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一騎当千、と言う言葉がある。無論、たった一騎で一千の敵を屠れるか、と言えば答えは否だ。数学以前の問題だし、一昔前の大将同士が堂々と名乗りを挙げ、真正面から作法に則り一騎打ちで雌雄を決していた時代ではないのだ。重い鎧を着て目立つ騎士は、徒歩の兵にとって格好の的ですらあった。 が、たった四騎の騎士たちが醸しだす迫力は、そんな常識を吹き飛ばして余りあった。 東国人にしては珍しい西洋風の板金鎧と。如何にも東国らしい馬格は矮さく足は太い分、重量にも粗食にも耐え悪路を物ともしない逞しさを持つ駒が、何とも不思議な組み合わせであるのに、不思議と絵になる。 これは、彼等が一流の騎士であり、また剣士である事に起因していた。熟れた者だけが持つ風格だった。 「藩王様、敵です!」 真っ先に敵を発見したのは、先頭を歩む聖騎士でいだらのっぽ。彼は、その卓抜した長身を見込まれて隊の先鋒を務め、見事にその役割を果たしたのだ。 そして、彼等の士気が高い理由の一つに、彼等たけきの藩国の藩王、たけきのこ侯爵その人が出陣している事が、最大の理由だった。 どこの国でも、君主が陣頭に立てば士気は挙がるだろう。況や、ここはたけきの藩国。それだけで理由が説明できる国だった。 「みんな、行くわよ!」 たけきのこの令一下、整然と四騎の聖騎士が銀の剣を抜刀し、燦然たる煌めきが周囲に放たれる。 「…ッ?」 「……藩王さま? それって…?」 と、先頭に立つでいだらのっぽと違い、両翼として藩王を支援し警固しながら共に戦う位置にある化野‘IMAP’忌々と大須 風太郎は、ある事に気づいた。 いや、気づいてしまった。 東国人としては、充分に威風な西洋風の長剣を構える自分達と比べても、藩王の持つ得物は異質であると言う事を。 ここで、賢明にも化野は 「何も観なかった事にしよう、全ては戦場にありがちな集団幻覚だ」 と自分を納得させたのだが……。 不幸にして、大須は口に出してしまった。 「藩王さま? それって……何?」 「何って。勿論、剣よ。それ以外の何?」 当たり前の質問を受けたように、普通に受け答えする主君の顔を見て、大須は悟った。無事に帰国したとしても、自分が如何なる運命に見舞われるかを。 彼の眼には、どうみても刀剣には見えない、寧ろ野球の道具の一つと、地獄の羅卒が持つという金棒を融合させたような謎の代物を、軽々と舞扇のように片手で振るっている藩王の姿が映っていた。 その日、<決死>の覚悟で突進する清木氏部隊の奮戦は後世まで語り継がれる事となる。 その際、まるで死に急ぎでもするかの様に最も危険な戦場に躊躇なく突撃し、バッタバッタと敵を薙ぎ倒す大須の勇姿もまた、後世まで永く語り継がれた。 が、その獅子奮迅の活躍の動機は、後世には伝わっていない。 大凡の事情を察した藩国の人々も、敢えて記録には残さなかったから。 ――−−−−−−−−−− すみません、チャットの会話と藩王さまのACE設定で化野さんが描かれたイラストから、変なSSを妄想して書いてしまいました。 でも、騎士の得物としては斬撃の時に刃筋が立っていないと容易く折れ曲がる刀剣よりも、メイスとか棍棒の方が……。 [No.2485] 2007/08/05(Sun) 04:11:56 |