋の前に行くと、扉の前には既に先客がいた。志水だ。 「おーい、ぐれっちー(砂神時雨の愛称のひとつ)。元気出せよー。夜明けの船褌もちゃんと洗ったし、ほら、俺の褌コレクション半分やるからー。夜明けの船褌はなんと『着るものなんでもやわらかさん』の『ソフトさんS』で洗ったんだぞー。ふかふかだぞー。おーい。」 他に、月光ほろほろ、モモもいる。3人とも藩国内では(ともすると藩国外でも)有名な褌ガイズである。 「おう、ぐれっちー。お前の作った褌でファッションショーやろうぜー。庁舎の庭に特設の舞台も作ってあるぞー。」 無精鬚のおっさんは月光だ。 「そうですよー。私も珍しい舶来ものの褌で参戦しますぞー。」 こちらの捲き鬚の怪しげな紳士(?)がモモ。 この3人、砂神が部屋にこもってから毎日こうして声をかけていた。 いや、この3人だけではなく、藩王会議やその他の職務で忙殺されていた数人を除いた全員が、毎日1度は砂神の部屋の前で声を掛けていた。ただ、大部分の人間は仕事の時間が終わってから来ていたので、この3人と顔を合わせることがなかったのだ。 3人はまだたけきのこ達に気付いていない。 「みたん、庭の舞台撤去。」 「はい、手配します。それから、略しすぎです、もはや誰の事だかわかりませんよ。」 たけきのこはフンドシーズに向かって叫んだ。 「おまえらー、仕事しろー!」 「うげ、藩王。いや、ほら、ぐれっちが元気ないっていうからさ、仲間のメンタルケアもりっぱな仕事のうちだぜ、うん。」 志水高末、だてに摂政はやっていない。咄嗟の切り返し(出まかせともいう)には定評がある。 「そ、そーだぜ。やっぱり仲間が落ち込んでるのはほうっておけねぇ。」 一見正論、やること暴挙、これが月光ほろほろクオリティー。 「そうですとも。仲間を思う心をなくしては人ではない。紐のない褌がもはや褌ではないように。」 いい言葉を褌や靴下に例えて言いなおすのはモモの癖である。 ちなみに3人ともハンターである。なんのかって?それは内緒だ。 「い、い、か、ら、し、ご、と、に、も、ど、れ、!」 たけきのこの右手の先の空間に穴があき、そこからバットの柄が顔を出しはじめている。 「お、おう、さーて、仕事仕事〜。仕事だ仕事だ楽しいなーっと」 「あ、こら、志水俺も行くぜ。」 「では、ワタクシも仕事に戻りましょうかね。」 二人は走って、モモだけなぜかスキップで廊下の先の角に消えていった。 「うー。まったくあいつらわー。」 3人の去って行った方を見て、たけきのこが呻く。空間の穴はいつの間にか消えている。 「では、お願いします。」 ひわみがノギを促した。 * * * * * 部屋の中で砂神は体操座りのままうずくまっていた。 扉の向こうから声をかけてもらえるのは嬉しかったし、特に摂政を恨んでいるわけでもなかった。いや、「いくら摂政とはいえひどいでござるよ」と、最初のころは何度も思った。しかし、摂政に悪気がないのは良くわかっていたし、一番多く声を掛けてくれているのもまた摂政だった。今はただ、悲しかった。悲しいというよりさびしかったのかもしれない。 ノギに会えることを夢見て夜中に褌に刺繍していた時の事を思い出す。寝ぼけて雑巾のかわりにしそうになったり、コーヒーをかけそうになったこともあった。 「やっぱり、ノギ殿に履いてもらいたかったでござる・・・」 志水も既に洗って返すといっているのだが、あの褌は砂神の中ではノギの持ち物でありノギ専用であった。持つのも履くのもノギ以外ではありえなかったし、他の人が履いてしまった時点でお古であって、それをノギに渡す気にはなれなかった。 「砂神さん、ちょっといいかね。」 はっとして扉の方を見る。ノギの声だ。 「な、なんでござるか?」 扉の外では、たけきのことひわみがノギの様子をみつめていた。そして、廊下の角からは、褌3人組が隠れながら様子をうかがっていた。 「あれはなにやってんだ?」 「さぁ、しかし藩王さまのことだからなにか秘策があるんじゃないか?」 「もうしばらく、様子を見てみましょう。靴下とて時がなければ熟成しません。」 砂神は次の声を待った。扉の向こうのノギが続ける。 「夜明けの船の褌、見ましたよ。立派だ、よくできている。」 これは嘘だ。褌は見ていない。まぁ、用意された文を読んでいるだけなのだから無理もない。声の調子も、ところどころ不自然になったりしたが、概ねこの人物にしては上出来といってよかった。 「是非、私にも欲しいのだが、作ってもらえないだろうか。・・・できれば服に合わせて青地がいいのだが。」 最後の一言を聞いて、たけきのことひわみは顔を見合わせた。渡した台本にはない、ノギのアドリブだった。 「作ったら・・・」 扉の向こうから砂神の声。 「作ったら、履いてくれるでござるか?」 しばしの沈黙。 ノギは妙なプレッシャーを感じた。 背後でたけきのこがここで断るんじゃないぞーという無言のプレッシャーを与えている。ひわみも真剣な表情でノギの背中を見つている。 ノギは少しほほ笑んで肩をすくめた。砂神さんはよほど愛されているようだ。それに、一人の藩民のためにここまで真剣になれる藩王。やはり、ここはいい国のようだ。 「もちろん。よろこんで履かせてもらうよ。」 しっかりした声で答えた。 「ホントでござるか。よし、じゃあ頑張って作るでござる。」 たけきのことひわみが大きくガッツポーズを取る。 褌3人組も顔を見合わせた。 「おい、なんかうまくいったみただぞ。」 「あ、ドアが開いた。」 「おーい、ぐれっち殿ー。」 3人は廊下の角から、文字通り踊り出た。 が、出てきた砂神は、 「では、早速採寸するでござる。さあこっちへ」 そういうと、ノギの腕を掴んで部屋へ引っ張りこむ。そして、扉がバタンと音をたてて閉まった。 「あ、あれ?」 一瞬の出来事にあっけにとられる2人と3人。 「ち、ちょっと何を。」 扉の中からノギの狼狽した声。 「何って、採寸するのにズボンは邪魔でござるよ。大丈夫、男同士、何も問題ないでござるよ。拙者、頑張ってノギ殿に完璧みらくるじゃすとふぃっとの褌を作るでござる。」 砂神にはわかっていた、ノギがたけきのこの依頼で来たことも、そしてノギの優しさも。だから、はやくいつもの自分に戻りたかった。涙目の自分を、人には見せたくなかった。 「あ、こ、こらやめなさい。やめなさーい」 ノギは、褌を履くと言ってしまったことを激しく後悔しはじめていた。 「おまえらー、仕事しろー!」 扉の外側では、たけきのこが褌3人組を追いかけまわしていた。 「こんな目出たい日に仕事なんかしてられるかー」 「そうとも志水、今日は飲むぞ!たけきのの友情に乾杯だ!」 「まったく、今日は1年物の靴下のように素晴らしい日ですな。」 扉の向こうと扉のこちらで流れる喧噪をききながら、ひわみが呟いた。 「世はすべてこともなし。たけきのは今日も平和でした、と。」 [No.2359] 2007/07/27(Fri) 04:35:25 |